Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『パク・ボンゴン家出事件』(DVD)

2006-11-28 07:42:34 | J.J.Y. Filmography

(Image source:nkino)
『パク・ボンゴン家出事件』(1996年 監督:キム・テギュン)。パク・ボンゴンという主婦(シム・ヘジン)が、夫ヒジェ(ヨ・ギュンドン)と上手くいかず突然家出をして、子供の頃からの夢である歌手になる。夫は、「家出人捜索専門家」ミスターX(アン・ソンギ)に捜査依頼を出す。この3人が繰り広げるコメディ劇。

さて、パク・ボンゴン役のシム・ヘジンssi、この方、ドラマ『宮』のユル君のオンマ。10年前のユル君ママは、今とあまり変わってなくエレガントな女優さん。そして、この作品で必見の場面のひとつは、探偵X役のアン・ソンギssi の歌が聴けることかな(笑)。というより、アン・ソンギssi のコメディって、私は初めて観るような気がする。彼の膨大なフィルモグラフィーからすると、私が観た作品はごくわずかなのだけど・・・

このストーリーは、実はなかなか凝っている。幾重にもいろんな話が重なっている。ロシアのマトリョーシカのように話の中に話があって、さらにまた話があってというように。家出したパク・ボンゴンの息子が語る話から始まり、パク・ボンゴンの日記、探偵Xの昔の話、パク・ボンゴンの夫の話と・・・。せっかくの面白い構図のはずが、交通整理がうまくなくて、どうもスッキリしないところがもったいないのだけど。監督のキム・テギュンは、『オオカミの誘惑』を後に撮る人。また、
過去の韓国映画のパロディが組み込まれているそうだけど、これ以前の作品を見てないから、それはさっぱりわからなかった

そして、この作品に端役で出演しているというチョン・ジェヨンssi を私は果たして見つけることができるのか、ちょっと不安だった。某巨大K-Movieデータベースサイトでも、役名が「愚連隊」って・・・一体どこに出てくるんだか・・・
と言いながら、ふふふ、いたいた
パク・ボンゴンにちょっかいを出すゴロツキ兄ちゃん。『ガン&トークス』のジェヨン役をもっと不良仕立てにした感じだったので、意外にもすぐにわかったけど、セリフもちょこっとだけ、出演時間は数10秒かな・・・ジェヨンssi の下積み時代を垣間見る。

大学卒業後、大学路の演劇舞台ではそれなりに認められていたけど、忠武路で彼を呼ぶものはいなかったそうだ。当時、「役者同士では、絶対に顔を批評しません。だけど当時、みんなが口を揃えてこう言うんです。顔が平凡すぎると。顔が良くないのなら、とても強そうに見えるか、最低でもタフに見えなくてはならないのに、お前にはそれがない。」と言われた。それが、現在では、「イメージが強すぎると、イメージがなかなか変えられない。平凡な顔だから、あんな役もこんな役もいろいろできるんだ」と周囲の言うこともガラっと変わってきたとか(朝鮮日報2005/11/04)。うむむ、顔がすべてじゃありませんことよ・・・

ハングル文字の洪水のエンドロールを、ジェヨンssi (チョン・ジヒョン)
のクレジットを確認するために必至に観たのは初めてだわ・・・こんな小さな発見ですっかり舞い上がる自分がおかしかった・・・
 


『SPY リー・チョルジン』(DVD)

2006-11-18 23:51:53 | J.J.Y. Filmography


(Image source: nkino)
ようやく観ることができた『SPY リー・チョルジン』(1999年 監督:チャン・ジン)。『拍手する時に去れ』を観に行ったときに、田代親世さんがチャン・ジン作品について語ったときに、この作品をおすすめ作品としてあげていたので、ずっと気になっていたのだけど・・・

いやー、面白かった・・・ 深夜にくっくっくと笑いながら観るには最高の作品なんだけど、実は面白いだけのオチではない。北朝鮮のスパイを主人公にしたシリアスなテーマを、よくここまでコメディタッチで書き込んだなぁというほど、脚本がイイ。さすが、チャン・ジン監督。この作品のジャンルは、ヒューマンコメディなのだそうだけど、そんな一言でくくれないほど、面白くて、切実で、ホロリ と泣けたりする。

