ひいらぎ通信

日常のささやかな幸せを拾い集ようと、ブログ、始めてみました。

「おばあさんの花」浜田広助

2014年09月22日 | 本のハナシ
子どものころに読んで、ずうっと心に残っていたんだけれども、
題も作者もわからず、どんなに童話に詳しい人に聞いても覚えが無いというお話の、
作者とタイトルが今日分かりました!

「おばあさんの花」浜田広助です!

物置を片づけていたら出てきた古い本。
「3年生のどうわ」の中にありました。
「広助」なんか、旧字体の「廣介」でしたよ…。

子どものころに目が見えなくなってしまった少女。
桃の花と菜の花の匂いに、おぼろげに色が脳裏に浮かぶ。
子どもの手のひらが、孫の手のひらが、
花のにおいとともに遠い記憶の景色をよみがえらせるのです。

掌編ともいえる短編の中の色鮮やかさ、暖かさ、懐かしさ…。
いつか自分の手で漫画化したいと思い続けていた作品です。

記憶通りのお話でした。
小学生の私、えらい!
よく覚えていた!
記憶で物語を変質させることなく覚えていたんですよ!
そのくらい、当時の私には強い印象を残したお話なのに、
誰も知らなかったんですよ。

ちなみに、描く必要もないと思うけど、
浜田広助さんは、「泣いた赤おに」「竜の目の涙」「むくどりの夢」などで有名な童話作家です。
「ひろすけ童話集」なんかも読んだけど、「おばあさんの花」は入っていなかったと思う。
あれば、絶対に気付くもん!


ちょいとリンクも貼っちゃおう。

浜田広助記念館

浜田広助(ウィキ

泣いた赤おに (小学館文庫―新撰クラシックス)
浜田 広介
小学館


検索したら、「おばあさんの花」収録の本も見つかりました。


ずっとここ数年、「いつか描かなきゃ、いつか描かなきゃ」と思い続けていて、
記憶をアレンジして描く構想だけはあったんです。
そして、菜の花畑があれば写真を撮り、桃の花が咲けば写真を撮り、を毎年繰り返してきました。
読み返してみて、ベースは変えずに表現を変える方法を試してみようと、
何だか見通しが立ってきました。

昔作ったお話が、
すうっと回帰して今のお話に重なるという現象が最近起きてきていて、
同じ事が「おばあさんの花」でも起きたなあ、
何かが巡ってきた気がするぞ、
これは本腰入れていかなくちゃ!
という事だと思うですよ。

そう思うと、エネルギーが湧いてくる。

今日会った友人に、「今日はえらく元気だねえ」と言われました。
近年になく、今日の私は元気です!

よし、頑張ろう!
そして、そのためには背景が、花が、きちんと描けなきゃいかんのです。
写真からのトレース起こしでは、いかんのです。

よ~し、修行、修行!
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新年の誓いは早くも破られた…

2014年01月11日 | 本のハナシ
正月3日に本屋行き。
5冊購入。
ネットで追加、15冊を超える。
10日までに20冊を超えた本を。
私はいったいどうやって読んでしまおうというのでしょうか。
確かに定期購入している冊子やこれまでおいいかけてきた作家の新刊、続刊のラッシュは来たけども、
「もうちょっと待ってから買おう」と思っていた本が、
あっという間に品切れ状態になり、重版がいつかかるか分からない状態になっていたのに気がついてから…
「気になる本は今買え!」状態になってしまったんだよお。

面白い本はたくさんある。腐るほどある。
それを買い続けてば、いつか私は溺れる…。
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電子書籍

2013年11月08日 | 本のハナシ
最近、電子書籍なるものに手を出し始めました。
その感想だけど、
う~~~ん。

48時間レンタルで100~300円で、
ちょっと興味があるけど、
普段だったら書籍では高く感じて手を出さないジャンルも、
ついつい借りてしまって、
ふと気がつくと、結構なチケットの支払いをしている。
クレジット払いなので、ほんとに「ついつい」…。

