暇人に見て欲しいBLOG

別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

掌編小説【きらいじゃない】

2010年04月12日 18時59分10秒 | 小説系
「ねぇ、わたしのこと、どう思ってる?」 「どうって言われてもなぁ……」 「嫌い?」 「嫌いじゃないよ」 「じゃあ好きなんだ?」 「その二択しかないのかよ」 「じゃ、じゃあ……フツウ?」 「好きでも嫌いでもフツウでもないさ」 「え……?」 「だいっ嫌いだ!」  そう言って、彼はわたしをギュッと抱きしめてくれた。 「もぅ……わたしもだいっ嫌い!」  心臓の鼓動(おと)が聞こえるくらい、彼の胸に頭を埋め . . . 本文を読む

ショートショート【真実はいつか二つ】

2010年01月20日 13時05分59秒 | 小説系
 最近、なんだか面倒になって処方された薬を飲んでおらず、結構な量が余っていた。  数えてみれば全部で100錠ぴったりあった。  数える必要はあまりなかったのだけれど、少しは必要性があると思ったのだ。  今日は病院の診察日。  いつものように髭もそらず、歯磨きだけちゃちゃっと済ませて家を出た。  バスに乗り、揺られながら薬のことを考える。  一応は持って来たが、どうしよう。前に余ったときは、新しく薬 . . . 本文を読む

嘘日記。「あてどもなく」

2009年11月02日 19時30分13秒 | 小説系
 僕は思う。  故に僕あり。  この物語りはフィクションであり、登場するすべての事象は、実在する人物・団体・組織などとは、なんら関係ありません。  という前置きをして。  さぁ、語ろう。  通行人の少ない街角。  すっかり暗くなった空、夕闇。  僕はただ一人きりで、ただ妄想に浸っていた。  それが。  その妄想が、  まさか全世界に向けて発信されるなどとは、知る由もなしに……。  日の暮れた街頭 . . . 本文を読む

【目眩く儚い日々はこんな】第拾陸夜~拾捌夜+あとがき

2009年10月13日 21時03分14秒 | 小説系
     疫幽儚(えきゆらはかな)の真実  霊(たま)の記憶から、ほとんどすべての謎が解けた。  どうやら私は、もうすぐ疫幽儚として生き返るらしい。  そのリハビリのために健介の魂の半分を私の体に込め、一日様子を見ている最中なのだ。 『そのとおり。はじめまして、健介の父の石動鉋(いするぎかんな)です』  いつの間にか闇の中にいた私に、健介のお父さんは思念波とやらでそう言った。  は、はじめまして . . . 本文を読む