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蛍、夏至。あれから1カ月

2008-06-21 15:00:00 | Scene いつか見た遠い空
ニキが灰になってから、昨日でちょうど一ヵ月。
一見、平穏な日々。朝も昼も、うねった木蔦を這う蝸牛のようなバランスで。

月命日前夜の17日、ひと抱えの百合を買ってきて 部屋のあちこちに活けた。
白いカサブランカ、艶やかなピンクのモナリザ、ほんのりピンクがにじんだニンフ。
それぞれ微妙に異なる濃密な香りに包囲された一週間。


あの日、腕の中でニキの瞳からすーっと生気が抜けていくのをみた瞬間
世界中の花が枯れ果てたような気がした。宇宙中の星が粉々に砕けたような気がした。月さえも。

けれど翌日もその翌日も、私は毎日目覚め カーテンを開け コーヒーをいれ あちこち出歩いたり 
おいしいものを食べたり 友人と遊んだり のんびり電話したり せっせと原稿を書いたり 
音楽を聴いたり 写真を撮ったり 野良猫を撫でたり きゃははと笑ったり あちこち整理したり 
買い物をしたり 映画を観たり 旅行の計画をたてたり 本に没頭したり ぐっすり眠ったり
とにかくいろんなことを、今まで通りに続けている。
ニキの息遣いが聴こえない世界で ニキの温もりに触れられない世界で。

日常というのは残酷なほどせわしなく、現実というのはあっけないほど正確だ。
けれど、ゆえに私は花も星も月も変わらずにちゃんとあるのだということを思い出す。


☆☆

18日は、椿山荘で紺野美沙子さんのインタビュー。見事な日本庭園に抱かれた料亭は
まるで温泉宿のような趣き。「じゃあまずはお風呂に」と冗談めかす紺野さん。
決して気取らず、実に奥ゆかしく、凛とたおやかなひとだった。
先日取材した寺田農さんに続き、美しい日本語をテーマにした単行本の取材だったが
ご両人とも、言葉への思いが実に深い。紺野さんが云った『細雪』の台詞の迫真性に一瞬鳥肌。

日本庭園の清らかなせせらぎのしじまに垣間見えた蛍たちの点滅。(夜景の失敗写真にあらず)

「ねえなんで光ってんのー?」「あれは女の子に男の子が好き好きっていってるしるしなのよ」
暗闇から聞こえてきたどこかの親子の会話に、暗闇で思わず微笑。。

蛍をみた帰り、ふと目があった満月。


☆☆
木曜は終日、部屋に缶詰で原稿書き。書いたそばからメールせよという戒厳令下(?)にてぐったり。。
金曜は、目黒で『モダン・インテリア』の打ち合わせ

帰りに、先月も書いた「MAY FAIR STUDIO GALLERY」へ。
あの時に買ったレイチェル・ダッドさんのCD&DVDに、ブリストルに帰る直前の彼女が自ら
素敵な絵を描き込んでくれたというので、それを受け取りにいったのだ。

梟と猫。梟のお腹にはちゃんと「To LUNA SUBITO from Rachael」と。うれしい。
いま、部屋で聴いている。透明感あふれるエンジェルヴォイスとアコースティックな調べに
すべてが しずかに浄化されていくような。 エアニキもきっと耳を澄ましているはず。
おまけのDVDに収録されているアートな短編アニメーションも、彼女の音楽と相俟って美しい。

ちょうどファミリーセールもしていたので、カフェオレボールやお茶入れなどを買った。
あ、このドット柄の布も。所々に数字やマッチ棒、安全ピン、ボタンの絵が隠れているのがみそ。

お茶入れは、電車の中で売っているレトロなお茶入れを陶器でかたどったもの。
以前、ひだかのお誕生日にもプレゼントしたことがある。一輪挿しにしてもかわいいかな。
明朝は早速このカフェオレボールで、ミルクをたっぷりかけたオーガニックシリアルを食べよう。

夜はレイちゃん&ハカセと一緒にキャットストリートにあるワイスワイスのパーティへ。
店のあちこちにキャンドルが煌々と灯っていて、ほぉーっとみとれてしまった。

その後、会場でお目にかかった理絵さん&セイジさんとみんなで裏原宿へ。
「ここは新橋ガード下?」みたいな謎のディープアジアな居酒屋さんで夜更けまでわいわい。

☆☆
『NODE』最新号が今週発売に。表紙は先日取材させていただいた高橋幸宏さん。
撮影時にはなかったはずのタトゥーが幸宏さんの貌に?!(その秘密は本誌に!)
YMOエイジ必見のインタビューもぜひご一読を!


そういや、前号の『NODE』はニキと一緒に撮影したなぁ。。
きっと透明なエアニキが、今号『NODE』も にゃっとリスペクト!
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