報道写真家から

我々が信じてきた世界の姿は、本当の世界の実像なのか

取材準備:ビザ

2005年03月06日 23時00分35秒 | 報道写真家から
 いままで、ツーリストビザしか取ったことがない。それでも、ちゃんと取材できる。
 しかしこれまで一度だけ、それが通用しなかったことがある。
 今回そこへ行くことになるので、日本でジャーナリストビザを取っていった方が無難だろう。でも、できれば取りたくない。

 パスポートにジャーナリストビザがあると、以降、どこのビザを取るときも、ジャーナリストビザの取得を命じられるおそれもある。実際、ある知人はインドへ観光へ行くとき、ジャーナリストビザの取得を強制された。いくら観光だからと言っても、聞き入れてくれなかったらしい。
 
 もっと問題なのは、ジャーナリストビザがパスポートにひとつ押してあると、まず軍政国や独裁国へは入れない。もちろん「観光です」と言っても通用するはずがない。
 ある大手の新聞社の記者は、軍政国家の取材のため、パスポートを洗濯機に放り込んで、新しいパスポートを発行してもらった。本当だ。外務省は、取材のためという理由で、パスポートの再発行など認めてくれない。大手新聞社の記者といえども、わざと毀損する以外ない。大手の新聞社なら、記者が順番にパスポートを洗濯して取材に行くこともできるが、フリーだとそうはいかない。一回ならできても、もし二回パスポートを洗濯したら、絶対に怪しまれてしまう。本当にパスポートを紛失したとき発行を拒否される恐れもある。

 このようにジャーナリストビザは取材地に制限が生じるため、できれば取りたくない。期限が10年のパスポートなので、なおさら取りたくない。観光ビザ(あるいはノービザエントリー)で入国しても、必要ならプレス・カードを取ることはできる。少々面倒だが、たいてい取得できる。

 そんなわけで、まだ僕のパスポートは「汚れて」いない。
 しかし、前回の苦い失敗があるので、今回は仕方なくジャーナリストビザを取ることになりそうだ。

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