1月27日(月)、28日(火)の1泊2日で行った北横岳の日記です。
なんともうひと月半近くも前(汗)
(「なんともう」と書くと「7週間」と続けたくなる性w)
途中まで書いで、嫌なことがあったところを書こうとすると心臓がバクバク。
割愛しようかと思ったけど、でもそれは悔しい。
そんなこんなで今になってしまいました。
では、お時間のある方、お目汚しをどうぞ。
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12月21日、1月13日、そして今回と、この冬3度目の北横岳。
今回は山小屋に一泊します。
宿泊する北横岳ヒュッテは本日は荷揚げ日のため、15時から16時のチェックインで
というお話だったので、のんびりと11時20分発のロープウエイで坪庭へ。
青空の下、アカゲラくんも気持ちよさそう♪
なのに寄付しないでごめんね(汗)
坪庭はこの日も美しく、
山々の眺めもバッチリ。
振り返って、南アルプス。
右から北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳。
こちらは御嶽山。
もうお馴染みになったエビの尻尾。
これ、風上に育っていくんですよね。だから枝の向きとは逆。
考えれば当たり前のことなんだけど、ちょっと意外。
陽射しが強いせいか、坪庭では樹氷はほとんど見られず、
でも、登山道の斜面ではところどころ美しい樹氷が残っていてくれました。
ビューティフォーーーーー
お菓子の「白樺の小枝」みたい。
っていうか、お菓子がこれを模したのか(汗)
坪庭全体の眺め。
前回より黒い部分が多くなり、コントラストの強い景色になってました。
ランドネ風に撮ったつもりだけど、ニット帽が海坊主みたいで、あな悲し(泣)
気温はマイナス10度(byヒュッテの温度計)
でも陽射しが暖かく、行動中はアウターなしで丁度良いくらいでした。
三ッ岳への分岐。
トレースがあったので、今回初めて行ってみることにしました。
テクテク。
気持ちいいことこの上無し♪
三ッ岳が見えてきました。
今までの穏やかな風景から一変しての岩山。
ダンナはアイゼンを着けたままでしたが、私は爪を引っかけてしまいそうだったので
下でアイゼンを外し、リュックも置いて、ウンショウンショとよじ登り。
結構怖い。
とビビリつつも、
岩に付いたエビの尻尾の形が面白くてつい撮影。
付け爪みたいでしょ、これ。
こちらは珊瑚のよう。
山頂です♪
三ッ岳はⅠ、Ⅱ、Ⅲ峰と三つのピークがあるようで、ここはそのⅢ峰。
今日はⅢ峰のみにしときました。
穏やかな日でしたが、さすがにここは風が強かったです。
北北東の方向には浅間山がクッキリ。
ズーム
左は黒斑山、かな。
チョコプリンみたいのは蓼科山。
手前左の平らな山が北横岳で、左のピークが南峰、右が北峰、と思われます。
風が無かったらここでお昼にしようかと思ってたんだけど、
とてもそんな悠長な状態ではなく、そそくさと下山。
岩場の下りは、上りよりずっとずっと怖かったです。
足の置き場所が見えないんだも~ん(汗)
北横岳への登山道に戻ると、
可愛いオバケがお出迎え(笑)
頭から木が生えてるのもキュート♪
少し高くなった場所から見た三ッ岳。
↓こちらは前回同じ場所から撮ったもの。
樹氷の有る無しで全然違っちゃうもんですね。
ほどなく北横岳ヒュッテが見えてきました。
ここでまたテーブルをお借りして遅めのお昼ご飯。
メニューはパンとカップラーメン。
シンプルの極みでございます。でも、これが美味しいんだな、また(笑)
午後3時ジャストにチェックイン(っていうの分かんないけど)
平日ということもあり宿泊客は私たちだけ。
ヒュッテの主(あるじ)はナイスガイという感じの方。
よく女将さんが書かれているブログを読ませてもらってるんだけど、
残念ながらこの日は不在でした。
お会いしてみたかったです。
お部屋は個室。
ウッディでなかなかお洒落。お掃除も行き届いてます♪
もちろん宿泊客が多ければ相部屋になります。
廊下の窓ガラスがアートしてました。
