***吉井和哉的日常生活***

アリ地獄に嵌って14年半 吉井和哉のない生活は、たぶん考えられない

2泊3日で前穂高・その2

2014-07-30 23:35:20 | 美味しい話とか旅の話とか

 

 

2日目(7月28日)は午前5時少し前起床。

雲を従えた乗鞍がくっきりと綺麗です。
上高地一帯は霞に覆われていて、大正池はあの幻想的な風景を見せていると思われます。

 

パンとスープで簡単に朝食を済ませ、
午前5時40分、前穂高岳を目指して出発です。

その前に小屋でヘルメットを借りました@1,000円
前穂高も山岳ヘルメット着用奨励山域に入ってますし、少しでも危険は減らしたいので。
ちなみに、ヘルメットはモンベルが長野県の遭難防止対策協会に
200個ほど寄付したものだそうです。えらいじゃん、モンベル。

 

沢を渡って、前穂への登山道に入ります。

 

しばらくは草付きの道ですが、徐々に手を使わないと登れない斜面になり、
この手前あたりでヘルメット装着。

岩場はなるべく岩から身体を離し、3点支持を確実にという登り方、
私なりに身についてきたと思います。
ダンナは若い頃ロッククライミングをやっていたので、出来て当然(笑)

で、上の写真、見事に前ピンです(汗)
昨日の雨でカメラのファインダーの内部が結露してしまい、全く見えず(汗)
ライブビューを使うとバッテリーの消耗が激しいので勘で撮影することとなり、
結果、ワイド側以外はほとんどピンぼけとなりました(泣)

 

 

ハシゴもところどころ登場。
足を踏み外した時に身体を支えられるよう、手は横ではなく、段々を持つのが鉄則。
高所が全然平気なので垂直に近くてもOKですが、結構疲れます(汗)
でも高度が稼げるから、そこは嬉しい(笑)

 

ハシゴからほどなく『カモシカの立場』に到着。

重太郎新道のビューポイントのひとつ『カモシカの立場』
自分がホントに前穂に登ってるんだって実感できて嬉しいったらない。

なのに、こんなとこでも三脚オジサンが出張り、延々と居座る(汗)
三脚を使うなとは言わないけど、お願いだから他に人がいたらササッと撮って、
速やかにどいて欲しい。そういう周りへの気遣いが欲しい。
みんなここに来たら絶対『カモシカの立場』の字を入れて記念写真を撮りたいはずだもん。

 

そんなことを思いながら稜線を眺める『オバサンの立場』(笑)

 

重太郎新道は半分以上がよじよじと手を使って登る斜面って気がしますわ。
なので、疲れはさほど感じず、かな~り楽しい(笑)

 

岳沢の眺めが素晴らしい『岳沢パノラマ』
岳沢はもちろん、梓川、焼岳、乗鞍、その向こうには御嶽山もくっきり。
いい天気で良かったよぉ~~~ん

 

そんでもって、

自分の目線が西穂の高さに近くなってきました。
下の方の赤い屋根が岳沢小屋。登ってるんだなぁ~、ホントに。

 

ザレた道を一歩一歩踏みしめるように登ります。

 

見事な眺め。でも、乗鞍方面に雲がかかってきたのがちと不安(汗)

 

『雷鳥広場』到着。
曇天時にはここで雷鳥にお目にかかることも多いそうですが、
晴天と雷鳥両方は贅沢ってもんで(笑)

それにしても暑い(汗)

 

越えてきた岩稜を振り返って。お気に入りの写真です。

写真だと、ハシゴいらないんじゃない?って見えるけど、
左側がすんごい切れ込んでて、ハシゴ無しでは危険なんですわ。

 

こちらはペンキマークが目みたいで面白かったので。

 

紀美子平に到着したダンナが「お~い」

って、その岩絶対落とすなよっ(汗)

 

午前9時すぎ、紀美子平到着。岳沢小屋から3時間20分。
コースタイムは20分オーバーしてるけど、自分としては大満足。
なんたって、あの重太郎新道だもん♪

さほど疲れてはいなかったけど、ひと休みして栄養補給。

ここからの眺めも最高。
雲がかかり始めた西穂と、一番手前は奥穂、間の小さい突起がロバの耳、その向こうがジャンダルム、かな。

紀美子平は奥穂と前穂の分岐点。
ここから前穂までは約30分なので、前穂に行く人はみなザックをおいてピストンするようですが、
私は往復に1時間以上は優にかかるので、天候の急変があったら怖いのと
水分補給のため必要アイテムの入ったザックを背負ったままで行きます。