食糧難にあえぐ北朝鮮の民を救うために、スーパー豚の遺伝子サンプルを手に入れるため、リー・チョルジン(ユ・オソン)は韓国へ送り込まれる。初めての韓国の地で、タクシーに乗ると、相乗りでおかしな4人組の男達が乗り込んでくる。チョルジンは、途中タクシーに酔ったあげく、大事に抱えていたスパイ用グッズの入った鞄をその4人組に奪われるところから話は始まる・・・

チョルジン役のユ・オソンssiは、『彼らだけの世界』と『チング』しか観ていないのだけど、クールでちょっと怖いヤクザ系の感じしかなく、この人の笑顔をほんと初めて観た。えー、この人、笑うんだ・・・ぐらいの衝撃があった。

このスパイ、リー・チョルジンをとりまく人々がこれまた可笑しい。というより、よくこれだけ個性派俳優をそろえたなぁと驚く。これだけ揃っていても、キャラクター設定がしっかりしているせいか、個性がぶつかり合ってケンカしたり、浮いたり、勿体ない使い方をしていない。それぞれがちゃんと活き活きしているところも驚き・・

タクシーの相乗り4人組の中に、チョン・ジェヨンssi がいるのだけど、この頃はまだ芸名がチョン・ジヒョンだった頃。ジェヨンssi のほかの4人組仲間は、イム・ウォニssi、イ・ムンシクssi、チョン・ギョスssi と、韓国映画を観ると必ずみかける人々だ。この4人組のアホさ加減がツボ

チョルジンの世話をする同胞スパイの家族もTVドラマなどでもおなじみで、これまた豪華。父親オ・先生役はパク・イナンssi、長女ファイ役パク・チニssi、長男ウヨル役シン・ハギュンssi。この家族とチョルジンのかかわり方は、情感があふれてて切なくもあり、とくにチョルジンとファイの「運命の貸し借り」という可愛いらしい場面もあったりする。

チャン・ジン作品は、空間の移動や見せ方が独特で、舞台を四方八方から見るような感じが楽しい。笑わせてもらいながらも、『拍手する・・・』同様、エンディングが実に切ない・・・。あー、やっぱりチャン・ジン作品だわーと実感する瞬間だ。


『ガン&トークス』(DVD)

2006-11-16 22:33:14 | J.J.Y. Filmography

(Image source: nkino)
2年以上前に見たこの作品、懐かしーい。邦題がまだ『キラー達のおしゃべり(킬러들의 수다)』で通っていて、『ガン&トークス』(2001年 監督:チャンジン)になったばかりの頃。「この映画、面白いよねー」とチングと語り合ったのもいやはやもう2年以上も前のことなのか・・・

しかし、当時、ジェヨンssi はノーチェック・・・ ウォン・ビンssi が若くてキャワイイとか言ってたような気がする。4人の中で知らなかったのはこのジェヨンssi だけだ。シン・ヒョンジュンssi は、すでに放送されていた『天国の階段』で見ていたし、シン・ハギュンssi は名前はあやふやだけど『JSA』に出てた人という認識。でもって、4人の中で最もイケメンな殺し屋で、俳優の田辺誠一風だと思ったのがジェヨンssi だったわけだ。なのに、ろくに名前もチェックせず、私の中では「第4の男」と定義されていた。

今夏に『拍手する時に去れ』を見て以来、チャン・ジン監督がらみの記事を読み漁る中で、この「第4の男」の正体がわかった瞬間、「ええーーっ」、そうだったのかと。ずいぶん前に出会ってたのにね・・・私の目は一体どこを見ていたのだろう・・・

でもって、今回見直したら、面白い発見あり・・・4人のキラーたちを追い詰めるあの刑事は、『王の男』の燕山王チョン・ジニョン ssi じゃない。いやいや、今になってわかるのだけど、この作品のキャスティングはなかなかのもの。リュ・スンボムssi もカメオ出演しているらしいが、わからなかった。チャン・ジン監督は見っけ・・・