山に沈む夕陽を眺めたかったので、主に日の入り時刻を教えてもらって、
午後5時ちょっと前に南峰へ出発。
右上は南八ヶ岳の山々。
山肌がうっすらピンク色に染まってます。
燃えるような激しさはなく、淡く優しい山の夕暮れ。
夕陽に照らされて斜面の雪がキラキラ。
ピンク色に染まった樹氷が美しい。三色アイスみたいな空も綺麗。
でも光の当たり方、色合いは秒刻みで変わっていきます。
ファインダー越しじゃなく自分の目で見ていたくてカメラを離すけど、
やっぱり写真にも残しておきたくて、、
それは凄いジレンマでした(汗)
高そうなレンズを付けて撮っているのはヒュッテの主(笑)
主の撮る北横岳の写真、とっても素敵なんですよ。
http://kitayoko.fine.to/phototheater
私もいつかこんな写真が撮れるようになりたいですわ。
ヒュッテへ戻る途中ダンナのヘッデン(ヘッドライト)が電池切れ。
ダンナは呆れるくらい装備に念を入れる人なんですけどね~(汗)
ということで、私のヘッデンの灯りを頼りに真っ暗な山道を下りていきまして、
ヒュッテの灯りが迎えてくれた時は安堵感で一杯。
先に戻っていた主が用意してくれた夕食はお鍋料理。
写真じゃ分かりづらいけど、すんごい量です(笑)
後でうどんを入れるとのことだったんですが、無理だからと辞退し
それでも食べ切れそうになかったので、残りは朝食に使ってくださいと懇願(笑)
栄養満点のお鍋、美味しくて、温まりました♪
主は多分、宿泊客がいなければ荷揚げのあとはお家に帰って
ゆっくり休んでいたと思われ、ちょっと申し訳なかったです。
でもそんなことはおくびにも出さず、写真やカメラの話しに付き合ってくれて
いい人だ~。
最近悩ましいのは、登山道を簡易ソリやお尻で滑り降りるヒップソリ、
シリセードをする人が多いことだそうで、これをやると登山道が滑り台状になり、
それが凍ればツルッツル、とても危険とのこと。
確かにそうですよね。
それにアイゼンを付けたまま滑って、万一登ってくる人とぶつかりでもしたらとか
考えただけでも恐ろしいです。
でもヒップソリがルール違反という規定があるわけでは無いので徹底することが難しい、と。
うん、うん、と思う私たちでしたが、
帰りにヒップソリを持って登ってくる人達と行き逢っても、
「登山道ではやらないでね~」と私らが言うのは、なんか偉そうだしって、
心の中でお願いするしか出来なかったのが情けない(汗)
3月に1泊で西穂独標を計画していることを話すと、
「う~ん。3月は雪面がカリカリになるからね~。
特に独標直前の急登は本気で危ないよ。
様子を見て、丸山から少し登ったところで引き返した方がいいと思う。」
とのアドバイスをいただきまして、素直に「はい、そうします」
山の達人の言うことは素直に聞きます(笑)
ちなみに、昨秋の西穂丸山行はこちらです。
寝る前に星空写真に再チャレンジ。
しかしレリーズを忘れた私(汗)
指で75秒間シャッターを押したまま撮ったローテクな写真がこちら。
う~ん(笑)
でも、撮ってる時は気付かなかったけど、右端にチラッと流れ星が写ってたんですよ。
ラッキー♪
就寝は午後8時半(早っ)
そして午前5時前に起床して、ご来光を撮りに行きます。
ダンナのヘッデンは主が貸してくれました。ありがとうございますぅ~~~。
これを教訓に今後は予備電池必携と致します。
南峰少し手前から撮った、ヘッデンの光を受けた木と、月と金星。
ものすっごい風なので、シャッタースピード3秒では超ブレブレ(汗)
「お月様をフォークで刺した図」みたいなのを狙ったけど、やっぱブレブレ(汗)
写真じゃ全然分かんないけど、ホントに凄い風で、凄い寒い。
けど、凄い楽しい(笑)
南峰にも北峰にも誰もいないんだもん。
北横岳ひとり占めで遊んでるんだもん(笑)
北峰からのぞむ蓼科山も夜から朝へ着替え中。
これもブレブレだけど好きな写真です。
こちらは南峰からの南八ヶ岳。明るくなってきました。
ご来光♪
朝日で雪がピンク色に染まります。
ピンク色からオレンジ色に変わります。
暖かそうな色してるけど、めっちゃ寒い。
