ひいらぎ通信

日常のささやかな幸せを拾い集ようと、ブログ、始めてみました。

安野光雅展

2007年05月23日 | 本のハナシ
ああ、今日も暑かった。

さて、先日の広島行き。
試合前に球場の近くのデパートに入ってみたら、
なんと、私の敬愛する安野光雅さんの原画展があってると言うではないですか!
それは、行かなくては!

デパートでの催し物なので、あまり期待をしていなかったのですが、
160点もの原画が!

私の大好きな本の原画もたくさんあって、至福
原画には印刷では出ない作家の苦悩や苦闘、時には迷い、息づかいが感じられて、絵はやはり生で見なくては、と思います。
(ああ、最近美術館からも足が遠のいている


安野さんを語る時に、この本は外せません。
ふしぎなえ

福音館書店

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偶然が偶然を呼んで、出すことになってしまったはじめての絵本だそうです。
いわゆるだまし絵で、ちょっと見た目には何処がおかしいのかよく分からないけど、よくよく見ると、表が裏になっていたり、上が下になっていたり。
言葉の無い絵本ですが、小さい子にはちょっと難しいかな。むしろ、大人が楽しむ本かもしれません。
今から40年近く前に描かれた絵ですが、色も線もくっきりと残っていて、美しい


もりのえほん

福音館書店

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これもだまし絵になるんでしょうか。
森の風景をペンで細かく書き込まれた絵に彩色してあります。
一見普通の絵に見えますが、画面のそこかしこに動物が隠れています。
絵本で見るより大きな絵で、一心に動物の姿を探しているお客さんがいっぱいいました。


野の花と小人たち

岩崎書店

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これは、水彩です。ただ色を重ねるだけでなく、深さを感じる緑。
もう、絵本の印刷技術では、この色は出ない。
原画を見て思ったけど、水彩って塗り重ねで出る深みもあるけど、
塗り残す部分も効果が大きいなと思いました。
当たり前ですが、うう、うまいっ、とうなる絵がたくさん。


新編 算私語録

朝日新聞社

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安野さんは絵だけでなく、文章も上手です。
絵に添えられている文章にも読み入ってしまって、ふと気が付くと、試合開始の時間が近づいてきている!慌てて絵のみに集中するようにしたほどです。
学生の時、「算私語録」のシリーズ、熱中して読みました。
数をテーマにしたエッセイといった風情でしょうか。
この「新編」の方は、シリーズの中から選び出して編纂したものだそうです。
ああ、もう一回読み直したくなったな。

旅の絵本〈6〉

福音館書店

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カタロニア カザルスの海へ

日本放送出版協会

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旅先でもスケッチブックを離さない安野さん。
町の様子を細かく書いたもの(群像が楽しい)も多く、一枚の絵を見るのに、時間がかかるかかる。


津和野

岩崎書店

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津和野は、安野さんの故郷。愛着がひとしお伝わってきます。
水彩もあれば、岩絵の具を使ったものも。色々な画材を使ってあり、それも楽しめました。



繪本 平家物語 カジュアル版

講談社

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この本は、知りませんでした。
紙ではなく、布に書いてあるようです。
古風な様式美をなぞりながらも、安野さんらしさを感じます。
ここでも、安野さんは「群像の人」だなと感じたりして。


カラー版 絵の教室

中央公論新社

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せっかくなので、本も買って帰ろうと思いましたが、試合観戦前。
大きい絵本はまたの機会にして、この絵の教室の本を買いました。
安野さんの絵の指導を受けるなんて夢の夢ですが、この本でその気分を味わいたいとも思います。
他にも小物いくつかを買いました。
思いもかけないところで、いい時間を過ごさせてもらいました。
でも、繰り返しますが、試合観戦前。ゆっくりと見ることができなかったのが残念。
安野さんの故郷の津和野には、安野さんの美術館もあるとか。
実は津和野は未踏の地だったりする。
いつか行きたいとずっと思っていたのですが、
これは、ぜひ行かなくては!という思いに変わりました。

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