フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

赤箱 v.s. ゴンザレス

2005-09-14 | 関連グッズ
フルートの人、ごめんなさい。今日はクラリネットのリードのことです。

リードとは、クラリネットやサックスでマウスピースにつける竹べらのようなもの。これがないとこれらの楽器は音がでない。
自然素材なので、いろいろとばらつきがあったりと手間がかかるのである。プラスチック製のものもあるが、私は使ったことがない。使っているのもみたことがない。


バンドレン(バンドーレン)という、フランス製のものが最も一般的に使われていると思う。ただ困ったことに、ばらつきが大きい。
リードは一枚一枚バラで買うことはほとんどなく、10枚入り1ケース単位で購入する。
1ケース買って、練習に使えるのが2~4枚。演奏会本番で使えるのが0~1枚。そんな感じ。

フルートのようにリードを使わない楽器の人にはなかなかわからないと思うけど、クラリネットの演奏はかなりリードの良し悪しに左右される。高い音が出にくくなったり、早くて跳躍のあるフレーズができなくなったり。
吹奏楽をやっている人なら、クラリネットセクションの人が、リードが悪い、ということを出来ない言い訳として使うことを良く目にしていると思う。あれは、そんなには大嘘ではないんです!


ずっとバンドレンから浮気をしたことがなかった私ではあるが、あるきっかけでリードを変えた。今使っている楽器を買ったとき、お試しでリコーの「赤箱」リードがついてきたのである。

試しに使ってみたら、なかなか音色が気に入った。悪く言えば、びーびーした音。よく言えば、腰がある強い音。明らかにバンドレンのスタンダードなものとは傾向が違う。

面白い! ということで早速赤箱を一箱購入。これで感心したのが、ばらつきの少ないこと。バンドレンのばらばらが当たり前と思っていたので、単価はバンドレンより高いものの逆にお買い得かも。一箱のうち、7~10枚が練習に使える。やったぁ!

その後マウスピースを変えたので、またバンドレンや、リコーの青箱、銀箱、などいろいろとリードを試し、また赤箱に戻ってきた。しかしいままで使っていた硬さでは柔らかく感じるようになったので、一段階硬いものに変えた。それに合うようにリガチャー(リードを固定する締め金)も変えた。リードやマウスピースを替えると、その度になんだかんだとお金と時間がかかるのである。困ったもんだ。
そこが嫌だよね。リードを使う楽器。


これでしばらく落ち着くだろうと思っていた。

今エキストラで行っている吹奏楽団に、某楽器修理アトリエの人というのが、巡回?に来ていた。で、帰り際に1枚、お試しリードをくれたのである。

その名は「ゴンザレス」。

なんかすごいよねぇ。
南米の山奥アマゾン川のほとりで、ひげもじゃもじゃの巨漢が、背中を丸くして小さなリードを削っている。

そんなシーンを想像してしまう。なんか、考えるだけで息苦しい。

名前は聞いていた。雑誌でも見たことがある。そこの吹奏楽でも使っている人がいる。
しかし、その名前が「怪しい」し、パッケージも「怪しい」。アルゼンチン産ということで宣伝文句に「アンデス山脈の・・・」と書いてあり、どこかの強精剤みたいで、いよいよ「怪しい」。リードを変えるのもいろいろ苦労が多いことだし、あえて使ってみようとは少しも思わない。思わなかった。


せっかくもらったので、翌週の練習でおそるおそる使ってみた。
それが、けっこう良かったのである。腰があるけどびーびーいわない。「ゴンザレス」という名前からどうしても連想してしまう、「無作法」なところはなく、力任せなところもないようだ。最高音域で神経質なところが少なく、演奏が格段に楽なのがいい。音色もまろやかみたい。

ああぁ、ゴンザレスさん、偏見で差別してごめんなさい。
ギャー、その巨体で押しつぶさないでー! ひぃぃぃぃ!  という心境。


もう一人このリードをもらった女性が、自分には硬すぎるといって1枚を私にくれた。従って計二枚、タダでゴンザレスリードをGET。

もう少し使ってみてやっぱり調子よさそうなら、このまま本番にも使ってしまおうかな。