でも刻々と変わる風景が楽しくて楽しくて、南峰と北峰を何往復したことか(笑)
南峰近くから見た北峰。
北峰近くから見た南峰。
真ん中あたり(笑)
そんでもって、嬉々として行ったり来たりしてる私を、こうして1時間近くじっと待ってくれてるダンナ。
寒すぎてアウターを脱ぐ余裕が無く、ダウンを上に重ねるというメチャクチャレイヤリング(笑)
いつもいつも感謝してますから。
風に飛ばされそうで、思わずピンキーとキラーズみたいなポーズの私(同年代ならわかるw)
写真じゃ烈風が全然分かんないのが悔しい(笑)
↓これならわかってもらえるかな。
ブォォォォーーーーーーーっ
ホントに半端じゃなかったです(汗)
で、ヒュッテに戻って、
朝ごは~ん♪
美味しい♪美味しい♪ おかわり山盛り(笑)
こちらはヒュッテの常連さんがつくったポスターだそう。モデルはもちろんヒュッテの主。
いい写真だわ~。
暖房も電気も限られた時間、水も使えず、普段の生活からしたら
不便極まりないけど、その不便さがかえって新鮮でもあり。
これが山小屋に泊まるということなんですよね。
気持ち良くいい経験をさせてもらいました。
朝食後ちょっと休憩して、宿泊の記念にヒュッテオリジナルのバンダナ(トップの写真)を買い、
チェックアウト。
庭のテーブルセットを整えるダンナ。「お世話になったから」と。
結構律儀なんです(笑)
昨日残っていた樹氷はすっかり消えてました。
坪庭も風が強い。
雪煙とシュカブラ(風紋)にみとれちゃいます。
まだ時間も早いし、このまま帰るのはもったいないということで、
ロープウエイ駅と反対方向の縞枯山荘の方へ。
青い三角屋根が可愛い縞枯山荘。
山荘は、この日お休みであることを事前の電話で確認済みでしたが、
雪山に映えるであろう山荘の風景を見たかったんです。
お揃いの青い屋根のお地蔵さんにご挨拶。
山荘の前にはスノーモービルがあり、お休みだけど人のいる気配。
ここなら建物が強風を遮ってくれるので、コーヒータイムにしようということになり、
ひと言小屋の近くでお店を広げることを断っておこうと、
「ごめんくださ~い」とドアを開けました。
途端、大柄な男性が目の前に立ち、
「だからアイゼンは外せって書いてあるだろう!!!!」
もの凄い剣幕で怒鳴られました。
それは身体が飛び上がるほどの、怒鳴るというより恫喝。
「え?」「あ、あ、すみません」
ワケが分からず反射的に謝るのみ。
凄い形相で睨み付けられ、「ったく」と捨て台詞で乱暴にドアは閉められました。
アイゼンは付けていましたが、外です。屋内でアイゼンがNGなのは百も承知です。
人工芝のマットにも足を乗せてません。
『アイゼンを装着しての施設内立ち入りは絶対に禁止します』
の立て札も読んでドアを開けました。
施設内とは屋内と解釈しましたが、立て札からは施設内だから外せということでしょうか?
もしそうであったとしても何故怒鳴りつける必要がありますか?
マナー違反の登山者が後を絶たず辟易していたところに
「またか」というタイミングだったからですか?
普通に社会で生活している人間同士が初対面で恫喝するようなこと、
されるようなことって、まず無いと思います。
山小屋だからそれが許されるのでしょうか。
あの時のことを思い出すと、脈が速くなります。
今こうして文字を打つ手は震えています。
それくらいショックな出来事でした。
ただ、山荘の名誉のために、、
件の男性は小屋の主ではないようですし、
事前に電話した時も、昨秋お茶した時もスタッフの方はとても感じよかったです。
そんなことがあったので、コーヒータイムはもちろん中止。
気持ちを落ち着けるためにロープウエイ駅でお茶しようとしたけど、
まだカフェは開いておらず、仕方ないので そのままロープウエイに乗車。
早い時間なので乗車しているのは私たち以外は係のおじさんだけ。
おじさんは短い時間の中で、北八ヶ岳の植生の話しから学生時代の登山の話しまで、
たくさんの興味深い話しを聞かせてくれました。
ありがとう。凍り付いていた心がちょっと温まりました。
北横岳は大好きなお山です。
ぜひ、また行かせてもらいます。