『モダンボーイ』
原題: 모던보이
監督: チョン・ジウ
出演: パク・ヘイル、キム・ヘス、キム・ナムギル
朝鮮総督府の一等書記官イ・へミョン(パクヘイル)と独立運動を率いる謎の女チョ・ナンシル(キム・ヘス)の恋物語・・・
なんか、似たようなプロットをどこかで見たような・・・
ドラマ 「京城スキャンダル」 をご覧になった方は、この恋の顛末がだいたい想像つくと思うのですが・・・
ドラマと比較するのは監督に申し訳ないのですが、ドラマはストーリー構成も面白くてインパクトがあったので、どうしても先入観のようなものがあって、比べてしまいたくなってしまうのです。
凝縮された時間で描く映画ならではのドラマティックな展開があるのかと期待したのですが、それほどでもなく、あれれという間に終わってしまった感じで、全体的に力強さがなくて、泣くこともできず・・・。
ドラマを見ていなければ、新鮮に映ったかもしれません。
へミョン(パク・ヘイル)のナンシル(キム・ヘス)に対する一目惚れから始まるこのお話。個人的にはどうもパク・ヘイルとキム・ヘスのカップルがしっくりきませんでした。この 2 人が互いに心惹かれあう、キュンとした切なさみたいなものが、あまり表に出てこないし、そういう路線じゃないのかもしれないのですが、やや消化不良・・・。
セリフが聞き取れないせいだと思うのですが、登場人物のキャラクターがあっさりしていて、しつこくなくていいのだけど、もう少し肉付けが欲しいなぁと思ったり・・・
パク・ヘイルの友人で総督府の日本人 シンスケ役を演じたのがキム・ナムギル。ドラマではよく韓国人が演じる日本人役の日本語がひどいことも多いので、映画ではそういうのは勘弁してもらいたいなぁと思っていましたが、キム・ナムギルの出番はそれほど多くないのですが、日本語も頑張っていて、表情がなかなか良かったです(笑)。
ちょっとネタバレですが、警察に捕まったへミョンを訊問することになるシンスケが、訊問する前にソファに体を投げ出し、何とも寂しげな表情をするのですが、そこが、この作品で一番印象に残ったシーンでした(別にファンじゃないですけど・・・)。
時代が時代なので、当然、対日色の濃いシーンやお決まりの拷問シーンもありますが、基本はメロ路線を貫き、妙なナショナリズムを煽るような描き方にはなっていないのが救いかもしれません。
背景 CG がスケッチ画のようで、私のような素人にまでわかってしまう、大作らしからぬ技術的な粗さもちょっと目につきました。
それにしても、今、韓国の映画館は 「歌」 流行り?
『あなたは遠い所で』 ではスエちゃんが歌い・・・
『モダンボーイ』 ではキム・へスが歌い・・・
『ゴーゴー70』 ではチョ・スンウが歌いまくり・・・
『マンマミーア!』 は大ヒットしてるし・・・