空飛ぶ自由人・2

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コピちゃんのお店

2024年03月20日 23時00分00秒 | 様々な話題

先日、亀戸天神へ行くために、
総武線で新小岩を通った時、
「ああ、そういえば、
コピちゃんのお店が新小岩にあるんだった、
今日のランチは、そこにしよう」
と思いつきました。

コピちゃん? 
説明が必要ですね。
 
それには、「イキテル」から始めなければなりません。
「イキテル」というのは、
ハン・テスさんが運営しているYouTube。


韓国人の長身の俳優で、
日本で結婚し、日本在住。
そのハン・テスさんが、
韓国からいろいろな人を呼び寄せて、
日本の文化や自然、食べ物を味あわせて感想を聞く、
という内容。


最新のものは、彼の姉と
そのマンションに住む女友達と一緒の
三人旅でした。

フランス人の両親を呼び寄せたり、
コロンビアやベトナムの家族を呼んだり、
という類似のものは沢山ありますが、
「反日国家」韓国の人が日本に来て、
日本のあれこれに感嘆の声を挙げる
という趣旨が受けたようで、
毎回40万くらいの再生回数を誇る、
人気コンテンツです。
その旅に時々同行する
ハン・テスさんの仲間の一人がコピちゃん
ご覧のとおり、韓国顔をした人です。

この方が最近、韓国を撤退して、
日本に移住し、店を開きました。
元々韓国でも飲食店を経営していた人らしく、
お店は韓国料理の店

開店当時は、
「イキテル」の視聴者が全国から集まって、
予約をしないと入れないらしかったです。

この駅前商店街は、
シャッター商店街でなく、
生き生きとした商店街です。

コピちゃんのお店は、
この商店街と1本離れた、
大きな道路沿いにあります。

店の名前は和韓内
「わかんない」と読みます。
脇に「コピちゃんの家」とも。

なかなか本格的な内装。

韓国の食堂はどこもテレビがついていますが、
ここも、テレビでKPOPの映像が流れています。

箸は金属でなく、木製。

呼び出しボタン。

韓国人が経営するのですから、
メニューは本格的な韓国料理
品数は豊富です。

注文したのは、ソルロンタン

ソルロンタン・・・
韓国の代表的な料理のひとつ。
牛の肉・骨を長時間煮込んで作る
乳白色のシンプルなスープ料理。
スライスした牛肉、素麺などが入っている。
牛の骨や内臓などを長時間煮込むため、
家庭での調理は難しく、
そのため専門店や食堂で食されることが多い。
韓国では老舗やチェーン店などの専門店が、
早朝から、あるいは24時間で営業している。
これらの店ではスープと飯のセットが出され、
テーブルには大量の白菜キムチ、カクトゥギが
置かれていることが多い。
         
そういえば、ソウルに行くたびに、
明洞でソルロンタンの店に行きましたっけ。

キムチが食べ放題でした。

コピちゃんの店で、ランチに出てきた漬物類。

コピちゃんはおらず、
仲間の一人、ヤンヒョンさんがいました。
この方は、日本に来て働いていましたが、
最近、会社をやめて、
ハン・テスさんと一緒に仕事をするようになりました。
このお店も手伝っているんですね。

お近くの方は、行ってやって下さい。

 


「差別」の正体

2024年03月13日 23時00分00秒 | 様々な話題

先日の「第96回アカデミー賞」の授賞式で、
二人の受賞者の振舞いがネットを賑わせている。

一人は助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.
前年受賞者でトロフィーを持って待ち受けていた
中国系ベトナム人俳優のキー・ホイ・クァンから
目も合わせずに無造作にトロフィーを受け取ると、


ティム・ロビンスと握手し、
サム・ロックウェルとグータッチをした後、
アカデミー賞の封筒を手渡そうとしたクァンを再び無視し、
マイク前に立った。

もう一人は、主演女優賞を受賞したエマ・ストーン
前年受賞者のミシェル・ヨーから
トロフィーを受け取らず、
ジェニファー・ローレンスからオスカー像を受け取ったというのだ。