お気軽で、よいのはよい。
でも、使いすぎに注意。

で、割引ではない書籍関係。
紙版は絶版になっているものでも入手可能なのが魅力。
でも、モバイルを持っていないので、
基本、パソコンで読むことに。
これが、辛いのよ。
姿勢も、目も。
普段、ねっ転がって読む時に、だんだん目のピントが合わなくなってきていて、
だいたいの字の雰囲気で読んでいたりするので、
時々意味不明な文になって、マジマジと読み返し、
「あ~、字はきちんと見えた方がいいな~」
と思うんだけど、
その点、デジタル版だと字の大きさも調整できるのですが、
でも、なんだか集中が続かない。
何冊か買ったけど、読了したものがまだないというありさま。

結論として、
実際に手に持って読める、紙版の方が私には向いていると思います。

最近は、紙版の本のレンタルもあるんですよね。
1回読めばいいくらいの本だったら、
レンタルでいいかな?と思う。
いや、物を書くのは大変なことだから、
基本、買う事にして入るんだけど、
財布には限度があるから、際限なく買うわけにはいかない、当然。

いや、それ以上に、時間には限りがあるんだから、
何でもかんでも興味の赴くままに買い込んでも、
読んでしまう時間もない。
デジタルだと、場所を取らない分、
自分の限度以上に買い込んでしまうという魔の力があるよね。

何事も、ほどほど、ほどほどにね、私。


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「コミナタ漫研」レポート記事インデックス

2013年09月17日 | 本のハナシ
コミックナタリーと言うサイトがあって、
そこでやってる「コミナタ漫研」レポート記事インデックスと言うのが面白い。
自分の好きな漫画について語るのだけれども、
自分で描いている人がどんなところを読んでいるのか。
非常に面白いです。
1回目から3回目は、読んだ人と読まれた作者が繋がっています。
これ、4回で終わったのかな。
もっと読みたいです。

感情表現、時間の流れ、画面の取り切り、内面表現。

私たちが当たり前に受け取って読んできている物が、
実は作者の読者に感じさせない非常な工夫がなされているのを、
漫画化さんが読み説いていくんです。

「ああ、こういう見方があるのか!」
とちょっとびっくりします、
さすが、プロ。
そして、読み解く方の作者がどういうスタンスで
漫画を描いているのかも伝わってきます。

面白かった!
リンク貼りましたので、気に夏方は是非どうぞ。
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オトナ買い  「しゃにむにGO!」

2010年09月20日 | 本のハナシ
しゃにむにGO 31 (花とゆめCOMICS)
羅川 真里茂
白泉社

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しゃにむにGO 32 (花とゆめCOMICS)
羅川 真里茂
白泉社

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いい年をした大人が、「オトナ買い」なんてしちゃいけません。
仕事が手につかないじゃありませんか。
寝不足になってしまいますよ。

32巻。ほぼ、一気読み状態です。

いやあもう、面白かった!

「花とゆめ」という雑誌で10年間連載されていた作品で、
昨年完結しました。
ずっと気になっていたのですが、
先日衝動的に購入しました。

テニスを始めた少年が、インターハイの頂点を目指しての3年間。
といえば、まとめすぎですね。

なまじ高校生活(文化祭など)を挿入せず、
テニス、それもインターハイと関東大会(およびそれに至る予選)、
登場人物描写に絞った展開。
潔いです。
主人公は中学校で短距離長距離ともにトップ選手で、小学校時代は野球を経験。
でも、テニスは全くの素人。でも、熱い。ある意味、暑苦しい。
もう一人の主人公は、テニスの技術はあるのに、
プロを目指しているといいながら、テニスを楽しいと感じたことがない。
この二人を中心に、色々な人物が登場するのですが、
ひとりひとりがきちんと描かれている。
コーチの池田先生、サングラスで登場するんですが、
実は、このサングラスはファッションではなく、ちゃんと意味がある。
その彼女(実は高校時代の先生)、地味ながら、いや、その地味さが、
トッププレーヤーでありながらテニスをあきらめざるを得なかった池田先生を救ったりする。
コメディテイストで始まるこの物語、登場人物は重いものを背負っていたりします。
でも、そこは羅川真里茂、最終巻までにそれぞれにきちんと救いがあります。

