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まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

海外でのクレジットカードの使い方には気を付けましょう

2008-05-21 06:11:29 | 異文化
5月16日(金)。

両親がスコットランドに着いて、2日目の朝、我が家で朝食を済ませ、僕と3人、歩いて駅まで行きました。翌週月曜日にロンドンに行く、電車の往復切符を買うためです。

順調に駅に着き、両親の通訳をしながら希望の切符を予約し、無事支払いをしようとした時です。父のカードを出すと、駅のコンピュータのモニターには、読み取り不能の文字が出ました。駅員が席を立ち、カードを持って事務室の中に入って行きました。

待つこと5分、戻ってくると今度はパスポートを要求され、また中へ。さらに待つこと10分くらいだったかな?今度は、生年月日等要求されました。子供を幼稚園に迎えに行く約束をしていたので、もう時間がありません。カードを諦めて、現金で支払いました。カードが使えなかったのです。

朝食は家で摂り、また午後は、今度は旅の後半でスコットランドのハイランドを観光するため、ツアーを予約しに、観光センターに行きました。

ツアーを選び、支払いしようとすると、またカードが使えず。今度は母のカードを出しましたが、認識はしても、暗証番号が合わないので断念。僕の銀行カードで支払いました。ここで皆焦りました。ロンドンとスコットランドには、両親だけで行きますが、カードで支払う予定が、両親二人ともカードが使えなかったのです。

家に帰ってから、だめもとで近くのスーパーマーケット、「テスコ」に買い物に行きました。ちょうどレジが知り合いのフィリピン人のお姉さんだったので良かったのです。また認識出来なかったカードを見て、すぐに教えてくれました。

カードが、表にチップが付いていない旧式のものだったのです。これはもう、イギリスでは使えません。海外に初めて、または久し振りに出られる方は、確認してくださいね。

翌日になりますが、17日土曜日、両親二人で観光に行き、昼食を摂った際、母がカードで払おうとしましたが、やはり認識はされるけれど(母のにはチップが付いてました。)、暗証番号が合わず、現金で払いました。日本でのクレジットカードでの支払いには、暗証番号は必要とされないので、覚えてない人が結構多いと思います。イギリスでは、読み取り機にカードを差し込み、暗証番号を押さなければならないので、これを読まれた方は、海外に出られる際には、必ず暗証番号を確認することをお勧めします。

結局、最終的に思い出すことが出来たので良かったですが、これはよくある話だろうなと思いました。皆さん、くれぐれもカードのチップと暗証番号の確認は忘れずに。ま、こういうのも、振り返ってみれば楽しい思い出の一つになるかも知れませんが、旅行中は不安で楽しめなくなるかも知れませんからね。

マオイスト優勢

2008-04-14 08:17:14 | 異文化
4月13日(日)。

先週末から、1999年以来9年ぶりの、ネパールの選挙での選挙について報道されていますが、何と驚いたことに、現在マオイストが集計が終わった128の議席のうち71も勝ち取っています。

1999年といえば、丁度僕たちがネパールにいた頃。選挙はネパール語では、ツナップと言いますが、ツナップの頃は、僕が住んでいた村でも不安定な状況になっていて、結局2000年7月に日本に帰るまで、村長が不在という事態に陥っていました。

1998年にネパールに行った頃は、素朴で平和な国だったのですが、徐々にマオイストのゲリラ活動が盛んになって来て、政府のオフィスや銀行を襲撃する事件も多くなってきました。近くの学校の先生が襲われ、殺害されたという話を聞いてからは、実は毎晩ククリという短刀を枕元に忍ばせて寝ていました。懐かしいなあ。

ある友人は、寝込みを襲われ、銃口を突きつけられてパスポートと、確か政府開発援助プロジェクトの資金を取られました。僕はと言うと、焼酎を飲みすぎて泥酔していた2000年4月のある夜1時頃、住んでいたジリという村からルクラというエベレスト街道の村へ物資を送る停泊中のヘリがマオイストによって爆破され、ジリの谷全体が震えるほどの爆音に包まれた、と言う事がありました。この時、全く気付かなかったので、翌朝近所のおばちゃん達の笑い者になりました・・・。ジリ谷上の尾根にある警察署は、マオイストからの襲撃を受け、銃撃戦となりました。

