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まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

イベント「ようこそ」

2008-06-19 05:25:09 | ほっと一息。
6月14日(土)。

日本語教会主催で、エディンバラに住む日本人の方々を対象とした「ようこそ」というイベントがありました。教会のゆきさんの息子さん、Timの手品が、すっごく良かったです。目の前で見ることが出来て、ラッキーでした。

妻の宣伝の甲斐もあり、家族連れの人達がたくさん来てくれて、盛り上がりました。みなさん、来てくれてどうもありがとう。

今回は、僕は初めて子供の歌を中心に演奏しました。これがとても良かった。アイアイとか、幸せなら手を叩こうとか、子供の歌には、ノリのいい曲がたくさんあります。今度から、この線で行こうかな。

写真では、ハーモニカ・ホルダーを持っていないので、サムに手で持ってもらってます。何かすっごいおかしい絵ですね。「ほうれん草のうた」という、川越の八百屋さんを題材にした歌を歌っているところです。

湖水地方

2008-05-28 07:00:17 | ほっと一息。
5月22日(木)。

僕が電車の切符を一日間違えて買っていた、という信じられないハプニングもありましたが、何とかエディンバラからカーライル駅まで電車で行き、そこからレンタカーで湖水地方に行きました。車の運転はウガンダで乗った12月以来5ヶ月ぶり。イギリスでの運転は、1年ぶりくらいでしょうか。

イギリスには、ボックスホールという車の会社があって、その車の特徴は、シフトレバーをバックに入れる時、レバー持ち手のすぐ下に付いているロックを、上にスライドさせなければ、バックにギアが入らない仕組みになっています。

2年ほど前にも、ボックスホールの車を借りた時に分からなくて、車を後ろに動かしているつもりが前に動き、危うく事故りそうになったことがあります。

今回も、そんなことは綺麗さっぱり忘れて、駐車場の壁側に、ぐいぐい前側バンパーを押し付けてしまいました。お陰で出発前なのに、しっかりバンパーが凹みました・・・。

お昼頃には、そんなこんなで、実は疲れ切った状態だったのですが、両親に心配を掛けてはいけません(恐らく十分心配し切っていたことでしょう)。

ポーカーフェイスで運転し、湖水地方に来てみると、本当に、それはそれは美しいところでした。山深く、湖も本当に美しかったです。写真は、宿から一時間近く歩き山を登ったある場所からの風景です。出だしはさんざんでしたが、あの風景には大満足でした。

教会へ

2008-05-28 06:35:32 | ほっと一息。
5月17日(日)。

もう1週間以上前の話になりますが・・・。

父と母も、妻子とともに教会に来ました。
僕は家族より早めに教会に入り、準備をして、賛美歌の演奏をしていました。

日本にいる時は、家族で法事には寺へ、正月には神社へ行ったものでしたが、よくぞすんなり教会へ来てくれました。この日の午前中には、父はアーサーズ・シートという近くの山を登頂していたので、疲れていたようでしたが、居眠りもせず最後まで参加してくれました。母は、子供の頃カソリックの学校に通っていたこともあり、久し振りの説教を熱心に聴いておりました。息子の天馬は、最近毎回一番前の席に陣取って、僕の演奏を熱心に見つめて聴いています。この日もやはり演奏中は一番前で聴き、家に帰っても賛美歌を鼻歌で歌っているのでした。

記念すべき平和な日でした。

愛こそすべて

2008-05-06 09:46:36 | ほっと一息。
5月5日(月)。

言わずもがな、John Lennonの歌、All you need is love。
難解な歌詞については何も言いたいことはないのだけれど、愛こそすべて、というのが、急にその通りだなと感じました。エディンバラには珍しい、Tシャツ一枚でも過ごせるほどの陽気だったからかも知れません。学生も試験から開放されて、たくさんのカップルが楽しそうにそこら中を歩いているからかも知れません。

でも、本当だなと思います。

どんなに一流の大学を出て一流の企業に勤め、そしてバリバリ仕事をしても、幸せを感じることが出来なくて、疲れて体や精神を病んでしまうことが多くあります。

長くバンドでメジャーデビューを夢見て来た人達が、夢を叶える段階で、中身のない商業主義に疑問を感じ、離れていくこともあります。

一方で、どんなに小さな仕事や家庭のことでも、思いやりを持ってやっていると、とても楽しくなります。もちろん、成功していて、そこに愛があるからこそ上手く回っている人も、たくさんいるでしょう。