圧巻は、最終の2巻にわたるインターハイ決勝戦。
試合の興奮と感動が、熱く熱く伝わり、
これ以上のエンディングは考えられないところに着地して見せます。
10年にわたる連載で、コミックスとしてまとめて読んでも、
試合と人物の心情表現と少年たちの成長をこれだけ描ききる構成力。
青春群像としての物語と、スポーツ漫画としての面白さのバランスの良さ。
そして、ちゃんと少女漫画の要素も外しませんよ。


あああ、おもしろかった!
笑った!泣いた!
満足しました。

私の感想では十分に伝えきれないので、これはもう、読んでもらうしかないと思います。
「花とゆめ」のターゲットは中学生ぐらいらしいですが、
子どもにだけ読ませておくのはもったいないです。
それで、姉に進めてみましたが、忙しいからと断られました。
妹にも勧めました。
最初は絵柄で躊躇したようですが、
「絶対面白いから!」と私が断言したら、
「それなら間違いはなかろう」とお持ち帰りしてくれました。
「いや、妹も、あのシーンで泣くに違いない」
と、感想を聞くのが楽しみです。

と、この文を書きながら、ふと31,32巻の表紙を並べてみると、
また泣きそうになったよ。

ただ!
ただ一つ残念だったのは、当初の予定では3年目のインターハイ、
実際の開催順で行くと熊本になるはずだったけれども、
筆者によると、「ドームなので、変更することにした」とのこと。
ドームではあの夏の日差しと空を描くことができないとのことでしょうか。
…え?ドームだからって、あのパークドームのことですか?
確かに、総合運動公園のメインのパークドームでテニスもできるけど、
総合運動公園内にはテニス専用コートもあって、
こないだは、高校生が普通に大会を炎天下でやってましたよ。

調べてみたら2001年のひのくに新世紀総体2001の時のことだと思うんだけど。
きっと、ドームではほかの競技があって、テニスコートのほうで試合は行われたのでは。
ああ、リアルタイムで読んでいれば、私が!情報提供して差し上げましたのに。
そしたらそしたら、延久と留宇衣の最後の試合は、熊本が舞台になるはずだったのよね。
あああ、そこだけが、かえすがえすも残念。
でも、傑作です。

蛇足。
最初は「しゃにむにGO!」というタイトルは、担当さんからなかなかOKがもらえなかったんだけど、最終的には押し通したそうです。
読み終わって、このタイトルしかないと思いました。
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朝型人間になれる本

2007年08月18日 | 本のハナシ
時々記事にも書いていますが、私は不眠症気味です。
でも、今日は早く眠れる自信があります。
なぜなら、今朝2時から起きているからです。
2時、4時ごろに眼が覚めることはしょっちゅうなのですが、
その後大抵うとうととするので、今日もそうだろうと思いました。
が、今日はなんだかすっきり眼が覚めてしまいまして。
仕方がないので、本読んでました。
軽めの本です。2冊読みました。
それでも眠気が来ません。
おかしい。いつもだったら本読んでる間に眠気が来るはずなのに。
こんな日は、昼間に眠気が来るのですが、今日はそれも来ません。
でもさすがに夜になって、ちょっとばかし眠くなってきました。
よし!これで朝までぐっすりよ!(多分


さて、最近、こんな本を買いました。

朝型人間になれる本―健康・美容・仕事に効く (幻冬舎文庫 み 9-3)
美波 紀子
幻冬舎

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朝起きが大の苦手だった筆者が、色々試行錯誤して、
失敗したこと、効果があったことなどを綴ってあります。
就寝のタイミング、カフェインの及ぼす効果、朝日の力、就寝時のポイントなどなど。
それで行くと、夜、パソコンなんかしちゃいけないのよね。
寝る前だけじゃなくて、カフェインの量は1日の総量を考えなきゃいけないとか、
本読んでちゃいけないとか、遅い時間に飲み食いしちゃいけないとか。
ふ。私、しちゃいけないことばかりしているわ。
私、睡眠については結構研究しましたから、
「知ってるわ~そんなこと」ってことも多いけど、
実行してないから意味が無い。
この本には、朝型人間になると、いかに健康美容仕事に効果的か、ということがたくさん書いてあります。
早く起きた分の時間をいかに使うとよりよいか、などなどについても。
分かっているのよそんなこと~。でも、実行できないのよ~
いや、トリノオリンピックの頃は立派に朝型だったから、
かなり意思の部分が大きいか。
でも、意思だけでは長続きしない。
一番長続きする方法は、「習慣にすること」だと聞いたことがあります。
顔を洗う、歯を磨くのと同じように。
でもね。習慣にするまでが大変なのよ~。

