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秘すれば花

2010-04-10 19:33:59 | Scene いつか見た遠い空

桜シャワーを浴びながら、春の深部にゆるやかに向う日々。
時折り、清新な花の香りに包囲され、はっとすると、
たいていそこには目に見えない花の精が舞っている。
秘すれば花。見えないほどの幽かな動きの先に、ひらく蕾がある。



先週、ちよさん&さんぺいさんち前の公園で恒例のお花見会。都内の桜スポットと違って
大混雑していることもなく、絶妙な穴場。少々花冷えぎみだったけど、
みんな持ち寄りの美味しい手料理とお酒ですっかりあったまった。

私はブルスケッタのピンチョス風と、手製ジェノベーゼソースを隠し味にした
プチクレープサンドをこしらえ、チュニジア製の籠に詰めて持参してみた。
前夜にクレープを何枚もせっせと焼いているとき、なんだか妙にわくわく楽しかった。


夕刻からはちよさん宅にて引き続き宴。「めんこいにゃんこⓒさんぺいさん」こと こなみちゃんに
例によってまたいっぱい遊んでもらった。だいすきなこなみちゃん、いつもありがとね。
この写真は同じく猫フリークのハカセときゃふきゃふ追いかけっこして追い詰めたときなので
少し怯えた目をしていますが、決していぢめているわけじゃありません!

いつもながらほんと楽しい花見会だった。みんな、ありがとう&大好きです!

夜、代々木公園の遊歩道を歩いて帰ったら、
雨上がりの真っ暗な公園から 潤んだ夜の森の匂いがした。



水曜、久々にマイコミ編集のせきさんと再会。猫好きの彼女、ますますパワフルな猫さんに
なったように感じた。この日も帰りにまたなんとなく代々木公園に寄り道。
平日の夕刻、しかも花冷えの小雨模様。さすがに花見客もごくわずかでとても閑か。

地面はどこもかしこも花びらドット模様。白蝋のようなチューリップをそっと眺めていたら、
傍らを すらりとした黒人のアスリートが「えっ?」というような猛スピードで駆け抜けていった。
3倍速映像のような速さ。もし彼と一緒に走ったらきっと、プーマとちび猫だなぁ。。



木、金曜は2日連続で、朝から恵比寿で打ち合わせ。幸い、気持ちよく晴れたので
マイビアンキでびゅーんと向った。(…最近、世間で矢面のビアンキ。私のは万事快調ですが)
低血圧ゆえ朝はわりとぼよんとしている私だけど、自転車は身体を目覚めさせるのにちょうどいい。
木曜の打ち合わせでお会いした方はとても澄んだエネルギーがあり、いたく共鳴するものを感じた。
金曜にオーリエさんちのブランチミーティングでお会いした方も初対面なのに
なんだか旧知の友人のような心持ちに。素晴らしい人たちとの巡りあわせに感謝!


昼下がり、ガーデンプレイスをゆるっとお散歩しながら
花壇の花から花へ―。目線が蜜の匂いに誘われる“羽虫”に近い(笑)

写美で開催中の「森村泰昌 なにものかへのレクイエム」も観てきた。最高&爆笑!
(森村ワールドについては次回じっくり書きたいと思います)


帰りに代官山や東大、東海大学近辺をサイクリングしつつ帰宅。
桜ほど艶やかではないけれど、春の光と戯れる路傍の花々がむしょうに愛しく、
春風に散った花びらが描く一瞬のアブストラクトアートに、こどもみたくどきどき心ときめいた。






と、こちらはオーリエさんちに活けてあった花々。
天才花人・川瀬敏郎に師事するオーリエさんらしく、花がその生をまっとうしている。
背後の抽象画も彼女が扱っているアートの一部。飾り方を知っているプロはほんとさりげないなあ。




こちらは、拙宅の窓際。緑が一斉にふきだしてきたベランダジャングルにて、
元気のなかった鉢ものの植え替えをした際に剪定したものを棄てるのが忍びなく、
手近な器に挿してみたしだい。オーリエさんの花の後に見せるのもお恥しい投げ入れ方ながら。。
グミはかわいらしい白い小花がいっぱい咲いており、小手毬も挿している内に小さな蕾をつけ始めた。
決して華やかではないけれど、小枝の小宇宙もまたいとをかし。




最近、気がつくと春キャベツと苺を所望している。 なんだか 野うさぎにでもなった気分。
春キャベツは煮ても炒めても漬けても甘くて爽やか。先日、キャベツを剥いていたら、
芯の中にもうひとつ別のプチキャベツがいた!

苺は食後に一粒二粒あるだけでいいのだが、ないと微妙に口寂しい。
先日、中途半端に残ってしまったトマト&バジルをソースにして
故ニキがかつて大好物だったフィラデルフィアチーズ少々と、
姉のカラブリア土産の赤唐辛子を微量加えてペンネに絡めたら 想像以上に美味だった。

何かしなければいけないことからふっと離れ、
料理(といっても手早くできるものばかりだけど)をしている時って、妙に愉しい。
それはたぶん逃避というより、五感の快い解放なのだろう。
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