論文を書いていて、また就職活動をしていて、一体どこにどう進んで行ったらいいものか、分からなくなる時があります。特に今年は、イギリスにいるのであれば、8月から息子も小学校一年生(5歳で小学校が始まるのです)なので、焦るんですね。しかし、愛こそすべてだ、と考えると、今までの選択は決して間違っていなかったと確信が持てるし、今後も正しい選択をして行けそうに感じます。僕の場合、どんなに高度な数学を使いこなすようになっても、愛がなければ機械のようになってしまう。でも、それが血が通ったものであるなら、毎日同じ作業をしていても、きっと人の役に立ったり、お互い喜びがあったり、遣り甲斐のある人生になるはず。そして、話すこと、書くことも、きっと誰かに届くはず。

皆さんも、そう思いませんか?僕は、それに賭けます。

でも、論文、試験、履歴書の作成などは、抜け目がないよう、しっかりしなくちゃね。

春じゃのう

2008-05-03 05:42:28 | ほっと一息。
5月2日(金)。

今週から、本当に春になったという感じです。折りしも大学の学部生と修士課程の学生のほとんどは、試験が終わったからなのか、明るい日差しの中を、多くの若者カップルが嬉しそうに歩いていく姿をよく見かけます。

僕たちのオフィスの博士課程の学生4人で、今日は校舎の斜向かいにあるメドウズという公園でランチを食べました。曇っていたので寒くなってしまい、すぐにオフィスに戻りましたが、やはり街中はいいです。便利で人も多くて、心ウキウキします。ちょっと休憩、とカフェに行けるのが、すごくいいですよね。これまでは、外の空気を吸いに外に出ても、牛か馬、羊しかいなかったですから。ま、それも良かったんですが。

今日は、ようやく博士論文の提出予告の書類を出し終わり、意外と複雑で進んでいなかった第7章も、糸口が見つかり、進み始めました。来週には終わらせないと。

仕事が終わって、子供が遊んでいるメドウズの公園に行くと、とある日本人家族に会いました。ご主人は、3年前にエディンバラ大学で博士課程を終え、イギリスで働いていらっしゃいます。今年の夏には、日本で仕事が見つかり、帰られるそうです。話を伺っていると、自分の他にも、同じような道を歩み、しかも卒業後さらに挑戦を続けている方がいらっしゃるのだということを知り、ちょっと心強くなりました。卒業後の仕事は、あまり焦って決めないように、とのご助言をいただきました。実際焦りますけどね。爽やかな笑顔のお陰か、不思議と前向きになれました。メドウズでは、八重桜がとうとう咲き始めました。ようやく、待ちに待った春じゃのう。


感動のハグ

2008-04-30 05:24:12 | ほっと一息。
4月29日(火)。

先週、田舎にあった校舎から、街中の旧校舎に移りましたが、ラボのセットアップも終わり、ほぼ普通に仕事出来る環境になりました。

この旧校舎は、家から歩いて5分のところにあるので、とても便利です。一番変ったことは、僕が子供の送り迎えが出来るようになったことです。朝は9時に幼稚園まで連れて行き、月曜と金曜は1時に、それ以外の日は12時に迎えに行きます。いったん家で昼食を摂り、午後からまた歩いて大学に行きます。

お陰で息子と話す機会も増え、仲良くなったように感じます。面白いことに、幼稚園にいる他の子供たちとも仲良くなってきました。

今日昼に幼稚園に迎えに行く途中で、ルイースという4歳の男の子に会いました。彼は、母親と幼稚園から帰るところでした。昨日帰りに、ルイースが「ハロー、マイフレーンド!」と握手をして来たので、今日は顔を見てすぐ、「ハロー!」と両手を大きく振ってみました。すると、両腕を広げて「ハロー!」と言いながら走ってくるではありませんか!