さて、あんまり早く寝ると睡眠時間がさらに乱れそうな気がするので、
9時までは頑張って起きておこう。
ここで頑張りすぎると眠気がどこかにいちゃうから、加減が難しいんだよなあ。
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そうじ力

2007年07月22日 | 本のハナシ
最近「そうじ力」というタイトルの本が出回ってる気がする。
で、手にとって見ました。
3日で運がよくなる「そうじ力」
舛田 光洋
三笠書房

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忙しい時、一番最初に手を抜く家事は何ですか?
私の場合は、掃除だなあ。で、次が食事。
コンビニなど、非常事態のときは重宝させてもらってます。
忙しくて心が荒むと、部屋も荒みます。
洗濯はしないわけにいかないし。

これじゃあイカンと気持ちを立て直すときに最初に取り組むのも掃除ですね。
これって、特別のことではなくて、自然な心の動きなのでは?
いや、どんなに忙しくても部屋が荒れるのは我慢できない、
という方もいっぱいいらっしゃるでしょうが。

この「そうじ力」の本は、掃除をすることで運気が上がる、
と謳っています。そして、笑顔で感謝の気持ちを持つこと。

うん、これもね、特別な主張ではないですよね。
キッパリ!―たった5分間で自分を変える方法
上大岡 トメ
幻冬舎

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「キッパリ」という本でも、一日一箇所でもいいから片付けたり、鏡や台所のステンレスを磨いたりするということを気持ちを切り替えるきっかけ作りにすると言っています。
みんな考えることは一緒だね。

まあ、それを心理的なものとするか、この本(「そうじ力」の方)のように「運気」と捕らえるかは、読む人に任せていいと思います。

あ、未練を断ち切るのに、「思い切ってみんな捨ててしまう」というのも書いてありましたが、これも納得。物を捨てる行為で、溜め込んでいた気持ちまで一緒に捨てることができるというのもわかる気がします。
物を捨てられない人間の私は、だからいつまでもいろんなことを引きずり、後生大事に抱え込んでるのかなあ。
上手に物を捨てられる、それ以前にものを溜め込まない人間に、なれるものならなってみたい。

とはいえ、「捨てる」という行為を薦められる日本って、やっぱり豊かな(この場合はほめ言葉ではありません)国なんだろうなあ。


ところで、うちのワカランチンの上司。
同僚の協力が必要な仕事があって、その相談をしたところ、
私がみんなの貴重な時間を取ってしまって迷惑をかけているといわんばかりの言い方をされてしまって、正直頭にきました。
確かに手配をするのは私の仕事ですが、人の動員は上司の仕事。
そう思いつつも、黙って聞いていましたが、何度も重ねて言われて、
つい、一言噛み付いてしまいました。
一旦怒ると後を引くという自覚があるので、なるべく怒らないよう自制してはいるのですが、今回一旦切れちゃったんで、この週末は、ず~っと地道に思い出し怒りをしてました。
そして、もっと冷静に効果的に的確に言えばよかったと後悔もしたり。

あんまり頭にきたので、台所磨きをしました。
ここ一月以上、昼間の明るい時間帯に家にいなかったので、久しぶりに明るい状態で台所を見たら、気付かなかった汚れが目に付くんですよね。
よ~し、きれいにしちゃるゾ~!
でも、体力が無いので、いっぺんに全部じゃなくて、ちょっとずつね。
鍋の底を磨きながら、一条ゆかりの漫画で、プラトニックな浮気をした旦那への怒りを鍋磨きにぶつける奥さんというシーンがあったな、なんてことも思い出したりして。
週末でよかったよ。
こんな不細工に不機嫌な顔を二日間もされていたんじゃ、周りの人が迷惑です。
いや、金曜日の午後は思い切り迷惑かけてましたが。
でも、色んなところが少しずつきれいになるにしたがって、気持ちも落ち着いてきました。
確かに「そうじ」には気持ちも浄化する力があるようです。