この作品で一番好きな場面は、ジョンウン(シン・ハギュン)が殺すはずの相手に惚れてしまい殺せなくなりサンヨン(シン・ヒョンジュン)とケンカするところで、ハヨン(ウォン・ビン)の「愛の語り」を聞かせる場面。ハヨンの「愛の語り」に感激して、背を向け壁にもたれかかって泣いている? ・・・「いやいや、絶対笑いをこらえてるでしょ」・・・声を殺して泣き笑いするジェヨン(チョン・ジェヨン)・・・ここが激ツボ ・・・何度もリピートしちゃったよーー

よくよく見ると、仕込み満載で、めちゃくちゃ面白い。ハヨンのナレーションと、わけのわからない殺し屋4人組の「おしゃべり」の絡み方がまた面白い。この suda (수다) 的世界に一度足を踏み入れると、抜け出せない・・・


『シルミド/SILMIDO』(DVD)

2006-11-16 00:24:27 | J.J.Y. Filmography

(Image source: nkino)
この blog の開始前に見た作品の中に、ジェヨンssi が出演している作品があるので、見直してみることに・・・ まず、『シルミド』(2003年 監督:カン・ウソク)。

1年半以上前に見たこの作品。衝撃的な内容だったため、どんな俳優が出演していたかなんてあまり気にも留めていなかったし、この作品を見た当時は、ソル・ギョングssi とホ・ジュノssi ぐらいしか知らなかったけれど、本当にいろいろな人が出演している。オム・テオンssi 、イム・ウォニssi などは今になってわかる。このキャスティングはすごいなー

さて、ガラの悪い精鋭部隊でも、ひときわ「やんちゃ坊主」という印象だった兵士ハン・サンピルが、ジェヨンssi だったのね・・・『Guns & Talks』、『小さな恋のステップ』、『トンマッコル・・・』とはがらりとイメージが異なる。ワルガキがそのまま無鉄砲なオトナになって、悪事をはたらき、死刑囚となったがシルミド部隊に送り込まれたという役どころ。その男がそれまで歩んできた人生がにじみでてくるような完璧な演技。さすが。ジェヨンssi のみならず、ここに出演している俳優たちの演技はみな完璧に近い。作品の流れからはずれている人や、そぐわない人がひとりもいない。

一度死ぬ運命にあった人間に生かされるチャンスが来たときの心理とはどんな状態なのだろうか。この作品では、生かされることによって、肉体的な極限状態に置かれても耐えうることができるという設定だが、兵士の揺れ動く繊細な心理状態も、うまく表現されている。ジェヨンssi いわく、演じた役の兵士サンピルは愛に弱い男と評している。『シルミド』で愛を語る場面はもちろんないけど、そういう男を演じたそうだ。これは、友情、人情、愛情、すべての「情」に通ずるものだ。
 
アン・ソンギssi 演じるキム准尉が自害してしまう場面があるがこれも衝撃的。冷徹で任務の遂行に私情は挟まないと言い切りながらも、ギリギリで「情」を断ち切ることのできない究極の選択だから。

映画の内容は必ずしも真実ではないと前置きがあるので、内容にコメントすることはないけれど、ただ、時の権力者によっていたずらに人の命が落とされることに腹立たしさ  を覚える。

*J.J.Y. FES =チョン・ジェヨン フェスティバルです・・・ここのオリジナル企画よ(爆
↑わざわざFESにしなくても、結局いつも祭りになってしまうので・・・やめましたこの企画(2007/01/01)


『トンマッコルへようこそ』

2006-11-13 00:48:36 | J.J.Y. Filmography


(Image source: nkino)
ご覧になった方々が口を揃えて、ヨカッタ、泣いた、とおっしゃるので、「そりゃー、チャン・ジンssi の脚本だもん、当ったり前よー」ぐらいの、なぜか鼻高々の勢いで(自称チャン・ジンの回し者なので)、あちこちの記事を眺めつつ、自分の記事も、もちろんチャン・ジン監督絶賛  記事になると思ってたのだけどね・・・

へへへ・・・堕ちました・・・誰にって、ハギュじゃないよ。これもなぜか皆さん一様に、ハギュがヨカッタとおっしゃるのだけど、ハギュは他にお任せして・・・今回、私の心を捉えたのは、最初から最後までチョン・ジェヨンssi。夫が村を出て9年間戻ってこないと嘆いていたあの村女がジェヨンssi を見つめる目と同じ眼差しで、釘付け状態。はっ、と気づいたら、ジェヨンssi しか観てなかったというか、目に入らなかったので、他の人がどんな演技だったのか正直あまりよく覚えていない。

