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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

北朝鮮の核実験

2006-10-10 20:44:01 | 世の中のこと


 ついに、この事態を迎えました。

 この記事を書きながらも、警戒のためか調査のためか、上空に航空機のジェット音が聴こえます。平和は危殆に瀕しています。

 楽観してはいけない ― しかし、いたずらに危機感ばかりを募らせるのも間違いです。あらゆる可能性を視野に、冷静に、したたかに、行動することが必要です。

 わが国の、そして世界の試金石です。

 平和を愛するがゆえに、武力行使という可能性も否定できるものではないと、私は考えます。

「取材源」証言拒絶は正当

2006-10-05 11:58:55 | 世の中のこと
「取材源」証言拒絶は正当、最高裁が初判断

 最高裁は、「取材方法が一般の刑罰法令に触れるなどの事情がない限り、原則として取材源に関する証言は拒絶できる」という判断を示しました。この判断をマスコミ各社はおおむね歓迎し、国民の「知る権利」を保障するために必要不可欠な「取材の自由」を真正面から認めるものと評価しています。

 一般論としては、私も賛成します。

 しかし、以前の記事でも書いたとおり、私はわが国のマスコミそれ自体に、強い不信感を抱いています。

 過剰なセンセーショナリズム、「長いものには巻かれろ」式の独自性の欠如、集団リンチさながらの言論による「ぶっ叩き」・・・こんなマスコミに、広範な「取材の自由」を認める価値はあるのでしょうか?

 マスコミには、この最高裁の判断に値するような使命感と倫理を持って欲しいと思います。期待を込めてそう思います。

16年ぶり地価上昇

2006-09-19 12:02:27 | 世の中のこと

↑土地総合情報ライブラリー(基準地価・公示地価の検索ができます)

 国土交通省発表の2006年基準地価(7月1日時点)によると、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の地価は、1990年以来16年ぶりに上昇に転じました。

 地価の上昇は必ずしも良いことではありませんが、景気回復を裏付けるものなのでしょう。

 しかし、私の住む群馬県を含め、地方の地価は依然として下落を続けています。中央と地方の「格差」は、ここでも浮き彫りとなっています。

私欲むき出しのサラ金族議員

2006-09-16 20:23:24 | 世の中のこと

↑グレーゾーン金利廃止を訴える
 クレジット・サラ金被害者の会
 「桐生ひまわりの会」HP

 金融業者の上限金利引下げ問題で、特例高金利の利率・適用期間を年利25.5%・2年間とすることで自民党内の合意がなされたようです。この結果、いわゆるグレーゾーン金利が残る期間は、法案成立・施行までの期間、および金利引下げ実施の猶予期間を含め、2011年までの5年となりそうです。

 しかし、そもそもグレーゾーン金利問題とは、「消費者保護」が出発点のはず。政治的妥協にによって、「サラ金利権」を5年まで保護するか、2年に短縮するかという話ではありません。消費者の犠牲の下に保護をはかる「サラ金利権」に、いったいどれほどの公共性があるというのでしょうか?

 金利規制の厳格化に反対する人たちは、「金利規制を厳しくすると、貸出しが減り、ヤミ金が横行する」という主張だったはず。もしそれが本当ならば、今回の特例高金利適用期間の短縮にあたっても、そのことを問題とするべきなのではないですか?それを問題としないのは、結局、サラ金利権を守るために「おためごかし」を言っていたに過ぎないということなのですね?

 小泉総理のほとんど唯一の功績により、いわゆる族議員たちは青息吐息、絶滅寸前になっているものとばかり思っていましたが、サラ金族議員はいまだ健在のようです。これほどまでに「私欲むき出し」のゴリ押し政治劇を見たのは、久しぶりという感じがします。マスコミは、グレーゾーン金利廃止を渋った議員たちの氏名を、きちんと報道すべきです。また、有権者は、選挙のときまでその氏名を忘れてはいけません。


地方公務員法違反?

2006-09-09 19:55:49 | 世の中のこと
県警幹部にセクハラ疑惑=官舎で女性記者に-長崎

 長崎県警の男性警視が、警察官舎を取材で訪れたテレビ局の女性記者に対し、体を触るなどの行為をしていたことがわかったそうです。それに対し、長崎県警は同警視から事情を聴取し、地方公務員法違反(信用失墜行為)があったかを調べているとのこと。

 え?地方公務員法違反?

 強制わいせつ(刑法犯)としては、最初から捜査するつもりもないのですか?

 警察は、やはり身内に甘すぎ。そして、それを追求しないマスコミも甘すぎです。

金利引き下げ問題 ― 金融庁の屁理屈

2006-09-06 14:00:27 | 世の中のこと

↑高金利引き下げを求める全国クレジット・サラ金問題対策協議会のHP

 金融庁は、消費者金融の貸し出し金利について、現在、年29.2%まで(罰則がないという意味で)認められている上限金利を、年20%までとする規制強化案を打ち出しました。

 いわゆる「グレーゾーン金利」は解消に向かい、まことに喜ばしい…はずなのですが、おかしな附帯条項があります。この金利引き下げが実施されるのは、新法施行から3年後、その後5年間は、少額・短期の貸付(50万円以下1年以内、または、30万円半年以内)に、年28%の高金利を認める特例付きです。つまり、新法が施行されてから8年間は、年28%の高金利に「お墨付き」を与えるというのです。

 8年間も?何のために?