キー・ホイ・クァンは中国系ベトナム人、
ミシェル・ヨーは中国系マレーシア人。
それが、「東洋人をパッシングした」と、
人種差別論争が勃発。

韓国では、
「明らかな人種差別」
「東洋人は100%人種差別だと感じるが、
 欧米人は100%人種差別ではないと言うでしょう」
「そもそもアカデミーは、昔から白人至上主義で有名」
「公式的謝罪がない限り、
 2人の俳優の演技は未熟な子どもとしか思えない」
という議論が展開されたという。

また、アジア系を中心に、アメリカ人のエマに対する批判が殺到。
ネット上では韓国語で
「エマストーンが好きでしたが、人種差別のために失望した」
などの批判の声が出、
日本でも
「アジア人に対する態度、露骨すぎ」
「アジア人の透明化。意思も悪意もなき差別」
などネガティブな声が続々と上がった。

今回のアカデミー賞のこれまでとは違う授賞方式も
「人種差別の一つではないか」とささやかれている。
従来、前年度の受賞者が
男女交代してプレゼンターとして登壇し、
候補者と受賞者を発表する方式だったが、
今年は前年度の受賞者だけでなく、
歴代受賞者が数人登壇する方法に変わった。
これも、前年度にアジア人受賞者が多いため
「あえて形式を変更した」という、
差別的意図があったのではとの疑惑が
一部で持たれたという。

これを「下司の勘繰り」という。

ロバート・ダウニー・Jr. の行動は
褒められたものではないが、
気持ちが尊敬するティム・ロビンスの方に向かってしまっただけのこと。
その後、舞台裏でキー・ホイ・クァンと握手やハグをし、
その写真も出回っているので、
別に東洋人に冷たくしたわけではないのは明らか。

ミシェル・ヨーは、
自身のインスタグラムで、
エマに対して、
「あなたの親友ジェニファー(ローレンス)と一緒に、
 オスカー像をあなたに渡すという
 輝かしい瞬間を共有したかったのです!」
と述べている。

実際、映像を見ると、
一旦エマにトロフィーを触れさせた後、


ミシェルが誘導する形でジェニファーの側に近づき、

ミシェルの意図に気づいたジェニファーが

トロフィーを取って、エマに渡していることが分かる。

ということで、
二人に東洋人差別の意識など全くないことが分かる。

歪んだ被害者意識
これが「差別」の正体だ

人の行動をじっと監視し、
「差別だ」「ハラスメントだ」「不適切だ」「ヘイトだ」
と騒ぎ立てる。
人の心の中まで見えるわけではないのに、
内心まで入り込んで、決めつけ、糾弾する。
だから、時にはミシェルのように、
善意から出たことさえ、悪く思ってしまう。
自分の汚れた心の反映で、そう見えただけなのに。
自分自身こそ、
偏見にとらわれた、
一番の逆差別主義者であることを気づかずに。

変な書き込みをした人たちよ、
ロバートとエマに謝れ

 


日本の子どもは世界でいちばん礼儀正しい

2024年01月28日 23時00分00秒 | 様々な話題

「日本の子どもは世界でいちばん礼儀正しい
 イギリス育ちの息子が日本の小学校に入学して大感動したワケ」
という興味深い記事が出ている。

イギリス在住で著述家の谷本真由美さんの
「世界のニュースを日本人は何も知らない5」
に掲載されたもの。


「世界のニュースを日本人は何も知らない」のシリーズは、
このブログでも「1」と「2」を紹介したことがある。
もう「5」まで来ていたか。

その要約が↓。

○谷本さんの息子は、
長い間、日本の学校に行くことが夢だった。
アニメや動画で日本の学校が紹介されて、
興味を持っていたのだ。

○ついに日本の学校に行くことが出来るようになり、
その感想は、素晴らしいものだった。

○まず、先生方がイギリスとは全く違う
イギリスの先生たちはごく一部を除きビジネスライクで、
お金のためにやっている人もおり、
子どもの好き嫌いがひどく、
親身になる感じではない。
自分の担当以外の仕事は一切しないし、
時間になればさっと帰ってしまう。
嫌いな子どもには話しかけないし、
怒るときは小学生に対しても軍隊口調で怒鳴りつける。

