ケータイの文字サイズ設定を「小」にしていると、濁点「゛」と半濁点「゜」の違いがわかりづらい。
そして「ブログ」が「プログ」に見えるのもそれだと思っていた。
しかし、今回は文字サイズ設定を最大にしてみたらガチで「プログ」だった。
で、「プログ」で検索したら件数意外と多かった。
えーと……
どっかで流行ってます?? . . . 本文を読む
オオ。
本日は、乙一先生の才(31)才の誕生日です!
オオおめでとおございます!!
乙一先生、是非また小説を書いて下さい!
くだらなくて笑える無駄話でもいいので(笑)。
さて。
個人的に、乙一先生と波調が合うか合わないかは、エッセイ『小生物語』を面白いと思うかくだらないと吐き捨てるかで決まる、と思います。
ボクは面白くて、単行本も文庫版も持っており、単行本なんてもう十回近く読 . . . 本文を読む
疫幽儚(えきゆらはかな)の真実
霊(たま)の記憶から、ほとんどすべての謎が解けた。
どうやら私は、もうすぐ疫幽儚として生き返るらしい。
そのリハビリのために健介の魂の半分を私の体に込め、一日様子を見ている最中なのだ。
『そのとおり。はじめまして、健介の父の石動鉋(いするぎかんな)です』
いつの間にか闇の中にいた私に、健介のお父さんは思念波とやらでそう言った。
は、はじめまして . . . 本文を読む
霊(たま)の十日間1
霊の中で、記憶を探る。
私の力では十日前までしか遡(さかのぼ)れない。
と。
奥の奥、十日前の意識に入り込むことができた。
自分の中から霊(れい)が出てゆくのを霊(たま)は感じた。
玄関。時刻は夜の6時をわずかに過ぎている。
貞子は気絶してその場に倒れてしまった。残ったのは、疫幽儚(えきゆらはかな)の死体と幼なじみの健介だけである。
貞子が倒れた . . . 本文を読む
十日目
がら、がら、がら……と。
霊(たま)に意識を落としていた私は、玄関の戸が開くのを目の当たりにした。
そこにいたのは……
――疫幽儚(えきゆらはかな)!!
どう見ても、疫幽儚だった。
質素な白い服に、長い黒髪。透けるような青白い肌に、細長い手足。
白い靴を脱いで家に上がり、ゆったりとした足どりで歩いてゆく。
ゆらゆらと、どこか危なっかしい動きだった。
死体が見つ . . . 本文を読む
――めくるめくはかないひびはこんな――
気がつくと、ここにいた。
どこなのかはわからない、黒の世界。闇の中。
ただ、自分には複数の人間が、見てとれた。
複数人を同時に眺めることも、一人だけに意識を集中することもできた。
小説で言うところの神の視点とかいうやつか。
私にはそれができた。
一人の人に意識を集中させてやると、その人のステータスがわかった。
たとえば疫幽伸子(えきゆ . . . 本文を読む
生贄(いけにえ)
私、疫幽儚(えきゆらはかな)は生きている。
記憶を無くしていたらしく、元に戻った私のことを家族は喜んでくれた。
お母さんなんて泣きじゃくって。
おかえりー! と。
ギューッと、私は抱き締められた。
ただ……
「健介くんは不幸があってね……」
石動健介の葬式。
遺影の中で、健介くんは穏やかな笑みを称(たた)えていた。
思い残したことは何もない、と。
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疫幽儚(えきゆらはかな)の真実2
一瞬のうちに。
闇の中で目覚めた。
疫幽家の人間――私の家族が見える闇。
――疫幽儚(えきゆらはかな)。
私はもうすべてわかっていた。記憶と自我を取り戻したのだ。
闇の中に霊(たま)の姿はない。
もう……
「まーだだよ!」
霊の声!
「まだきみは蘇っていない。ただ自我と記憶を取り戻しただけなんだ」
『いまのは魂の融合。欠けていたものを取 . . . 本文を読む
疫幽儚(えきゆらはかな)の真実
霊(たま)の記憶から、ほとんどすべての謎が解けた。
どうやら私は、もうすぐ疫幽儚として生き返るらしい。
そのリハビリのために健介の魂の半分を私の体に込め、一日様子を見ている最中なのだ。
『そのとおり。はじめまして、健介の父の石動鉋(いするぎかんな)です』
いつの間にか闇の中にいた私に、健介のお父さんは思念波とやらでそう言った。
は、はじめまして . . . 本文を読む
霊(たま)の十日間5
疫幽儚(えきゆらはかな)の死んだ翌日。
健介は家を訪ねて、
「ハナちゃん、早く戻って来るといいですね。大丈夫、そのうちひょっこり帰って来ますよ」
と、愛想よく言った。
月の満ちる日までの数日。
健介は上機嫌でまた疫幽家を訪れた。
自分は儚(はかな)の体に入って大切なリハビリをするのだと、聞かされていたからだろう。
貞子に、儚の写真を見せた。
儚はも . . . 本文を読む
霊(たま)の十日間4
健介は、暗い洞穴の中から、疫幽儚(えきゆらはかな)の体を運んで来た。
儚の体を車に乗せる。
そして石動家(いするぎけ)に帰る、その途中。
『ちゃんと居るねぇ。ただ予定外。状態が不完全だ』
疫幽家の前を通っただけ。
ただそれだけで、儚の魂が現世にあることと、魂が欠けて不完全であることが、彼には解ったようだった。
『もしかしてきみ、あの子の破片を宿してる?』 . . . 本文を読む
霊(たま)の十日間3
「それで、そのハナちゃんという女の子は、死んでしまったんだね?」
健介の話に理解を示す、石動鉋(いするぎかんな)。
「……はい。そうです、お父さん」
「それで、死体はどうしたんだい」
「えーっと……最初はとにかく家族の人に知らせなきゃと思って疫幽さん家まで運びました」
「それで?」
「ハナちゃんのお母さんが出て来て。……おばさん、ショックで気絶してしまったんです . . . 本文を読む
霊(たま)の十日間2
本、本、本。
森の木のように本が並んでいた。
その真ん中に、一人の男が腰掛けていた。腰掛けまで本である。
しかも著者はそのどれもが「石動鉋(いするぎかんな)」となっている。
健介の父は作家のようだった。著作で部屋が埋まりそうなほどである。
「よく来たね健介。父さんにすべてまかせておきなさい」
呆然として部屋に入る健介。
ドアはひとりでに閉まった。
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霊(たま)の十日間1
霊の中で、記憶を探る。
私の力では十日前までしか遡(さかのぼ)れない。
と。
奥の奥、十日前の意識に入り込むことができた。
自分の中から霊(れい)が出てゆくのを霊(たま)は感じた。
玄関。時刻は夜の6時をわずかに過ぎている。
貞子は気絶してその場に倒れてしまった。残ったのは、疫幽儚(えきゆらはかな)の死体と幼なじみの健介だけである。
貞子が倒れた . . . 本文を読む
好男(すきお)の場合2
朝食の支度が出来たので、伸子が好男(すきお)を起こしに行った。
好男はまだ、娘が帰って来たことを知らない。
彼がどんな反応をするのか、参考までに好男の意識に入ってみることにした。
よいしょ……
階下から、伸子の呼ぶ声がする。
朝飯の用意ができたらしい。
自室で目を覚ました好男は、背伸びをして眠気をはらった。
娘がいなくなってもう十日。
そろそ . . . 本文を読む