【目眩く儚い日々はこんな】第拾弐夜 2009年10月04日 21時51分11秒 | 小説系 霊(たま)の十日間2 本、本、本。 森の木のように本が並んでいた。 その真ん中に、一人の男が腰掛けていた。腰掛けまで本である。 しかも著者はそのどれもが「石動鉋(いするぎかんな)」となっている。 健介の父は作家のようだった。著作で部屋が埋まりそうなほどである。 「よく来たね健介。父さんにすべてまかせておきなさい」 呆然として部屋に入る健介。 ドアはひとりでに閉まった。 . . . 本文を読む