○ところが日本の先生方は子どもたちを
まるで家族や親戚のように扱ってくれて、
心底温かい対応をしてくださる。
筆者の息子がゲロをはいてしまったときは、
先生が自ら掃除をしてくれた。
これはイギリスではありえないこと。
掃除はすべて外注の業者がやるからだ。
業者の人がいつもいるわけではないので、
そういう汚れた教室は閉鎖され、
ひどい場合は3日間も放置される。
一方、日本の学校では
先生が5分も経たずに片づけてしまい、
子どもたちは手伝ってくれた。

同級生は大変親切で、
新参者であり、単なる訪問者にすぎない、
息子に気を配り、
挨拶を欠かさず、
仲良く遊んでくれた。
小学1年生でもこんな大人のような振る舞いができることに、
息子は大変な衝撃を受けた。
登下校時にも同級生が気を遣い、
「いっしょに帰ろうよ」と声をかけてくれ、
下駄箱の場所やさまざまな物の使い方を教えてくれた。

○イギリスの学校では
新参者は警戒され、
友だちは何カ月もできず、
持ち物が古いとか髪型のことなどを揶揄するのが当たり前で、
とても意地悪な子どもがいる。
クラス内では人種や親の職業で派閥ができてしまっており、
誕生会に招いた招かないでいじめが横行。
暴力的ないじめもある。

○日本で通った小学校は、そんな厳しい現実とは無縁で、
息子がお客さんだったからというわけでもなく、
そのクラスの子たちは普段から仲が良く、
みんなで親切にし合っていて
全体が友だちのような雰囲気だった。

○息子が驚いたのは、
生徒たちは「カナヘビ」というトカゲを飼育し、
虫かごに入れて「かわいいね」と
撫でたりして大事にしていたこと。
イギリスの学校では小動物や爬虫類を飼うことはない。
虫や爬虫類を発見すると、踏み潰して殺したり、
いたぶって遊んだりする子どもが多くいる。
小さなものを大事にする感性のある子どもは少なく、
自然にもあまり興味を抱いていない。

○イギリスの子どもたちは裕福な家の子でも、
ゴミを床や道に投げ捨て、
並ぶべきところできちんと並ばず、
人を押しのけ、私語だらけで大騒ぎし、
気を遣わず、意地悪をし、
トイレを汚し、
食べ物を床に投げて足で踏み潰し、
カーペットになすりつける。
大人の「使用人」が掃除すると思っているからわざとやるのだ。

○日本の子どもたちは
全体的に礼儀や共感性がしっかりしており、
小さな子でも「非認知能力」が恐ろしく発達している。
記憶力や学力テストで数値化できる能力は「認知能力」であり、
算数や国語など試験の成績に当たる。
これに対して、非認知能力とは
「社会情緒」に関する能力のことで、
感情の動きをつかさどる。
それは「社会性」「協調性」「忍耐力」「意欲」
「自己肯定感」「予測力」「共感性」などで構成される。
もっと具体的にいうと以下のようなことだ。
  ◇同級生の体調を気遣う
  ◇相手の都合を考えて予定を調整する
  ◇お客さまのニーズを察知する
  ◇グループ活動をやり目的を達成する
  ◇ものごとをやり遂げる
  ◇周りの人と上手にコミュニケーションをとる

○息子が遭遇した学友や街で出会う日本の子どもたちは、
かなり高いレベルで成熟した非認知能力を身につけている。
親が学校へ迎えにいっても、
小学1年生がきちんと挨拶をしたり、
たいへん丁寧に世間話をしたり、
下駄箱に靴をきちんとしまう。

○待ち時間に観察していたところ、
遠足から帰ってきた5年生は
バスから下車して点呼が終わるまで10分かからなかった。
統制がまったくないイギリスやフランス、アメリカの子どもなら
同じ行動に40分ほど要するはず。

