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鎌倉、坂倉準三展、そして海。

2009-09-10 04:29:13 | Travel 国内外猫の目紀行
去る夏の尻尾に誘われるように、先週末、海辺を闊歩した。もちろん、裸足。
砂浜をとぼとぼ歩くスーツ姿の紳士とすれ違った。
その革靴、思い切って脱いだらきっと楽しいのに。



夏は終わった、とはいえ、日中は陽射しが夏模様の日も少なくないきょうび。
先週、取材で訪れた南大沢で、いっせいにうなだれた向日葵を目撃。

                                    どこかの党のひとたちみたい?


日曜、久々に鎌倉へ。去年5月、ニキが逝った直後に訪れて以来の鎌倉詣でだ。
あの時、悲しみの淵から息を吹き返したような思いで眺めた鶴ヶ岡八幡宮の蓮池が、
残暑の光線を浴びてこんなにわさわさ繁っていた。


この日は、レイちゃんと神奈川県立近代美術館の「坂倉準三展」へ(この日が最終日)。
近美は日本初の公立美術館であり、かつ坂倉の代表作(1951年)のひとつでもある。
1930年代パリ万博の日本館設計で脚光を浴び、戦中戦後~高度成長期を彩る数々の公共建築から
新宿の巨大ターミナル開発まで膨大な坂倉ワールドを総括する回顧展として実に見応えがあった。
作品だけでなく、几帳面に書き込まれた愛用のエルメスの手帖なども展示されていて興味深かった。


個人的には「東京日仏学院(‘51)」や「出光興産給油所(’57)」が好み(どちらも柱がキノコ風モダン)。
坂倉の作品年表に記されていた「喫茶 蕾」にレイちゃんとウケるも、この作品の詳細はなぞのまま。
誰か「喫茶 蕾」by坂倉をご存知の方がいたら、ぜひ教えてください!

蓮池を見晴らすピロティは、頭上にゆらゆら投影される水面のシルエットも
計算の上なのだろう。この美術館の真骨頂ともいうべきポイント。


ピロティの一角には、美術館で撮られた師匠ル・コルビュジエと坂倉の蝶タイ師弟ショットも。
師匠コルが、「ムッシュウSaka、イイシゴトシタネ」って云っているみたい?!


大谷石に囲まれた中庭には、イサムノグチの珍しく具象的な彫刻作品「こけし」が。
美術館のおヘソに当たるポジションにコレが立っていると、結構なごむ。
はからずも、以前 ル・コルビュジエやイサムノグチの記事を企画したこともあり
彼らの足跡に出逢うと、なんだか勝手に親近感を覚えてしまう。


2Fの喫茶室がまたいい。テラコッタの壁画は近年復元されたものらしい。
テラスでコーヒーブレイク。ここは少々陽射しが暑いけど、きらきらした蓮池が一望できる。



近美を出た後、駅裏の小道をゆるゆる散策。
玉石混交の古道具屋、レトロな大正建築、ひとけのない床屋、焼肉屋を改装した洋服屋さん・・・





散歩の最終目的地は、海。
解体中の海の家のデッキに腰掛け、散歩の途上で入手したピクルスや
チーズクラッカーを並べ、ハーフサイズのスパークリングワインで乾杯!
(下に敷いているのは、コーヒー休憩した「ミルクホール」の骨董店でレイちゃんが衝動買いした
塗り盆。ちなみにミルクホールは清順の傑作「チゴイネルワイゼン」のロケに使われた喫茶店)



晩夏と初秋のはざまに寄せ返す波打ち際で、
ファインダーを覗いたまましばし裸足で立ち尽くす。
まさに魔法のような海辺のマジックタイム。
足が波に洗われ、うそのように疲れがみるみる軽くなっていく。


砂浜では時おり、誰かがあげた花火がスパーク。夜空にはたくさんの星々。夏の大三角形も健在。
ふざけてバレリーナみたいなポーズをするレイちゃんの真上に、まんまるの満月が浮かんでいた。
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コメント
 
 
 
コルビュジエ☆ (すみ太)
2009-09-14 20:04:40
たまたま観ていたテレビで取り扱ってました(笑)
なんて教会だったか忘れましたが、光で十字架を表現していて素敵でした♪
女優さんが東大の建築科で勉強したと言ってましたよ。
 
 
 
Unknown (LunaSubito)
2009-09-15 03:02:31
ル・コルビュジエの宗教建築は、趣深いですよね。
私はロンシャンの礼拝堂がすきです。

 
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