僕も駆け寄って、二人は抱き合ったのでした。感動的なハグ。しかし、お母さんは横で困ったような顔をしていました。いいんです、本人達がハッピーなら、それで。

これまでの昼食は、コンピュータに向ったまま、ただ弁当を食べるだけでした。職場(学校)の環境が変るだけで、これだけ一日の生活が変るんですね。本当に精神的に良い昼休みを取ることが出来るようになりました。

ある高校生の決心

2008-02-25 07:17:27 | ほっと一息。
2月24日(日)。

僕は、毎週日曜日は教会で、賛美歌の伴奏にギターで参加しているので、今日もギターを担いで、子供を連れて行って来ました。

その教会には、エディンバラに留学して2年目になる在日韓国人の高校生M君がいます。昨年末のある日、教会でM君は僕のところに来て、日本でミュージシャンになるにはどうしたらいいか、作曲出来るようになるにはどうしたらいいか、と聞いてきました。彼の伏目がちの視線に、彼の年の頃自分が持っていた将来への不安と音楽に生きていくための明るさを求めようとしていた、その時の自分が重なり、これは何か助けが必要かも知れないと思い、M君との個人的なつきあいが始まったのでした。

今年に入り、初めて教会の外、彼の下宿先で会った日、彼の心の中にあるものを少しずつ聞き出し、それを詩の中に書き出せるよう、曲の構成と簡単なメロディーを渡し、次回までに詩を書き出してみるようアドバイスしました。

その次の週会ったとき、詩の断片に見たのは、行き詰って解決の糸口も見出せないとても大きな不安、そして暗闇のようなものでした。彼の詩の中には、不安ながらもそれをはねのけて、自分の手で明るい将来を手に入れよう、という意思すら見出せず、全てを諦めてしまう方向に向いつつありました。

これは作曲どころではない、何とかしなければならない、と感じた僕は、まず不安だった10代の頃に作った自分の歌、「もしそれが好きなら」という曲を歌いました。彼は非常に共感し、少しずつ自分のことを話し始めました。

家庭内にも問題のあったM君は、工業高校に進学した時、荒廃した高校に溶け込めなかったので、親戚のある人のアドバイスで、エディンバラに留学しました。しかし、英語がさっぱり分からないためエディンバラの高校でも勉強について行けず、翌年は語学だけ学んで過ごしていたのです。高校卒業の年齢を迎えた彼には、直接大学を受験するための基礎知識を学んだ事実も証明もありませんでした。日本にいたため母国語の韓国語もあまり出来ないので、韓国社会に復帰するのも困難です。また音楽も、まだギターで弾けるようになった曲が一曲もない状態でした。

僕は、心をこめて、大学検定や定時制高校など、今からでも高校3年生までの勉強が出来ることを話し、その日は、もう一度高校での勉強をやり直すよう説得して終わったのです。僕が帰る前、M君は、今まで親も含めて、自分のことを心配してまっすぐ話してくれた人はいなかった、と感謝してくれました。この子には、親身に一生懸命接すれば、ちゃんと反応できる資質がある。これはなんとかなるかも知れない、と直感的に感じました。

3週間インペリアル・カレッジにいたので、その後会っていませんでしたが、今日教会で、久し振りに会ったM君は、明らかに明るさを取り戻した表情で、まっすぐ僕のところに挨拶に来ました。

「今までどうもお世話になりました。あの日話してもらったことで、勇気が出て考えることが出来ました。来週日本に帰って、両親と向かい合って話し合って来ます。」

僕のアドバイスしたとおりにするかどうかは分かりませんが、というM君でしたが、親も彼に向き合っている今、一番大切な彼の心の礎、両親との対話の再開をするということで、この子は暗闇から出ることが出来る、と安心しています。人生は、スタートがどんなに遅れても、全うに生きることに気が付いたら、幸せに生きて行けるのだと思います。

僕も高校、学生時代に音楽に没頭し、勉強をあまりしなかったけれど、結果的に作曲を通して一人の若者を救えたのだったら、それは全く無意味なことではなかったのです。今日は、爽やかな日曜日になりました。

エディンバラに戻って

2008-02-25 07:06:59 | ほっと一息。
2月23日(土)。

エディンバラの中心部のすぐ南東部には、アーサーズ・シートという山があります。火山運動の影響だったか、地盤が急激に盛り上がって出来たような特徴のある山で、切り立った崖が続き、地層が剥き出しになっています。