『Guns & Talks』でも『小さな恋のステップ』でも、もちろんステキなんだけどね、トンマッコルの世界にはなくてはならない存在。リ・スファ(チョン・ジェヨン)は、強靭な精神力と優しさが共存していて、あの村女でなくともすがりたくなる・・・自ら指揮官の器ではないというセリフがあるけれど、実際にこの物語をひっぱっていくのはこの人だ

この作品におけるシンボリックな存在は、カン・ヘジョンssi と「ス・ミス」だと思う。カン・ヘジョンssi はトンマッコル村そのもののシンボル、妖精のような存在。彼女は、全身から何かが満ち溢れてくるような演技するから凄い。彼女は確実に作品ごとに違う顔を見せている。

そして、「ス・ミス」に、「That's life(これぞ人生)」 と言わせ、最後に涙を流させたのは、かなり意図的に反米要素を排除しているようにみえる。ユートピアには国境はないということか。

さて、この監督パク・クァンヒョンはこの作品が初メガホン。イケメン 監督なのよね。「『もののけ姫』の影響を受けています」ってハッキリ言っているところがいい。あのイノシシが出てこなかったら、そしてイノシシバーベキューがなかったら、みんな心を開くことはなかったに違いない。焼肉って偉大・・・

リ・スファが
村長に「どのようにしたら、このように穏やかに村を統制できるのか」とたずねる場面がある。さぞかし、仙人のような名言が飛び出るのかと思ったら、答えはあっさり、「たくさん食べさせること」。人心を掌握するには、まず「食す」ということなのか。このあたりも笑える一方でいて核心をついているところが、いかにもチャン・ジンssi らしい。

風景はファンタジックな仕上がりで観ていて美しい。たまにファンタジックすぎて、チャン・ジンssi の脚本の面白さとカブったり、競ったりしてて、面白さのインパクトがいまひとつで、もったいないな・・・どしてココ笑わないの? っていうところが続出だったほど、観客が静かだったのだけど、これは寓話的世界に入り込んでいたせいだと思う。

チャン・ジンssi がこの作品のメガホンをとっていたらどんな映像だったろうか? 空間の使い方、見せ方が面白くて、観客をうまく空間移動させる。そんなことを想像するのもまた楽しい。

ちなみにハギュ主演『天国からの手紙(原題:火星に行った男)』の脚本もチャン・ジンなのだけど、へっ、チャン・ジンだったの??? とあとから疑ったほど、チャン・ジン色が薄いような気がした。監督(キム・ジョングォン)が悪いのか、脚本(チャン・ジン)が悪いのか、主人公(シン・ハギュン)が悪いのか、ヒロイン(キム・ヒソン)が悪いのか・・・個人的にはヒロインがいただけなかった。どうもキム・ヒソンssi とは相性が悪いらしい私・・・『天国から・・・』もチャン・ジンssi が撮っていたら、また違っていたのに・・・

ともあれ、ジェヨンssi に堕ちてすぐに呼ばれたような気がする。シネマート新宿オープニング記念Week では、ジェヨンssi の出演作品が2本も上映される・・・もちろん駆けつけますわよ・・・

 


DVD鑑賞 『小さな恋のステップ』

2006-09-16 23:50:13 | J.J.Y. Filmography

最近とりつかれたようにひたすらK-Movieに走っているけど、良い作品に当たると、小躍りしてしまいたくなるぐらい嬉しくなってしまう。

この『小さな恋のステップ』(2004年)は、『拍手する時に去れ』のチャン・ジン監督の作品。『拍手・・・』ですっかりこの監督びいきになった私としては、もう無条件でお勧めしたいところだけど、ええ、個人的にはかなりお勧め品

チャン・ジン監督の作品にはほとんど出演しているチョン・ジェヨンssi がいいのよね。劇団出身俳優ならではの、ちょっと濃いめの演技が、
妙に「美味しい」のよね。彼とイ・ナヨンssiがずっとでずっぱりなのだけど、このコンビ、まったく噛みあわないところがまたこれ、いいのよね。わざとやってるのか、天然なのか読めないけどね