○だから日本の公立校に通う
ごく普通の小学生が
イギリスの小学校に転校した場合、
その子どもは礼儀や行動評価で
全学年のトップになってしまうだろう。

えっ、イギリスの学校って、本当にそんなにひどいの?
と思ってしまうが、
イギリス在住の人が
こうして本に書いているくらいだから、
本当なんだろう。

日本人は、江戸時代から、
町人の子どもでも、
寺子屋で教育を受けた。
明治以降、教育に力を注ぎ、
識字率は100パーセント。
漢字、ひらがな、カタカナをこなす。
中国では一つの漢字に一つの音だが、
日本では、同じ漢字でも数々の読み方があり、
それを全部身につけている。
26文字しかないアルファベットを駆使する欧米でさえ
識字率が低いことを考えると、
日本人の頭脳と教育の力の大きさを誇りたい。

「世界のニュースを日本人は何も知らない」の1と2についての
過去のブログを再読してみたが、
欧米、特にイギリスと比べて
日本がどれほど住みやすい国かが分かって興味深い。

そのことを日本人自身が知らない、ということが不幸だ。

 


褒められる日本

2024年01月20日 23時00分00秒 | 様々な話題

週刊大阪日日新聞に、
ニューヨーク在住経験のある
Spyce Media LLC 代表の岡野健将氏が、
「日本はそんなに住みにくい国なのか? 
 海外から見た日本のスゴさ」
という記事を掲載している。

趣旨は、次のとおり。

日本は、経済成長の実感がなく、
人口は減少期に入り、
「失われた30年」と言われ、
経済も収入も増えずに来た。
しかし、そんな停滞感いっぱいの日本に今、
海外から観光客が大挙して訪れるのはなぜか。
しかも、彼らは一様に口をそろえて
「日本は良い!サイコー!!」と言う。

その理由はまず、安全であること。
街がきれい、人が親切、時間に正確。
と日本人にとって当たり前のことを、
「すごいこと」として評価してくれている。
外国人にとって日本は物価が安く安定し、
そのうえモノやサービスの質が高いと評価されている。
1000円以下でこんなにおいしい食事ができる国は
他にはない、と。

世界では、戦渦で家を失い
逃げまどう日々を送る人が何百万、何千万人もいる。
インフレ率が二桁を遥かに超える国は多数あり、
毎月のように銃による大量殺人が発生し、
街がゴミであふれて異臭を放つ大都市や
スラム化した地区を抱える都市は世界中にある。

豊かな国のはずの米国は、
スラム街ではホームレスや貧困層の人が
希望もなく生活している。
米国には日本のような義務教育がなく、
高い学費を出さなければ、進学できない。
州立大学でさえ、
年間授業料が300万円を超える。

日本のような国民皆保険がないので
高額な民間保険に加入せざるをえない。
しかし、目や歯の治療はカバーされないことも多いため、
米国に滞在する日本人は、
虫歯になったら飛行機で日本に帰国し、
治療した方が安いと言われるほどだ。

これだけ考えても、
日本が米国より生活がしにくいとは思えない。

世界最高レベルの安全な社会で暮らし、
義務教育どころか高校進学率も9割を超える。
その上、国民のほとんどが
充実した社会保障制度から
多大な恩恵を受けて日々を過ごしている。

