報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

停戦ラインの村(2)

2006年03月06日 16時27分59秒 | ●パキスタン地震
カシミール紛争の境界線に位置するカタ・チュグリ村では、
ほんの2003年まで頻繁にインド側からの砲撃や銃撃に晒されてきた。
ニュースに乗るような衝突ではなく、まるで定例のような攻撃である。

地震以降、停戦ラインは文字通り停戦が実行されることとなった。
停戦ラインの飛行禁止も解かれ、救援物資を運ぶヘリコプターが連日何往復も飛行している。
インド側へ救援物資を運ぶ橋も再建された。

ジェーラム川をへだてた対岸はインド。
川向こうの、すぐ目の前に多くの家屋が見える。
「ほら、インド人が歩いてるよ」
と、同行のサディク氏が冗談を言う。
歩いているのは、彼らの同胞であり、あるいは親戚でさえあったりする。

背後の山はインド支配地域。そこから村に向けて砲撃や銃撃が行われてきた。

シェル・プルーフ(避難壕)。
砲撃がはじまるとこうした壕に避難していた。










































幹線道路からは、川の対岸にインド支配地域の家屋が見える。
本来、同じカシミール人の隣村にすぎない。いまは、近くて遠い村だ。














画面右下に見える橋は、インド側に救援物資を運ぶために再建された。










雪山の向こうはスリナガルにつながる。




※3月3日帰国いたしました。
 しばらく雑事に追われそうです。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おかえりなさい!! (Yegy)
2006-03-06 22:35:14
たいへんお疲れさまでした。

3/2のブログも含めて、やはりleonloboさんの写真はすばらしいとつくづく感じました。

そして、leonloboさんの言うように、パキスタンの援助の状況は、スマトラに比べとても遅れているのですね。

それから、スマトラといいパキスタンといい、紛争地を狙って天災が訪れたかのように感じてしまいます。
返信する
Yegyさんへ (中司)
2006-03-08 00:39:09
カシミールの複雑な政治状況が救援援助活動にも影響しています。カシミールの人々が歓迎していない海外の団体なども援助活動を行っているようです。援助さえしてもらえば、何でもよいとは彼らは思っていないようです。



そうした海外の団体が今後カシミールで勢力を拡大し、社会的な影響力、発言力が増すことなどに危機感を抱いています。
返信する