ロンドンからの電車が、いつも通り遅れたので、エディンバラはまだかと車窓から見ていると、遠くにアーサーズ・シートが目に入りました。あー、帰ってきたなぁと思う瞬間です。

近づくにつれ、エディンバラは、周囲の牧草地帯も、アーサーズ・シートや北海からの入り江を含めたその地形も、建物も、つくづく美しい都市だなあと感嘆しました。

今回のコースは、インペリアル・カレッジの修士課程の統計コースが、口コミで120名に限りビジターを受け入れたものでした。ビジターは、イギリスの他、オランダ、ドイツ、デンマーク、スペイン、スイスの大学から来ており、休憩時間や昼食時間には、多国籍の人達と交流することが出来ました。インペリアル・カレッジの学生たちともメール・アドレスを交換し、うち一人は、3月中にエディンバラに遊びに来るそうです。

宿泊先のB&Bの老夫婦もいい人達で、その人達の飼っている犬も、僕にすっかりなつきました。宿泊代は土地柄ポッシュな地域なので高かったけれど、老夫婦とのやり取りには心癒されました。イングリッシュ・フル・ブレックファストも、毎日美味しかったです。

でも、駅に迎えに来てくれた家族と再会すると、当たり前だけどやっぱり家族が一番だなと感じました。夕食は、お願いしていたお好み焼き。これはスーパーでも絶対売ってませんからね。美味しかったです。

一年を振り返って

2007-12-31 20:14:06 | ほっと一息。
2007年12月31日(月)。

今日は大晦日、2007年最後の日。
昨日、ようやく博士論文第2章の校正が終わって指導教官にメールで提出できたので、ブログを書く時間も出来た。12月半ばから、ビザの延長手続きとリクルート活動の開始、そして同時進行の博士論文第3章の執筆で忙しかった。ウガンダでの研究結果を簡単にまとめ、ウガンダと大学に発表していたこともあった。

ブログで一年を振り返って見ると、今年は留学一年目と比べると、あっという間に一年間が過ぎたように感じる。今年の一月に、第2章を書き始めていたので、たった一章に一年間かかってしまったようにも感じるが、他の多くの仕事を進めて来たので、そういうことではない。

今年は、研究者として一人前に近くなった年だった。
5月に初めてオランダにて国際学会で口頭発表し、6月にはメキシコの国際学会ポスター部門で2位を受賞。8月には、フランスで念願だったリスク分析の講習会に参加し、9月からはウガンダで最後のフィールド調査。ウガンダ政府、大学からも研究内容を大いに注目されるようになった。

なんとかイギリス政府から奨学金がもらえたお陰で、1月からフランス語とスペイン語を学べるようになり、メキシコ、フランスでは大いに役立った。

家庭では、4歳の息子が、昨年よりさらに丈夫になってきたことで、生活がかなり楽になった。幼稚園では友達もたくさん出来、のびのび楽しく毎日を過ごしている。一年間、わがままで不在なことが多い夫と子供の面倒を見てきた妻には、何か特別な賞を与えたいくらいに感謝している。

来年は、博士論文提出、口頭試問、そして仕事を始める年。さらに忙しくなるのでまたブログからは遠ざかると思いますが、皆様来年もよろしくお願いします。
それでは、良いお年をお迎えください。

森にただよう種

2007-11-29 22:41:52 | ほっと一息。
11月29日(木)。

今回のウガンダでは、土日もほとんどフィールドに出ていたので、2ヶ月のうち、2回だけ仕事を休んで観光に行くことが出来ました。

中でも強く印象に残ったのが、帰る前にドライバーと訪れた、協力隊員Kさんの配属先、マビラ・フォレスト。

アジアの熱帯雨林に比べて木の丈が低く、小さくて驚いた、というのがKさんの最初の印象だったそうですが、僕には、新しい発見がいくつもあったし、森の自然に、疲れ切っていた心身がとても癒されました。

写真は、直径10センチほどのタンポポのような種。
そう言われると大きい、と思うでしょう?この不思議なほわほわしたものが、静かな森の中をただよっているのです。植物の名前は分かりません。でも、僕にはその神秘的な光景が、感動するには十分でした。