消費税が高いと言うが、
欧米では20%以上の国がある。
コロナの際には給付金や補助金を支給してくれた。
経済力のない国ではそのような支援はできない。

仕事で外国人に接することが多いが、
彼らは異口同音に「日本はすばらしい」と褒めてくれる。
各国の事情を聞くと、確かに日本人は恵まれていると強く感じる。

「この国もまだまだ捨てたものではない」──
そう思う日本人が増えると、
自然と社会自体にも活力が生まれ、
すべてがより良い方向に向かって動き出すはずだ。

と。

これに対して、ネットの意見には賛同が多い。

○姪がカナダへ留学し、娘がイタリア人と結婚していますが、
2人ともこの記事にあるようなことを言っています。
日々の食事は、ソーセージやポテトなどで、
毎日同じような短調な味、
冷凍したの解凍して食べることが多く、
朝や昼はテイクアウトの軽食でも1500円から2000円。
所得は年々上がりますが、
物価はそれ以上に高くなり、
家を借りられず車で生活する人も多いとか。
娘たちも、病気、特に歯科にかかるときは
日本に帰国して治療しています。
一番の違いは、カナダやオーストラリアでも治安が悪く、
人種差別が露骨、日本のようなほんわかした雰囲気はないとか。
ヨーロッパは、移民や難民が多いため治安が悪化して
人種、民族差別が厳しいだけではなく、
相続税がない国が多く格差が固定され、
搾取される人はずっと搾取されるとか。
若者は、EUから外へ流れているそうです。

○EU各国でも、
電車は日本のバス並みかそれ以上に遅れて来る、
水道の水は飲めないどころか石鹸で泡が立たない、
ひったくりにバッグを引っ張られてるのにみんな知らんぷり、
犯罪にあって警察に届けても大ケガしてなければ放置、
盗難にあっても盗られた奴が悪いと言わんばかりの対応。
自動販売機もコンビニもなくて、
日曜日は商店が閉まってる。
日本人は我慢できないでしょう。
南米で珍しく時間通りに列車が来たと思ったら
「前の日の列車が24時間遅れで来たので指定席に座れなかった」
ということもあるそうです。
日本なら新聞に載ります。

○賃金が上がらないと言っても
先進国の水準は維持しており、
物価は先進国の中で最低レベルですので
海外へ出なければそれなりに生活出来ますし、
何より治安が良いのはありがたいでしょう。
警察官が他国より良く頑張っている事もありますが
何より日本人の教育水準が
世界レベルでも高い事が影響していると思います。

○1人当たりGDPや
生産性という数字ばかりに注目しているから、
また、バブルの後遺症たる
失われた30年なる言葉に囚われているから、
日本はもうお終いで、外国の方が素晴らしいのでは無いかと
勘違いされているだけじゃないのか。

○訪日外国人が大勢来るのは、ただ、単に円安だけではあるまい。
日本には世界中の人々を惹きつけてやまない魅力があるからではないか。
外国人は日本の良さを分かっているから、
コロナ禍が落ち着いて来た途端、訪日を再開したのだ。
日本が100点満点の完全無欠の理想郷だと言うつもりはないが、
少しは自国に対して自信を持っても良いと思う。

○北欧メーカー代理店に勤務し
本社スウェーデンやフランス、ドイツなどから営業が来て
夜の食事会などで話すと
ほぼ全員が
「日本ほど安心安全快適美食清潔な国はない」と言っていた。
先進国と呼ばれる北欧などはやる事がなく
仕事終わってからは家に帰るだけ
娯楽や余暇の楽しみも少なく
日本のようにエンタメやレジャー施設もない。

○物価が上がるのに給料は上がらない、
日本は30年間停滞し何も進歩していないと
批判ばかりしているのはマスコミで、
マスコミは誰かを批判し自分が正義であるかのように見せただけ。
それを真に受けている人も自分を正義と思いたいだけ。
30年間にG7の他の国は
みんな200%以上物価が上がり、
アメリカでは年収1000万円以上あっても中流以下と言われている。
それに比べたら日本は30年間で
20%しか物価は上がっていない。
つまり給料上昇は他国の10分の1でも同じということである。


上記の方が書いたように、
「日本はダメだ」という論調がマスコミに多い。
日本を貶めることが自分たちの使命のように感じているらしく、
それを読んだ人が、そうかな、と元気を無くしてしまう。

よく、外国旅行をして帰国した人が、
「日本がいい国だということが分かった」
と言うが、外から眺めて、
初めて日本の良さが分かる。

それと同じで、
外国人の目を通して、
日本の良さを知る、ということだろう。

一方、ライターの中川淳一郎という人が、
日本は「衰退途上国」であるとして、
日本を褒める外国人に対して、
斜めからの視線を与えている。

その要旨は、次のとおり。

近年の日本人、
そして日本のメディアは外国様から少しでもホメられると、
やたらと反応してしまう。
朝の情報番組や夕方のニュース番組などでも
「外国人が日本の素晴らしさに感動」
「日本人にとっては当たり前のアレに、外国人が大注目」
といった企画を作っては、日本の良さを発信し続けている。
まるで日本人が「ソト」からホメられ続けていないと
プライドが持てない、
卑屈で情けない民族のように思えてくる。

