パキスタン北部地震での公式死者数は7万3276人(11月2日時点、パキスタン政府発表)。
また、世界銀行などの調査では8万7350人。
負傷者は10万人。
被災者は300万人。
ただ、パキスタン北部地震は、こうした数字で見る以上に深刻な被害をもたらしている。被害は標高3000メートルを越える高地に集中している。道路は寸断され、まともに通行できない。ヘリコプターでしかアプローチできないため、救助や救援は困難を極めている。治療を受けらないまま耐えている負傷者も多い。食料や物資の輸送もいまだ十分とは言えない。そして、これから厳しい冬をむかえなければならない。日々、二次災害が進行していると言える。
インドネシア沖地震による津波では、道路は影響を受けなかった。また、津波の物理的な被害は、最大でも海岸線から300メートルほどだった。道路も残り、被害の面積も小さかった。被災後の救助・救援は非常に円滑かつ迅速に進んだ。
被害の状態を考えれば、パキスタン北部地震は、より多くの援助が必要だと国連機関は訴えているが、実際は、国際社会はインドネシア沖地震のときよりもはるかに消極的だ。
未曾有の災害に際して、国際社会がとる救援や支援・援助というのは、その被害の規模で決まるのではないことが、よくわかった。結局、国際社会における地位によってすべては決まるということだ。他国にとって重要な国は、手厚い援助を受けられ、そうでない国は、見捨てられる。そういうことだ。
インドネシアは、アメリカをはじめ日本、オーストラリアと30年以上にわたって良好な関係にある。インドネシアな広大な国土を有し、豊富な天然資源も存在する。地政学的な重要度は特に高い。マラッカ海峡は海運ルートの要衝だ。タンカーや貨物船だけでなく、米軍の艦船や潜水艦も航行する。イラク戦争で米軍艦船の支援にむかった自衛隊の艦船も当然マラッカ海峡を通行した。
マラッカ海峡は、経済的にも軍事的にも非常に重要な海の通路である。もし、インドネシアがマラッカ海峡を封鎖すれば、多くの国が影響を受けることになる。アメリカや日本、オーストラリアが腐敗した独裁者スハルトを支援し続けたのは、このためだ。もちろん、スハルト後も、インドネシアの重要度は変わらない。
では、パキスタンはと言えば、核開発に象徴されるように、国際的な協調よりも、独自路線を堅持してきた。反米的な姿勢も強かった。また、インドとは長年カシミールをめぐる争いを展開している。地政学的にも、先進国にとって重要とは言えない。アフガニスタン戦争・イラク戦争に際して、ついにアメリカに協調する姿勢をとるようにはなったが、国民の反米感情は以前にも増して強くなっている。
歴史的、地政学的にみて、インドネシアとパキスタンは、国際社会での位置や重要度が歴然と違っている。災害に際しての、国際社会のとる援助・支援の差は、ここに由来していると言っていいだろう。未曾有の災害に際して、国家間の援助に頼っている以上、常にこのような現象がおこる。本来、国連のような機関が資金をプールしておくなどの備えが必要なのではないだろうか。それが国際機関としての役目ではないのか。
特定の地域や国だけが、天災に際して冷遇されるなどあっていいわけがない。
天災を利用した制裁のように思えてしまう。
また、世界銀行などの調査では8万7350人。
負傷者は10万人。
被災者は300万人。
ただ、パキスタン北部地震は、こうした数字で見る以上に深刻な被害をもたらしている。被害は標高3000メートルを越える高地に集中している。道路は寸断され、まともに通行できない。ヘリコプターでしかアプローチできないため、救助や救援は困難を極めている。治療を受けらないまま耐えている負傷者も多い。食料や物資の輸送もいまだ十分とは言えない。そして、これから厳しい冬をむかえなければならない。日々、二次災害が進行していると言える。
インドネシア沖地震による津波では、道路は影響を受けなかった。また、津波の物理的な被害は、最大でも海岸線から300メートルほどだった。道路も残り、被害の面積も小さかった。被災後の救助・救援は非常に円滑かつ迅速に進んだ。
被害の状態を考えれば、パキスタン北部地震は、より多くの援助が必要だと国連機関は訴えているが、実際は、国際社会はインドネシア沖地震のときよりもはるかに消極的だ。
未曾有の災害に際して、国際社会がとる救援や支援・援助というのは、その被害の規模で決まるのではないことが、よくわかった。結局、国際社会における地位によってすべては決まるということだ。他国にとって重要な国は、手厚い援助を受けられ、そうでない国は、見捨てられる。そういうことだ。
インドネシアは、アメリカをはじめ日本、オーストラリアと30年以上にわたって良好な関係にある。インドネシアな広大な国土を有し、豊富な天然資源も存在する。地政学的な重要度は特に高い。マラッカ海峡は海運ルートの要衝だ。タンカーや貨物船だけでなく、米軍の艦船や潜水艦も航行する。イラク戦争で米軍艦船の支援にむかった自衛隊の艦船も当然マラッカ海峡を通行した。
マラッカ海峡は、経済的にも軍事的にも非常に重要な海の通路である。もし、インドネシアがマラッカ海峡を封鎖すれば、多くの国が影響を受けることになる。アメリカや日本、オーストラリアが腐敗した独裁者スハルトを支援し続けたのは、このためだ。もちろん、スハルト後も、インドネシアの重要度は変わらない。
