「銀河開放戦線」
原題: 은하해방전선 (2007 年 韓国)
監督: ユン・ソンホ
出演: イム・ジギュ、ソ・ヨンジュ、パク・ヒョックォン
( link to TIFF)
この作品は、コロコロと展開するストーリーが面白くて、あらすじを書けと言われてもちょっと無理かな・・・
一番のツボは、「소통(疎通)」 。このキーワードが出てくるたびに、大笑いしそうになったのだけど、場内は声をあげて笑っておらず。それでも、ワタシと、ワタシの左隣のガイジンさん、右隣の若い女性は、かなりウケていた。
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ユン・ソンホ監督 Q&A 概要メモ
2008/10/20 [TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen6]
「木村レイ」 という日本人俳優役が出てくるが、この役のモデルはいるのか。
モデルはいない。演じている役者は、間借りしている家の息子さん。アイドルっぽいけど、精神的にちょっとおかしくて、理性的・合理的に関係ないところで物事を解釈しようとするそういうキャラ。
タイトルの「銀河開放戦線」が戦隊モノっぽい意味は。
日本の黒沢清監督作品などが好き。素朴な内容なのに、タイトルが大げさだったりする。この作品で登場する主人公の彼女の名前ウナは「銀河」という意味。ウナとの失恋を乗り越えるのがテーマ。
劇中、PIFF の横断幕が出てくるが、TIFF、日本、東京を意識したのか?
日本に来たかった!(冗談です)。プサンで撮影したし、日本語も意識した。ただ特定の街を設定したくなかった。劇中、都市名が出てくる部分は、「ピー」(xxxx)っと音声をかぶせた。海の近くで開催された映画祭という設定にした。
日本を盛り込んだのは、自分が日本から影響を受けているから。アニメより、漫画をよく読んでいた。ここではわざと大げさに描いた。
音楽が魅力的だったが、何かこだわりがあるのか。
予算が 700 ~ 800 万しかなかったので、著作権使用料を払えるほどの余裕がなかった。そのため、使用料が不要な曲(マウリ族の音楽、イタリアのパルチザンとか)を選んで編曲してもらった。
監督のお母様やインディー系の監督さんがカメオで出演しているようだが、予算がなかったからか。その一方で、認知度の高い女優さんも出ているようだが。
予算があっても同じキャスティングだった。もっと予算があったら、キャスティングに使うのではなく、撮影回数を増やしたかった。ちなみに、出演スタッフにはちゃんと支払った。ただ、比較的認知度の高い女優さんであるキム・ボギョンさんとイ・ウンソンさんは、ギャラを受け取らなかった。
この作品で伝えたかったことは?
「疎通」 です(笑)。「コミュニケーション」 とか 「対話」 という言葉はよく使われるが陳腐に聞こえる。「見てくれる人と疎通をはかりたい」 などと言ったりする。実際にはとても複雑なことだと思う。あえて疎通できない状況を設定して、心を開くことの重要性を伝えたかった。
制作資金を集めるのに苦労したのか。韓国映画業界は大変な状況なのか。
自分自身、元々、映画学科でもないし、コマーシャルフィルムを撮ることを目指していたわけではなく、たまたま撮らないかと声をかけてもらったのでそんなに苦労しなかった。ただ、スターの出ていないプロットでは資金が集まらないという、そんな状況をコメディタッチで描いてみた。
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