対峙

お酒を持ってって、一番返答に困る質問があります…。

「 このお酒、何処に行けば買えるんですか？ 」

と言った類のものです。飽くまで好意で持ってきている訳ですから、野暮な事は訊かないのが礼儀だと思う一方で、知りたいと思うのも分からなくはないので本当に困ります…。

酒販店さんを紹介する事自体は別段問題ないのですが、頭に来るのは、「 行ったらなかった。 」 みたいな愚痴を後になって言われる事です。

日本酒は限定品、季節限定品と言ったものが多く、蔵元さんも企業規模の大きくない処が殆どですから、定常的に手に入るお酒の方が寧ろ少ないと言えます。人気銘柄ともなれば尚更です。

当然の事ですが、人気銘柄の稀少品だけを求める客は、酒販店さんから確実に嫌われます。言うなれば、酒販店さんは蔵元さんと我々消費者の橋渡し役、稀少品だけが消費される関係は3者其々にとって良くないのです。

好きな銘柄に手に入りにくいものも少なからずあるので、説得力はないかもしれませんが、私の場合、「 美味しいお酒を飲みたい。 」 と言うのが第一です。従って、酒販店の主殿の其の時期のオススメ銘柄を試すのが楽しみだったりします。飽くまで嗜好品ですから外す事もありますが、「 こんなに美味しいお酒が眠っているとは！ 」 と感銘を受ける事もしばしばです。