最初はね、余命3ヶ月の宣告を受けるところから始まって、おや、どこかできいた事のあるストーリー。来年はもうないとか言ってるし・・・。出たよ!さすが韓流エンターテインメントには不可欠のエレメント、「病気」。宣告を受けても、感情を押し殺したチョン・ジェヨンssi の演技が胸に迫ってくると思ってたら
・・・ええ、確かに「病気」なのだけど・・・これ以上は言えない。そして、ちょっとウルっと泣かされるのだけど、こんな風に泣かされるとは想像だにしなかったなぁ。

劇中劇の映画などがあって、伏線があちこちに張り巡らされた凝ったつくりで、『拍手・・・』の時同様、自分の貧相な発想では展開が読めないし、思い切り裏切られるところがこの監督作品の面白いところ

邦題『小さな恋のステップ』って、誰が考えたのだか、『小さな恋の物語』みたいで、いかにもマーケティングの意向で作られたようなタイトル。原題は、『아는 여자(知り合いの女)』。英題は、『Someone Special』。この3つのタイトルに共通するものがないよ(爆)。もちろん原題がこの作品を最も端的に表しているのだけど、それは見ないと分からないからタイトルとしてはインパクトに欠けると判断されたのかしらね。 


シネマコリア 2006 『拍手する時に去れ』

2006-08-19 16:01:13 | J.J.Y. Filmography

(Image source: nkino)
観たかった映画『拍手する時に去れ』(2005年 監督:チャン・ジン)をシネマコリア 2006 で上映するというので、早速出かけた。プログラムには当初なかったが、上映後に田代親世さんのトークショーでは、チャン・ジン監督と交流がある田代さんの裏話や映画の話が聞けて面白かった!

いや、もう、めちゃくちゃ面白かった。最近観た韓国映画の中では、ぶっちぎり No.1 。こういう作品が配給されないのは残念だけど、こういう作品に出会えると、小躍り  してしまいたくなるほど嬉しくなってしまう。だから、やっぱり K-Movie プチフリークはやめられない。

物語は、ホテルで女性の刺殺死体が発見されるところから始まる。ところが、すぐに容疑者(シン・ハギュン)が逮捕され、殺人事件捜査TV番組と連動して、チェ検事(チャ・スンウォン)を中心に捜査が進められる。

チャン・ジン監督に関しては、『ガン&トークス』の監督ぐらいの予備知識しかなかったけど、韓国では才人と呼ばれて評価が高いそうだ。

『拍手する時に去れ』の作品のオリジナルは、演劇作品でそれを映画化したものだそうだ。手がけたのは、もちろんチャン・ジン監督。ちなみに、演劇版では、主人公の検事役はチェ・ミンシク、容疑者役がチョン・ジェヨン、ホテルのベルボーイ役がシン・ハギュン。チョン・ジェヨンは映画でも特別出演している。チャン・ジン監督は、『ウェルカム・トゥ・トンマッコル』の原作&脚本を書いている。こちらも演劇が先だったそうだが、なぜか映画のメガホンは取らなかったところが、この監督らしいとか。

確かに物語は、「尋問」「証言」「伝説」「魚」などとタイトル付きで一幕ずつ話が進んでいく感じなので、演劇が原作だったということが頷ける。

ストーリーは単なるミステリー劇ではなく、コメディ的は色合いも濃く、笑える場面も多い。田代さんの解説にもあったが、チョン・ジン監督の特徴は、さまざまな人物視点&カメラ視点から撮ることなので、ひとつひとつのシーンに深みがあり、次のシーンへ紡いでいくようなそんな感じがした

シン・ハギュン目当てで見に行ったようなものだけど、登場人物が多いのにキャラ設定がしっかりしているせいか、演技者たちはみなよかった。人物同士のかかわり方も無理がなく、盆(回転舞台)を観ているようで淀みもない。

最後の最後で真実がわかるのだけど、真実に気づいたチャ・スンウォンssi のあの切なげな表情
にすっかり堕ちそうになった・・・