歌を作り、曲を付けて、
そして、アレンジを施して、
自分の声をメロディに乗せて、
歌が完成する。
中には、歌い方が今一ということで、いろいろ変化を施して、
何度も何度も歌い上げて、
そして、自分の作品に仕上げる。
まさに、作品とは、
我が子のように手塩にかけて育て上げていくものなんですね。
そして、
作品の作り方にも、幾つかのやり方があるように思います。
一つには、ある一連のメロディが浮かんでくる場合。
ピアノやギターという、楽器を弾いていて、
偶然に気にいったフレーズが生まれた時。
または、
あるコードの響きが気にいって、そのコードを弾き続けていくうちに、
一連のフレーズが生まれたりする場合。
その場合は、
全体の曲のイメージに合わせて、詩を付けていきます。
(あくまでも、私個人の作成方法を述べていますから、
他のやり方をしている方も、もちろんあるでしょう。
その場合は関知しませんから、御理解下さい。)
もう一つの方法としては、
ある「想い」がふと浮かんで来た場合。
この場合、
想いの正体を掴むために、
具体的なイメージを考えていくんです。
そうすると、
イメージに沿って、言葉が肉付けされて、
核となる想念の具体的な世界が展開されていきます。
そして次に、
そのイメージ世界にふさわしい曲を付けていくということになります。
オリジナル作品を生み出すプロセスには、
こういう楽しい作業があるわけですが、
内的な心の集中、選択、思考というものが必要だということが分かりますね。
要するに、
内的な充実感を得られるんです。
バンドでやっている場合は、
これまた一苦労がありますね。
バンドで曲を作る場合もありますが、
基本的に一人がオリジナル作品を持ってきて、
それをバンドの演奏でああやっていく。
その場合、アレンジが重要になりますね。
出来合いの曲を演奏する場合は、
あまりそんなこと考えないと思うんですよ。
コピーですから、
レコードと同じように再現すれば良いんだと思われるでしょう。
ですが、自分たちがその曲を演奏するんだから、
自分たちの音が大事だという考え方をする場合、
その自分たちのバンドの音を生み出すまでが、
これなかなか大変です。
メンバー間の相性の問題があります。
その相性の問題をクリアしたとして、
これが自分たちの音なんだと、
出来上がるまでのプロセスには、
人知れぬ苦労があると思います。
それができると、
味のあるバンドだということで、
そのバンドは世に知れてくるわけです。
日本の場合は、あまり深く考えないかもしれませんが。
実はそこにバンドでやる妙味があるんですね。
(つづく)