私は1987年から1992年までアメリカに住んでいたが、
もうウンザリするくらいアメリカ人の愛国心と自信を見せつけられてきた。
「何事においても、アメリカが最強で、最高!」
と信じて疑わないのがアメリカ人なのだ。
アメリカ人の愛国心は確かに鼻に付くが、
「外国からどう見られようが気にしない。
俺たちの国が一番だ」
という揺るぎない自信は、日本人も多少見習うほうがいい。

旧知の編集者A氏の意見。

「誰だって自国のことを海外の人からホメてもらえれば
悪い気はしないだろうし、
事実、日本は安全で暮らしやすい国だと思う。
でも、他国からどう評価されるかを自分の愛国心の支えにしたり、
外国人のリップサービスを真に受けたりする日本人が増えているのだとしたら、
なんだか惨めな話ですよね」                           
更に、著名な経営者から聞いたという話が続く。

「日本で暮らす外国のビジネスパーソンたちの間では
『テキトーに日本のことをホメそやして、
〈日本最高!〉みたいな本でも出せば、
ちょっとした小遣い稼ぎが簡単にできるぜ』
なんてジョークが酒飲み話などで語られているのだとか。
『日本人は、外国人から日本のことをホメてもらえると、
尻尾を振る犬のごとく喜ぶ』
と感じている外国人は多いらしい。

と。

この人の見解は、少々うがち過ぎではないか。

外国人が「日本は素晴らしい」と言っているのは事実。
YouTubeには、その手の企画があふれている。
外国人に街頭インタビューして、
日本の良さを礼賛する番組。


外国旅行者を和食店に連れて行って食事させ、
日本の食べ物のおいしさに驚嘆する姿を写す企画。


韓国から後輩を呼び寄せ、
日本の食べ物や街並みや自然を
ほめそやし、「日本を誤解していた」と言わせる番組。


祖国から父母を呼び寄せ、
日本の素晴らしさに触れさせる番組。
東アジアを旅行したヨーロッパの人が
中国と韓国に失望した後、
日本を訪れて、その素晴らしさに驚く番組・・・
そのことごとくが
10万単位のアクセス数を誇っている。
つまり、そういう番組が
日本人の自尊心をくすぐっていることも確かだ。

だが、それらのYouTubeが、
日本人を喜ばすため、
アクセス数を増やすためだけにやっている、
と考えるのは、ちょっと違う。
そもそも、外国人が日本の良さを
ほめそやしている事実があるからだ。

私は日本人は幸福な国民だが、
自分が幸福であることを
気づいていないという不幸がある、
と常々思っているが、
そのことを外国人が指摘してくれているのだから、
ありがたく受け取った方がプラスというものだ。


この国民にして、この政治あり

2024年01月12日 23時00分00秒 | 様々な話題

数学者の藤原正彦氏が、
「この国民にして、この政治あり」
という寄稿を産経新聞に載せている。
傾聴すべき内容だと思うので、
その骨子を掲載する。

まず、藤原氏は、最近の政治資金パーティーでの裏金隠しについて、
「自民党の宿痾である。」と断ずる。

宿痾・・・長い間なおらない病気。慢性のやまい。

今までも政治とカネの問題で事件が起こるたびに、
自民党は様々な対応策を打ち出してきたが、
時の経過と共にきれいさっぱり忘れ去ってしまった。
今回も対応策が出されるだろうが、
どうせまた忘れられるだろう、と。
そして、その原因は国民にある、と続ける。
政治は国民の鏡であり、
「政治とカネ」は、
国民が正直と誠実をないがしろにするようになったことへの
鏡像にすぎないのだ、と。