そして、僕は任期を3ヶ月残して首都カトマンドゥに撤退となり、悔しい思いをしたのでした。

あのマオイストが、国民に絶大な支持を得ているなんて。マオイスト支持者が、どうどうと顔を隠さず(赤く塗ってますが)町を行進しているなんて。10年一昔とは言いますが、信じられない状況です。今後、ネパールで仕事をするとしたら、マオイストと笑顔で仕事をして、家に招待されちゃったりするんでしょうか。そんな時、昔話もしちゃうんでしょうか。実はあの時スパイで、あんたを見張っていたんだよ、なんてカミング・アウトもあるんでしょうか。

2003年に一度村を訪れましたが、その時、よく挨拶をしていた明るいおばちゃんが、久し振りに話していたら、急に泣き出しました。息子が少し前に、家の傍でマオイストに襲われ、銃殺されたそうです。

ネパールで共産主義が優勢になることと、2006年に宣言されたマオイストによる武力活動の停止が守られることを秤にかけたら、前者のほうが僕には喜ばしいことです。今回の選挙は、240年間続いた王政を廃止する決定を正式に認めるものとなります。とにかく、早くネパールが安心して旅が出来る国に戻りますように。

権力への執着

2008-04-05 09:57:02 | 異文化
4月4日(金)。

日本では、ジンバブウェの大統領選挙の話は報道されているでしょうか?

土曜日の選挙から6日も経った今日、開票は未だ終わらず、接戦の末、1980年の独立以来28年間も大統領の座についていた84歳のロバート・ムガベが、政党の応援を得てrun-off(2者決定戦)を戦うことを宣言しました。

接戦と言っても、2日前には、対立候補のツヴァンギライが過半数を超えて勝利したと宣言しているのです。

2日経っても、報道されている議席数の円グラフは同じままだし、確実にコントロールしようとしているのでしょう。外国人報道陣も拘束されたままだし、この権力への執着というのは、恐ろしいばかりです。

ムガベ政権の下、経済は10万%のインフレ、成人の失業率は80%に達しています。

ウガンダにいた時に大統領選があり、対立候補を逮捕拘束したことへのデモと、学生の学費関連のデモが同時に起こって、その時は催涙弾の餌食になりました。先日のケニアといい、全くアフリカの権力者としたら、どうしてここまで権力に執着するんでしょうか??アフリカには、選挙に負けたら国外へ亡命することも多く、それだけ一度権力から離れたら危険にさらされるのかも知れないけれど、そんなこと国民にとっては関係ないこと。ムガベの場合は特に、国民のことなんか考えているとは到底思えません。でも、半数近くも未だにムガベに投票するのは、分けが分からん。美味しい汁を吸っているのは一部だけだろうし、何故なんだろう???

調査は数ヶ月して来たけれど、やっぱりアフリカは僕の想像を越えています。

サマータイム08

2008-04-01 03:13:19 | 異文化
3月31日(月)。

昨日から、サマータイムということで、一時間繰り上げになりました。
毎年、3月の最終日曜日にこの時間変更があります。

今年も気付かず、天馬を我が家の時計で11時に、合気道の稽古に連れて行くと、もうとっくに始まっています。あれ?と驚いていると、他の父兄が嬉しそうに、ああ、お前もかーと話しかけてきました。親しくしているスペイン人親子も、間違えたのでした。

夕方、友人が家に来ることになっていたのですが、時間を過ぎても来ません。もしかして、と電話してみると、やっぱり気付いていませんでした。お互い、もう何年もイギリスにいるのに、毎年うっかりしてしまいます。というか、イギリス人でも気付かないことが多く、昨年友人家族は、これで飛行機に乗れなかったそうです・・・。

今日は、一時間ずれたのでやはり朝起きるのが辛かったし、夜は、土曜まで夕方7時には暗かったのに、今日は夕方7時になっても、まだまだ夕方のように明るいです。長かった冬が完全に終わりを告げるのは、やはりこの日、サマータイムに切れ代わる日なような気がします。

あー、これからは気分が明るくなりそうだけど、子供がなかなか寝ないんですよねー。たった今、寝室から、ねむれなーい、という声が聴こえました。

ウインザー城

2008-02-11 23:16:13 | 異文化
2月9日(土)。

ウインザー城に行ってきました。
妻がエディンバラで子供を撮るだろうと思い、カメラを持って行かなかったので残念でしたが、すごく良かったです。

ウインザー城は、崖の上に奥行きは1km弱、幅は400mくらいの面積を持つ巨大で壮麗な城で、よく週末にはエリザベス女王が宿泊されているそうです。

アスコットからは電車で30分くらいで、ロンドンからだと1時間くらいだと思います。もう時間もないので詳しく書きませんけど、観光にはお勧めです。僕には、バッキンガム宮殿より印象的でした。

未だにちゃんと機能している中世の城があるのは羨ましいです。
総面積で行ったら、江戸城や大阪城外堀の中の面積の方が遥かに大きいでしょう。でも、もう痕跡だけ留めて、城としても機能してないですからね。江戸時代には、どんなに壮麗だったことでしょうか。見てみたかったです。

とにかく、イギリスに行ってちょっとロンドンから足を伸ばせるのであれば、お勧めですよ!