気持ちはずいぶん落ち着いたが、それでも、
私からは頭下げんけんね!間違ったことは言うとらんもん!」
とか思ってしまう辺り、まだまだ精神修養が足りません。
今度は、レンジも磨こうかな。
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安野光雅展

2007年05月23日 | 本のハナシ
ああ、今日も暑かった。

さて、先日の広島行き。
試合前に球場の近くのデパートに入ってみたら、
なんと、私の敬愛する安野光雅さんの原画展があってると言うではないですか!
それは、行かなくては!

デパートでの催し物なので、あまり期待をしていなかったのですが、
160点もの原画が!

私の大好きな本の原画もたくさんあって、至福
原画には印刷では出ない作家の苦悩や苦闘、時には迷い、息づかいが感じられて、絵はやはり生で見なくては、と思います。
(ああ、最近美術館からも足が遠のいている


安野さんを語る時に、この本は外せません。
ふしぎなえ

福音館書店

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偶然が偶然を呼んで、出すことになってしまったはじめての絵本だそうです。
いわゆるだまし絵で、ちょっと見た目には何処がおかしいのかよく分からないけど、よくよく見ると、表が裏になっていたり、上が下になっていたり。
言葉の無い絵本ですが、小さい子にはちょっと難しいかな。むしろ、大人が楽しむ本かもしれません。
今から40年近く前に描かれた絵ですが、色も線もくっきりと残っていて、美しい


もりのえほん

福音館書店

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これもだまし絵になるんでしょうか。
森の風景をペンで細かく書き込まれた絵に彩色してあります。
一見普通の絵に見えますが、画面のそこかしこに動物が隠れています。
絵本で見るより大きな絵で、一心に動物の姿を探しているお客さんがいっぱいいました。


野の花と小人たち

岩崎書店

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これは、水彩です。ただ色を重ねるだけでなく、深さを感じる緑。
もう、絵本の印刷技術では、この色は出ない。
原画を見て思ったけど、水彩って塗り重ねで出る深みもあるけど、
塗り残す部分も効果が大きいなと思いました。
当たり前ですが、うう、うまいっ、とうなる絵がたくさん。


新編 算私語録

朝日新聞社

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安野さんは絵だけでなく、文章も上手です。
絵に添えられている文章にも読み入ってしまって、ふと気が付くと、試合開始の時間が近づいてきている!慌てて絵のみに集中するようにしたほどです。
学生の時、「算私語録」のシリーズ、熱中して読みました。
数をテーマにしたエッセイといった風情でしょうか。
この「新編」の方は、シリーズの中から選び出して編纂したものだそうです。
ああ、もう一回読み直したくなったな。

旅の絵本〈6〉

福音館書店

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カタロニア カザルスの海へ

日本放送出版協会

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旅先でもスケッチブックを離さない安野さん。
町の様子を細かく書いたもの(群像が楽しい)も多く、一枚の絵を見るのに、時間がかかるかかる。


津和野

岩崎書店

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津和野は、安野さんの故郷。愛着がひとしお伝わってきます。
水彩もあれば、岩絵の具を使ったものも。色々な画材を使ってあり、それも楽しめました。



繪本 平家物語 カジュアル版

講談社

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この本は、知りませんでした。
紙ではなく、布に書いてあるようです。
古風な様式美をなぞりながらも、安野さんらしさを感じます。
ここでも、安野さんは「群像の人」だなと感じたりして。


カラー版 絵の教室

中央公論新社

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せっかくなので、本も買って帰ろうと思いましたが、試合観戦前。
大きい絵本はまたの機会にして、この絵の教室の本を買いました。
安野さんの絵の指導を受けるなんて夢の夢ですが、この本でその気分を味わいたいとも思います。
他にも小物いくつかを買いました。
思いもかけないところで、いい時間を過ごさせてもらいました。
でも、繰り返しますが、試合観戦前。ゆっくりと見ることができなかったのが残念。
安野さんの故郷の津和野には、安野さんの美術館もあるとか。
実は津和野は未踏の地だったりする。
いつか行きたいとずっと思っていたのですが、
これは、ぜひ行かなくては!という思いに変わりました。
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白木蓮(マグノリア)抄

