言い換えると、
「因縁」はその人を規定する条件であり、要素であり、その人を取り巻く環境であります。
私たちはこの世に生まれてくるに、両親を縁にして生まれてくるのですが、
その両親はすでに、家系のあらゆる条件を持って生まれてきているわけですから、
生まれてくる際には、
すでに家系のあらゆる条件を引き継いで生まれてくるわけです。
ざっと、
これまでが精神分析学のおける総括的な考えであると思います。
ところが、人の人生や運命的なものを決定するのは、ある「抑圧意識」だというのです。
そう、この特殊な「抑圧意識」こそが、その人の人生を特定の方向に歩ませ、
そして、
輪廻を繰り返させるものだというのです。さらには、不幸な人生にするのも、
この特殊な「抑圧意識」だというのです。
さらに、
お釋迦様は、それを「タンハー」という言葉で説明されておられるのです。
「タンハー」ゆえに、人は苦しみの人生を永遠に繰り返すのだといわれるんです。
だから、
「タンハー」を解消すれば、人は二度と不幸な人生を繰り返さないで済むのだという。
人は何度も何度も、それこそ始まりのない昔から生まれ変り続けているという。
その当体はこのタンハーだというのです。
それゆえに、
タンハーを解消することで、人は二度と苦しみの人生を生きることはないという。
なんという素晴らしいことではありませんか。
その解消法をお釈迦様は説かれた訳ですね。
(つづく)