上流階級

2008-02-07 22:36:47 | 異文化
2月7日(木)。

上流の、という英語は、Posh(ポッシュ)と言います。

今宿泊しているアスコットという小さな町は、超が着くほどポッシュな地域です。
昔は、貴族の狩猟場だったようで、たった今このブログを書いている温室も、貴族の狩猟用の宿泊施設に併設して建てられたものです。そして、僕たちは、以前社交場として使われていた広間で講義を受けています。

一番近場で安かったアスコットのB&Bは、一泊55ポンドで、エディンバラの4割り増しくらいの値段です。そこから早足で大学まで片道30分あります。まっすぐロンドン・ロードと言う坂道を登ったり下ったりしますが、途中にあるのは一軒のレストランだけ。あとは、家もなかなか見えないような広い土地の大邸宅が続いています。毎日1時間以上歩いているので、正月で出た腹も引っ込みそうです。

統計の実習で、インペリアル・カレッジ・シルウッド校付近の地価のデータを扱いました。Rで地価を高い順に並べ替えしてみると、なんとアスコット。。ポッシュなエリアでも一番ポッシュなところに泊まっていることが分かりました。でも、他に宿泊できるところはないのでしょうがありません。大学内の宿泊施設は申し込みが遅く、一杯でした。

しかしながら、B&Bのおばちゃんはとても気さくな方で、ポッシュという言葉からはかけ離れた人です。夕食は、電子レンジを使わせてもらって、スーパーの出来合いのものとエディンバラから持って来たインスタント食品で済ませています。ま、おばちゃんよりも、性格も服装も、一番ポッシュという言葉からかけ離れているのは僕だという気がしますね。

頭は使いよう

2007-11-27 22:50:01 | 異文化
11月27日(火)。

ウガンダ、ビックリ写真その1です。

ウガンダでは、小さい子供から老人にいたるまで、みな上手に物を頭に乗せて運びます。

前回までで一番驚いたのは、小さい子がペットボトルを頭に乗せて手放しで歩いていたことでしたが、今回、その記録をおじさんがあっさり抜いてしまいました。

な、なんと、自転車を漕いだまま、長い板を頭で運んでました。

注)小さい子は、マネをしないでね。

ガンダ牛

2007-11-23 01:55:37 | 異文化
11月22日(木)。

2003年か2004年ごろ、NHKラヂオで、夕方6時頃に正岡子規の日記を朗読する番組が放送されていた。病床にある子規の日記だったが、やはり彼の才能からか、妙に惹き付けられて聴き入っていた。よくこの時間帯は秩父の牧場からの曲がりくねった急な坂を下っているところで、暗くなりかけた山の中の景色と、朗読とが妙にマッチしていたのを覚えている。

ある日の朗読で、子規は、当時の畜産農政の変化について、不満をもらしていた。
「最近は、政府は何でも大型のものがいいと言って、どんどん改良種の牛を導入している。小型でも、その土地に合った日本固有の種を、もっと大切にした方がいいのではないか。この先、日本は一体どうなってしまうのだろう。」

子規は多分明治の人だが、秩父のある人と話しをしたところ、40年前くらいまでは、赤牛といわれる小型の牛がまだいたので、家畜種の改良は、第2次世界大戦まではゆっくりと、その後は急速に進んだのではないかと思う。

今では、乳用牛はほとんどホルスタイン、ほんの少しジャージーとブラウンスイスがいる程度になった。しかし肉用種では、黒毛和牛、褐毛和牛、日本短角種など日本固有の種類が中心だ。

ウガンダの都市周辺部と酪農地帯では、外国の援助もあって、かなりの数の乳用改良種が導入されている。しかし、これらの牛は、アフリカ特有の様々な病気に対して抵抗性が弱く、病気の予防である殺虫剤、殺ダニ剤、病気の治療にかなりの投資をしなければならない。一方で、病気に強いウガンダ固有の種類は、生産性は低いにしろ、今でも根強く用いられ、改良種との交雑がかなり進んできている。また、乳量は少ないし、性成熟まで時間はかかるが、肉の味は何故かとてもいい。