そして、日本人の道徳性について、
過去の文献を記す。
3世紀の「魏志倭人伝」には、
「盗みや訴訟をせず礼儀正しい」と書かれ、
16世紀に布教に来たザビエルは、
「礼節や名誉を尊ぶ」と書き、
18世紀に長崎出島に来た
スウェーデン人医師ツェンペリーは、
「率直にして公正、勇敢にして不屈」と記した。
幕末に日本に滞在した米高官ハリスは、
「この国には一見したところ
富者も貧者もいない。
人民の本当の幸福の姿とは
こういうものだろう。
日本は世界中のどの国とも違い、
質素と正直の黄金時代にある」
とまで書いた。

藤原氏は、それ以上書いていないが、
私でも、
幕末に訪れた外国人たちが
日本人について記した多数の著作を集めた本で、
そのことを読んだ記憶がある。
東南アジアの国々を訪問してきた彼らは、
最後に訪れた日本で、
賄賂を受け取らず、盗みもせず、
約束を守り、
家族を愛し、子供を大切にし、
自分の置かれた環境で仕事に最善を尽くす
日本人の姿に感銘を受けたのである。
それだけではない、
日本の自然と、
それに育まれた美意識による
素晴らしい工芸品に目を見張ったのだ。

では、何故日本人がその美徳を忘れてしまったのか。
藤原氏は、戦後のGHQの罪意識扶植計画により、
日本の歴史や美徳や伝統や価値観を否定したことを挙げる。

祖国愛を根こそぎにし、
代わりに、
アメリカが盲信する
自由、平等、民主主義を植え付けた。

日本人は公的なことより、個人を優先するようになった。
そして、1990年代半ばに入って来た
グローバリズムが追い打ちをかけた。
成果主義が生れ、
競争社会となった。
その結果を藤原氏は、
次のように書く。

歴史的に世界で最も金銭崇拝から遠かった我が国が、
金銭至上主義となった。
正直や誠実は隅に追いやられ、
人々のやさしさ、穏やかさ、思いやり、
卑怯を憎む心、他者への深い共感など、
日本を日本たらしめてきた
誇るべき情緒、
そして行動規範となる形は忘れられた。

「形」については、こう書く。

慈愛、誠実、惻隠(弱者への涙)、
勇気、卑怯を憎む、
などを主とする武士道精神まで衰退したのは大きかった。
日本人は形を失ったのである。

そして、

家庭と学校で、
古くからあった日本人の情緒と形を育むことが
日本の迷走を食い止める
唯一の根本策である。

と書くが、今の日本の教育界の現状からは期待できないだろう。

藤原氏は、最後に、
高校一年の時に
宮沢賢治「永訣の朝」を読んだ時の感動を綴る。

死の床にある賢治の妹・とし子が高熱にあえぎながら言ったことば。

「生まれ変わったら
自分のためでなく
他人のためにも苦しむ人間に
生れてきたい」

賢治は
「わたしのけなげないもうとよ
わたくしもまっすぐにすすんでいくから」
と誓う。

藤原氏はこう最後に書く。

この詩を読んで感動した私は、
自分もこれからはまっすぐに生きていこう、
何が何でもまっすぐに、
と自らに強く言い聞かせた。
一篇の詩との出会いが
私の指針となった。
子供たちに
こんな経験をさせたいのである。

現在80歳の藤原氏の中に
高校1年の時の決意が宿っていることに、
胸を打たれる。

ただ、私は、日本人の中には、
深い所で、日本人の美点をなくしていないと、
信じたい。

長浦京の小説「アンリアル」には、
次のような主人公の書いた論文が掲載されている。

「天然資源が乏しい日本にとって、
国民の中に潜在的にある
勤勉さや正確さへのあくなき探求心こそが資源なのだ。
電車が一秒も遅れずにやってくる。
町工場が0.001ミリのサイズの狂いもないネジの製作にこだわる。
こうした気質は、地下に眠る天然ガスと同じくらい重要な、
日本人の中に埋蔵された資源だと思う。
これが日本人から枯渇してしまったら、
国際競争力は本当に皆無になってしまう」

この観点を忘れたくないと思う。