Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『愛なんていらない』(韓国版DVD)

2007-06-07 23:08:04 | K-Movie Notes


(Image source: nkino)
『人生の路』に代わって韓流フェスで上映されることが決まった『愛なんていらない(사랑따윈 필요없어)』(2006年11月 監督:イ・チョラ)。
出演:キム・ジュヒョク、ムン・グニョン、イ・ギヨン、ト・ジウォン、チン・グ

これもDVD持ってるのに・・・
でも、映画館で見なくていいかも・・・
韓流的メロなストーリー、と言ってもこれは日本のドラマのリメイクだった。

愛なんかいらないと言っていた2人が、「サランハニカ・・・」「サランハンダ・・・」と愛に気づくという、タイトルを見ただけで内容がわかりそうなお話。ほんと、そのままだった。なんの裏切りも、どんでん返しもなく。そして、いつどこで「愛は必要」に変化したのかが不明・・・(笑)。

この作品、昨年PIFFの南浦洞で公開直前の大プロモを展開していて、大きな紙袋(40cm x 54cm)をもらった↓。PIFFでは、あちこちで映画プロモ用の紙袋を配っているので、これをもらうのも楽しみのひとつ。

     

それにしても、もったいないほどの役者が揃っている。

ドラマ「プラハの恋人」で堅物刑事だったキム・ジュヒョクがホスト役。ジュヒョクは、コチラの方がアリそうな設定(笑)。ジュヒョクファンだったら、クラブ通い間違いなし。

やっぱり妹キャラだけど、ムン・グニョンは憎めない。国民の妹を抜け出すことって可能なのかしら。

『卑劣な街』でも脇役でがんばっていたチン・グは、ここでは道化キャラ?だけど、ちゃんと存在感あり。

そして、イ・ギヨン。この人が出てくるとちょっとゾクゾクしちゃう。こういう役者さんがいるとピシっとしまるのよね~『甘い人生』の時も、目が血走ってたけど、ここでも血走ってて・・・

役者も揃っているし、複雑なストーリーとか苦手でリラックスして鑑賞したいという方には、いい作品かも。


『かわいい』(韓国版DVD)

2007-06-07 00:06:04 | J.J.Y. Filmography


(Image source: nkino)

放置していたDVDのひとつ『かわいい(귀여워)』(2004年 監督:キム・スヒョン)
出演:チャン・ソヌ、キム・ソックン、チョン・ジェヨン、イェ・ジウォン

あちこち検索をかけたけれど、この作品に関しては、2005年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に招待された際のレポートぐらいで、日本語で書かれたレビューとか感想というのがほとんどなく・・・問題作だったから、誰も見ていない?(笑)。

公開当時のCINE21のレビュー( link to)はかなり良くて、チョン・ジェヨンの演技なぞは「これまでで最高の演技」と絶賛されている。確かに難解(というべきか?)な作品の中で、明快なキャラをカッチリ押し出しているところはさっすがぁー(これはファンの欲目)。でも、ジェヨンに限らず出演者の皆さんは、オフビートでシュールなツボもしっかり押さえていたように思う。

それよりもこの作品全体に流れる異様な(笑)空気というか、テーマというか・・・
とにかくこの作品の印象は、「シュールな無国籍映画?」だったので、当時の韓国でのレビューなどを読むと、喧々諤々だったことがわかり、やっぱりねと思った。映画の途中で席を立って帰る観客も多かったとか。

だってシュールな上に、扇情的だし、オフビートで流しているけれど、その辺を笑いとばせないと腹立たしいだけだ。その上、価値観とか倫理観が、歪んでいるのか、純粋なのか、混沌としている。
この家族が住む家自体、「混沌とした無国籍な」心象そのものを表しているように思える。

3人の腹違いの息子とムーダンの父(チャン・ソヌ)が、ある日次男が拾ってきた女性スニ(イェ・ジウォン)をめぐって繰り広げる話。父親も、長男(キム・ソックン)、次男(ソヌ)、三男(チョン・ジェヨン)もスニに何かしらを求めるのだけど、男と女にはなりきれず。純粋なのかバカなのかわからないスニの言動に振り回される。男たちが求めるものを知りながら、スニの反応はいつもいたって冷静・・・

お父さん役のチャン・ソヌ。この方、以前少し触れたけれど、『品行ゼロ』のチョ・グンシク監督の師匠でもあり、特に性の問題を世間に投げかける社会派・問題作を提供した監督で、この作品ではやっぱり弟子のキム監督に無理やり引っ張り出されて、演者として出演。

さて、三男役のジェヨン。冒頭いきなり、パンツ一丁でポンポコお腹丸出しで出てこられると、こちらはどこに目をやればよいのか(汗) なんだか、マンテク(『私の結婚遠征記』)とは別の意味でちっーともカッコよくないところがね ローカルなヤクザ役なのだけど、ソファに座ってバナナを食べている姿がキヨウォ。

「少年性」、「オトナになれないオトナ」、「家父長制度に対するカウンターイデオロギー」など男と女のあらゆる視点やら、キーワードでこの作品を紐解く clue はいろいろあるのだけど。結局、女1人をめぐる男たちには妄想の世界しかなくて哀れな気もするし、女は単に男たちの癒し的存在でしかない。男と女のリアリティがほとんど感じられない。

そして「かわいい」のは女でなくて、どうも男たちらしいというのは分かるようで、だんだん朦朧として分からなくなる(笑)。

ラストで、ジェヨンがひとり体当たり&頭つきで、古いアパートをなぎ倒して崩壊させるシーンがあり、「そんなバカなっ」て設定でもそれは理解できるのだけど、ガラガラガラと崩れたあとに残ったのは、女の笑顔だけって・・・うーん、それはよくわからない(笑)。
私の脳みそもドロドロと崩壊していくようで・・・