【目眩く儚い日々はこんな】第拾捌夜 2009年10月10日 19時46分19秒 | 小説系 生贄(いけにえ) 私、疫幽儚(えきゆらはかな)は生きている。 記憶を無くしていたらしく、元に戻った私のことを家族は喜んでくれた。 お母さんなんて泣きじゃくって。 おかえりー! と。 ギューッと、私は抱き締められた。 ただ…… 「健介くんは不幸があってね……」 石動健介の葬式。 遺影の中で、健介くんは穏やかな笑みを称(たた)えていた。 思い残したことは何もない、と。 . . . 本文を読む