Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

13th PIFF Selection III

2008-10-11 23:52:49 | K-Movie Notes





 From KOREAN CINEMA TODAY : VISION

푸른 강은 흘러라 (青い川は流れよ)/ Let the Blue River Run
監督: 강미자 / Mi-Ja KANG




中国吉林省の朝鮮民族自治州延辺の話。延辺自治州は、西南部に白頭山がそびえ、この山から豆満江が流れ、北朝鮮との国境に接している地区。この作品は、延辺の小説を元に映画化されたそうです。

タイトルになっている青い川はこの 「豆満江」 を指すようで、「푸른 강은 흘러라 (青い川は流れよ)」 は、日本で獄死した詩人ユン・ドンジュの詩の一節だそうです。この詩にある 「川の夢は海だ」 という一節も印象的でした。

ユン・ドンジュ自身も延辺出身でしたね。ユン・ドンジュの詩集も読んでみたいと思っています。


延辺に住む仲良しの17歳の少年と少女の多感な日々を、韓国へ出稼ぎ出ている少年の母親の話を絡めて淡々と綴った話。


上映後の Q&A で ・・・

「延辺に住む人たちの生活をそのまま表現したかったので、ドキュメンタリーのようだと言う人もいるけれど、自分からは何かメッセージをおしつけるのでなく、ただ感じて欲しい」 と監督は語っていました。

衝撃的なエンディングについての質問に対しても 「延辺の人々が直面している現実の厳しさ、リアリティを強調したかった」 そうで、それでも 「ハッピーエンドにするかしないかで悩み、エンディングは自分で判断した」 そうです。

作品中、色彩が象徴しているものは何かという質問については、「青は 「若さ」 を、「黄色」 は「孤独」を表した」 そうです。


・・・ という話を聞いたのですが、青い川が流れる先は海で、若い時には夢を抱いて、夢に向かって進めということなのかと、ぼんやり分かるようで、主題がよく分かりませんでした。

故意にドキュメンタリーと叙情詩の中間をとっているのかもしれませんが、少年と少女の関係も、母親の話も、青い川も、どれもすーっと繋がらなくて残念。




 From KOREAN CINEMA TODAY : VISION

약탈자들 (略奪者たち)/ The Pit and the Pendulum
監督: 손영성 / Young-Sung SOHN




個人的には、今回見た韓国映画の中ではこれが一番面白かったです。

原題が 「略奪者たち」 だと見た後で知り、英題の 「The Pit and the Pendulum」 が面白いなぁと思っていたのですが、全く意味が違うじゃない(笑)。

The Pit and the Pendulum は 「落穴と振子」 という意味で、エドガー・アラン・ポーの短編 「落穴と振子」 と同名です。何か意味があるのかなぁと思ったのですが、話は全く異なります。

Q&A で聞いてみたかったのですが、次のスケジュールが南浦洞だったので、Q&A をパスしなければならなかったため心残りです。

また、NEW CURRENTS で上映していたペク・スンビン監督 『장례식의 멤버 (葬禮式のメンバー)』 と比較して見たらもっと面白かったはずなのに、これもはずしてしまって大失態だわ~と、後悔。


同級生の死を悼み葬式に集まったクラスメートが、故人の生前の思い出話を始めると、「実はねぇ」 というような新事実が出てきて、またそれが別の話に飛躍したり、絡まったり・・・というような話。

それぞれが関わった話が、最後に一本筋が通るのかと思ったら、そうではなくて、話と話がどこかで交差しながら、また別の話とも交差していて、部屋から部屋に渡り歩くうちになかなか戻れなくなってしまう迷宮のような不思議な作品でした。

ちょっと訳のわからない話があったり、余計なところに力が入っているようにも思えましたが、全体的な展開のテンポも小気味良くて楽しめました。

最後になって、ええーっ、そうだったのか・・・と、きっとワタシがぼんやりしていたからだと思うのですが、すっかり騙されてしまってて(笑)、すぐに巻き戻したい気分でした。