途中、ダンナが下りてきたオバサンに「あんた、女にザック背負わせて、可哀想じゃないの」と
責められたそうで、
ダンナは「いや、これにはいろいろと事情がありまして」とタジタジだったようです(笑)


紀美子平から山頂までは本気の岩場。
斜め上の方で「らーーーーーく!!!(←落石注意のこと)」と声が上がり、
十数メートル横を石というよりも岩が落ちていきました。

あれが自分の上だったらと思うと「ゾゾーーー」です(汗)

そういう時のためにもヘルメットは有用ですが、
私の場合、上を見ずに「えいっ」と身体を持ち上げてしまうクセがあり、
ここでも、グイッと上がった瞬間、上に張り出していた岩に頭部が激突、
ということがありました。

ヘルメットを被ってなかったら、頭部裂傷はもちろん、
そのまま滑落して命がなかったかもしれません。
いやぁ、本当にありがとうヘルメット。

この出来事により、ヘルメット購入と必ず上を見るということを心に誓った私です。



 

前穂山頂直下、紀美子平が小さく見えます。

 


で、紀美子平からは、頭部激突事故もあり、すこぶる慎重になりまして、
50分近くかかって、、、

午前10時10分、

前穂高岳到着ぅ~~~~~っ

標高3,090mなり~~~~~っ

初めての3,000m越え~~~~っ

 

やっほーーーーーーーーっ 超うれしぃ~~~~~~~~~っ

 

ア~ンド、誕生日おめでとーーーーーー(四捨五入すると60歳になっちまったぜw)

 

ちょっとの間、山頂ひとり(正しくはふたり)占め。

生きてて良かったよぉ(泣)

 

ガスが上がってきて、残念ながら見たかった涸沢側や槍ヶ岳の眺望は叶わなかったけど、
合間から覗く迫力の岩稜帯、その景色だけで充分。

 

こちら、穂高岳山荘が雪渓の上にちい~~さく見えるのがお分かりでしょうか。

今度は吊尾根を歩いて奥穂まで行ってみた~い。

もうホントにテンションMAXですわ(笑)

 

山頂で槍から5日間かけて縦走してきたオジサマふたりとしばし雑談。
聞けば70歳になるそう。
全然見えない。凄いッス。

私の年なんかまだまだじゃん(笑)

 

この日は小屋に戻るだけなので、30分ほどのんびりして、
それでも後ろ髪をひかれるようにしながら下山開始。

前向き、すぐに回転して手をついて、って繰り返してたら気持ち悪くなっちゃって、
加えて、絶対動かなそうな大きな岩の角を掴んだら、それがグラッとして滑落寸前(超汗)
たぶん生まれてこのかた最大の恐怖を感じたと思います。

それ以後、どの岩も動きそうで怖くて怖くて、超スロー下降となり、
下りは20分というコースタイムの紀美子平までなんと1時間近くかかってしまいました。

 

紀美子平でしばし休憩し、体調回復。

また慎重に歩き出します。

「あ、オコジョ!」ダンナの指さす先にチラッとオコジョの姿が見えて、その後も
チョロチョロと岩陰から出たり引っ込んだり。
でも、動きが速すぎて写真に写せず(汗)

 

下りは楽かと思いきや、ズルッといきそうな箇所ばかりで、上りより数倍神経を使うので、
かなりしんどかったです。

 

それでも一歩踏ん張る毎に、少しずつ、少しずつ、上高地が近づいてきます。

 

午後3時、やっとこさ岳沢小屋のテント場到着。
ダンナの後ろ姿ったら、まるで『砂の器』みたいじゃありませんこと?(汗)

ええ、疲れましたとも(汗)
下りも上りとほぼ同じ時間かかりましたもん。

 

片付けもそこそこに、小屋で遅めのお昼ご飯。
再びのおでんと、かた焼きそば。美味しいに決まってンじゃん(笑)

 

夕飯はレトルトのカレーにアルファ米のワカメご飯&オニオンスープ。
ワカメご飯にカレーってどうよ、と思ったけど、心配無用の美味しさ。

だって山だもの(笑)

 

 


淡い夕焼けを眺めながら、前穂高登山の充実感に浸ります。


なんて贅沢なひととき。



こうやって、ズボズボと山に嵌り込んでいく自分が怖いわ(笑)

 

 


その3へつづく。

 

 

 

 

 

 


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