先日、ウガンダのムセヴェニ大統領は、マケレレ大学に対して、ウガンダ固有の牛を使って受精卵技術などを確立し、病気の研究も進めるよう公文書で指示した。ムセヴェニ自体牛飼いで、改良種の導入を勧めた獣医師の言うことを聞かず、自分でニャンコレという固有種の牛群を選抜育成してきた。

これを受けて9月に学部長から頼まれていたので、イギリス帰国の当日、最後のぎりぎりになったが、JICA専門家の方々と学部長の顔合わせをし、簡単な会議を開いてきた。今後、いい国際協力が始まるといいなと心から思う。

写真は、フィールドで撮った美しいガンダ牛の雄。カメラを構えながら、遥か昔に書かれた正岡子規の日記を思い出していた。ムセヴェニも、なかなかやるものだ。

科学と感覚(受け取り方)

2007-11-20 23:43:05 | 異文化
11月20日(火)。

今日は日本について、ここ最近の2つのニュースから。

1.10月30日、某牛乳会社、神奈川県でヨーネ病擬似患畜の牛乳が混入した可能性のある牛乳62万本を自主回収。

2.11月19日、イギリスBBC。 日本のNisshin maruが、50頭のザトウクジラを含む1000頭のクジラを研究目的と称して捕鯨するため出発。

伝染病が野放しのウガンダから、科学によって安全な生活を手に入れたイギリスに帰って来て、日本関連のニュースを見ると、また全く違った感覚にあっけに取られる。

まず1。
ヨーネ病はヒトに感染する病気ではないし、牛乳は殺菌消毒されている。それなのに、なぜ62万本も自己回収するのだろう?たった一頭、疑いのある牛が発見されただけなのです。
しかも、生産者にインターネットなどを通じて謝っている。消費者の意識を考えた、と理屈では分かるけれども、科学的には公衆衛生に全く問題はないのだから、感覚で経済を負に導くことはやめて欲しいなと思います。自分が悪くない時には、謝らなくていい。

逆に2。
日本では、まともに報道されていないかも知れませんが、日本の捕鯨船が出る度に、毎度海外ではブーイングの記事が出まくりです。
日本側は、クジラの生息数は回復して来ているし、今回はクジラの内部器官などの調査のため、と研究捕鯨を正当化しようとしています。日本の伝統である捕鯨という「文化」を守る権利があると主張する団体もいます。
これに対してグリーン・ピースは、数が増えてきてるとはいえ、捕鯨がクジラの生息数に与えるインパクトは大きい、としています。

でもおかしいよね。内臓の研究で1000頭は必要ないでしょう?生息数が回復しているからという理由は、食糧としての漁をしたいという本音に繋げたいわけですね。
しかし、日本国民のどれくらいが、クジラ肉が食べられないから困るというのだろう?
嘘の主張はしてはいけないし、主張のもとの捕鯨の必要性も食糧経済的に見ると正当化出来ない。伝統を守るという理由で環境を変えていいという主張など通るはずもない。この場合は一応、科学と感覚の温度差だけでなく、科学に基づいた異なる2つの主張+異なる2つの感覚が絡んでいるわけですが、他国との摩擦の種になることは、スパッとやめて欲しいなと思います。


卒業祝いパーティー

2007-09-30 22:31:50 | 異文化
9月30日(日)。

昨日は、ウガンダ政府情報省事務次官の息子さん、娘さんの卒業祝いパーティーに招待されて、イガンガという町に行ってきました。

このお宅、お子さんが11人もいます。
昨年、ご長男の卒業祝いパーティーにも出席しましたが、兄弟が仲良く、家族愛がとてもしっかりしています。

ネパールでも、ウガンダでも、発展途上国というのは、家族愛や人間愛に溢れています。そういう家庭が外国人でも受け入れてくれるからなのかも知れません。北部の紛争地域では、少年兵の問題が今でも続き、それどころではないという現状も、ウガンダにはあります。

パーティーにはバソガ族の優秀な成功者が多く出席していて、僕もすっかりこの仲間の一員になりました。有難いことです。

家族、親戚付き合いは面倒くさいとかいろいろ難しいこともありますが、やはり親戚、友人が集まれる環境というのは、とっても大切なものだと心から思いました。

それにしても、卒業祝いパーティーを家族でやるなんて羨ましい。僕も強引に頼もうかな。ああ、早く卒業もしたい。