2007年03月10日 | 本のハナシ
白木蓮つながりでご紹介。

白木蓮(マグノリア)抄

秋田書店

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白木蓮を見るたびに、この本を思い出します。
私の好きな漫画家さんの一人でもある、波津彬子(はつ あきこ)さんのお姉さん
花郁 悠紀子(かい ゆきこ)さんの作です。
作中、白木蓮が白い炎となって燃え上がるシーンがあります。
ずいぶん昔に読んだ作品なのに、
本を開かなくても、このシーンが眼に浮かんできます。
印象的なシーンを描く漫画家さんでした。
残念なことに、若くしてなくなっています。(享年26歳)
私が初めてこの方の作品を読んだのは、亡くなった後でした。
最近、昔の漫画を文庫化する動きがありますが、
コミックスが絶版して手に入らないことが多い中では、
いい作品を眼にする機会が増え、ありがたいです。
ただ、画面が小さいのが悲しい。
細かい書き込みをされる作品なので、なおさらです。
私が今白木蓮に魅かれるのは、間違いなく、
若い頃にこの方の作品を読んだからです。

漫画家として作品を発表したのはわずか5年。
SFやファンタジーが多いので、読者を選ぶかもしれませんが、
とっても情緒的な作品が多いです。
ぜひぜひ、今の若い人にも読んで欲しいなあ。
若い時にどんな本に出会うかは結構大事な意味があると私は思うのですよ。
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「精霊の守り人」シリーズ

2007年03月08日 | 本のハナシ

以前から気になっていた「精霊の守り人」シリーズ。
一応児童書の部類になるようです。
でも、評価が高いのは以前から聞いていました。
で、ついに手を出してしまいました。
2月は沖縄宮崎と遠出することが多かったので、移動の時に読みました。

精霊の守り人

偕成社

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まず、一番に、帯の文句にやられました。
「忘れた頃にやってくるのは災害ばかりではない」って。
上橋さんの寡作ぶりを言っているんですが、

ん?この文句、以前読んだことがあるぞ。

そうだ、その時の文はこうだ。
「忘れた頃にやってくる、内田善美と大友克彦」(若い人は知らないだろうな
寡作な作家は、必ず災害と並び称されるのねえ。
私としては、ここに、小野不由美さんの名前も入れたいなあ。

余談はさておき。いや、もう、面白いです。
無意味なくらい美形がぞろぞろ出てきて、キャラクター描写にばかりページを取られる。そんな最近のファンタジーブーム(?)の本とは一線を画しています。
主人公は超人的な強さを見せる女用心棒バルサ。精霊の卵を宿らされた新ヨゴ皇国の皇子チャグム。バルサの幼馴染のタンダ。それぞれファンタジーの世界の中で、それこそ「生きて」います。最近、漫画などの中でキャラクターが生き生きしてる様子を、「キャラが立ってる」なんて言い方をしますが、そんな言い方は許せない思いがするくらい、です。
民俗学が専門だというだけあって、いろんな国が出てくるのですが、リアリティーがあります。古代の韓国や東南アジア辺りを想像させるんですが、各国の空気感が心地いいです。

で、あまりの心地よさに、このシリーズ、一気読みです。
外伝として、チャグムの成長の様子を感じさせる「旅人」シリーズ。
虚空の旅人

偕成社

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本伝は二木真希子 の挿絵ですが、外伝の方は佐竹美保さんです。
二木さんのイメージを壊さず、でも、佐竹さんらしい挿画を提供されているのは、すごいなあ、と思います。コドモコドモしていたチャグムが、皇子としての成長を見せてくれます。

長く続いたこのシリーズも、「天と地の守り人」で最終章となります。
天と地の守り人〈第1部〉

偕成社

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これを読むのは、これからです。なんだか読むのがもったいない気分。
でも、楽しみ。

ファンタジーな物語、それも骨太な物語が読みたい中高生には特におススメなシリーズです。
「指輪物語」で挫折した人も、これは絶対大丈夫ですよ!
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