では、パキスタンはと言えば、核開発に象徴されるように、国際的な協調よりも、独自路線を堅持してきた。反米的な姿勢も強かった。また、インドとは長年カシミールをめぐる争いを展開している。地政学的にも、先進国にとって重要とは言えない。アフガニスタン戦争・イラク戦争に際して、ついにアメリカに協調する姿勢をとるようにはなったが、国民の反米感情は以前にも増して強くなっている。
歴史的、地政学的にみて、インドネシアとパキスタンは、国際社会での位置や重要度が歴然と違っている。災害に際しての、国際社会のとる援助・支援の差は、ここに由来していると言っていいだろう。未曾有の災害に際して、国家間の援助に頼っている以上、常にこのような現象がおこる。本来、国連のような機関が資金をプールしておくなどの備えが必要なのではないだろうか。それが国際機関としての役目ではないのか。
特定の地域や国だけが、天災に際して冷遇されるなどあっていいわけがない。
天災を利用した制裁のように思えてしまう。
ブログ拝見しました。
パキスタン被災地へ毛布を送ろうということですが、一からはじめるとなると、準備に相当な時間がかかるのではないかと思います。様々な事務手続きなどがあるはずですし。すでに、実績のある団体などに実務的な面について、問い合わせてみるのもいいのではないかと思います。
ブログ読ませていただきました。
本当に、共感できます。僕も、日に日にパキスタン地震の被災者が国際社会から取り残されていくのが気になってなりません。
僕は、自分なりにこういう活動をしています。
http://ameblo.jp/blanket/
お互い、同じ気持ちを持っていると思います。
情報交換していけたらいいですね!
ブログ存じておりました。
募金、たくさん集まりましたようで、よかったです。
いろいろご苦労があったと思います。
本当にご苦労様でした。
現地は、これからまだまだ困難が続いていきます。
気の休まる暇がないと思いますが、お体を大切にしてください。
パキスタン地震募金、というブログ管理人で今回の被災者支援を個人ではじめたナディヤと言います。
ある方からのご紹介でこの記事を知りました。
リンクフリーとありましたので、私のブログでご紹介させていただきました。
事後報告ですみません。
こういった内容をきちんと記事にしていただいてとても嬉しいです。
その他の記事も順に読ませていただきます。
インドネシア沖地震の場合は、非常に様々な要素が絡み合って注目度を増したと思います。犠牲者の総数も、被災した範囲も有史以来とも言うべきものでした。世界有数の観光地も被災し、大勢の欧米人が犠牲になりました。「Tsunami」という現象をはじめて世界が知りました。メディアにとって、ニュース性が高かったことは事実です。
ただ、アメリカという国は利益にならないことは絶対にしません。京都議定書には断固としてサインしない。地雷廃絶条約も批准しない。そういう国がインドネシア沖地震のときに、「人道上」から率先して声を上げることはないと思うのです。
アメリカとインドネシアの軍事的・経済的協力関係を考えると、これは、災害援助ではなく、形を変えた軍事援助・経済援助を与えたのではないのかと思えます。他国のカネを使って。
かたや、核を保有するパキスタンへの援助に消極的なのは、同じように、行き届いた援助は、結局軍事援助になってしまうということからではないかと思います。援助金というのは結局ザルになりますから。
ですから、独立した災害専門の国際機関を設立し、災害救助、復興援助を一貫して管理運営すれば、そうした危惧がなくなります。あらゆる被災者が同等に救われます。いまは、ユニセフやWFP、IOMなどが個々ばらばらに活動しているだけです。
ただ、実現性のない理想論ですが。
それは時として援助活動を妨げますし、場合によっては活動を停止する原因となります。
問題というのはのっぴきならない自然の猛威といった理由もありますし、地元住民の生活習慣や立地状況からくるものもあり、単に「援助」という美しい響きの言葉からは思いもよらないような大きな壁が存在します。
これが例の津波の件とは違って、援助活動を難しくしていることは明らかです。
ただ、世界中の関心が薄れていくスピードが早いということは、上記の理由からくるものではありません。
これは明らかにニュース性が無くなった、という理由によるものだと思われます。
中司さんがこのブログでたびたび仰られるように、ニュースはいわゆる商品であります。
売れない商品は出さない。パキスタンの地震は、あまり売り物にならなかったのでしょう。
現地では、いまだに援助の目が届いていない村があると聞いています。
大国との関係によって援助が決まる、仰るとおり、それは災害におけることのみではありませんね。
経済援助もインフラの整備も、その先にある開発あってのことでしょう。
でも、災害に対する援助にまで差が出るとすると、しかもこれほどまでに温度差があるとなると、結局カネにモノを言わせて大国が政治を牛耳ると言うことになりますね。
人の命を盾にして、政治を牛耳るということですね・・・。