 もっともらしい屁理屈がゴタゴタと並べられています。

屁理屈1 ― システム等の変更に時間がかかる
 消費者金融業者のコンピュータ・システム等を変更するため、金利規制の実施については3年間の猶予期間を置くのだそうです。
 …って、金利変えるだけでしょう!?どんなコンピュータ使ってんでしょうか(怒)。
 契約書等の記載についても、上限金利を超える部分につき無効とする「みなし規定」を置けば、いちいち変更しなくても事足りるはずです。
 金利規制を遅らせるための露骨な時間稼ぎとしか思えません。

屁理屈2 ― 金利規制を厳しくするとヤミ金が増える
 ヤミ金が増えても、それを取り締まろうという発想は、この国の政府にはないようです。
 それにしても、ヤミ金の増加と金利規制との間に、本当に相関関係があるのでしょうか?
 ヤミ金が猛威をふるったのは2002年(平成14年)前後ですが、このころ金利規制が厳しくなったということはありません。現在、ヤミ金の活動は低調となりましたが、金利規制を緩和したという事実もありません。
 このことからすると、ヤミ金と金利規制との間に相関関係はないと見るのが自然だと思います。
 そのそもヤミ金の本質は、「金融」ではなく「恐喝」。貸付行為は、債務者を脅すための口実に過ぎません。たとえ上限金利が1000%になろうとも、ヤミ金の活動は成立し得るのです。

屁理屈3 ― 消費者金融利用者の8割は問題なく返済している
 この屁理屈は、二つの意味において間違っています。
 第一に、「8割は問題ない」ということは、「2割も問題がある」ということ。5人に1人は正常な返済が不可能になってしまう貸付は、どう考えても正常な取引ではありません。それを「問題がない」と見てしまう思考自体に、根本的な病巣があるように思います。
 第二に、「8割は問題ない」のは、「いまのところ」であるということ。「消費者金融が新規顧客を拡大しつつある中、いまだ問題を起こしたことのない債務者は、全体の8割である」というのが正しい表現であると思います。「問題ある2割」の債務者も、借り始めの頃は「問題ない8割」にカウントされていたのです。

 こんな屁理屈を振りかざし、金融庁はいったい何をしたいのでしょうか?消費者金融業界のプレッシャーのかかる政治家がこのようなことを言い出すのは、(望ましいこととは思いませんが)分からないでもありません。しかし、金融庁のお役人が、消費者金融業者の「権益保護」に汲々とするとは、実に不可解です。「裏のつながり」のようなものを想像せずにはいられません。


社会人失格

2006-09-05 17:29:52 | 世の中のこと
 自分にミスがあっても認めない、認めざるを得ない状況になっても謝らない、ミスの責任は取らない ― こんな人がいたらどう思いますか?社会人として、完全に失格だとは思いませんか?

 しかし、こんな「失格社会人」が、堂々と存在しています。存在するだけでなく、強大な権力を背景に、世間の非難もどこ吹く風とふんぞり返っています。

<秋田児童殺害>県警本部長、初動捜査の不備認める

 秋田県警は、ようやく、渋々と、初動捜査の不備を認めました。しかし、謝罪はしません。関係者は誰も責任を負いません。

 警察の捜査ミスは、これに始まったことではありません。もう何度も何度も繰り返されていることです。それも、「どうしてこんなことが起こるのか、信じられない」というミスが、幾度も繰り返されているのです。

 その原因は何でしょう?

 ミスを認めようとしないから ― それに尽きると思いませんか?というより、それ以外の原因なんて考えられますか?

 誰でもミスや間違いはあることでしょう。肝心なのは、それを繰り返さないようにすること。そのためには、ミスをミスと認めることが、絶対に必要です。ミスを認識しなければ、それを防止しようもないのですから。

 こんなことは小学生でも分かることです。それが分からない警察は、やはり社会人として最低限のレベルにすら達していないと言わざるを得ません。

高木東六さん死去

2006-08-27 01:17:39 | 世の中のこと
高木東六さん死去

 25日、作曲家の高木東六さんがお亡くなりになりました。102歳でした。

 正直に申し上げれば、まだ生きていらしたのですね(失礼!)。

 高木さんの記憶と言えば、やはりテレビ番組「家族そろって歌合戦」の審査員。この番組はNHK「のど自慢」のように、毎週、全国各地の会場を回って放送されていたのですが、高木さんが「ご当地」を俳句に詠み込み紹介するのが常でした。しかし、俳句というものは、どうしてもひねり出せないときがあるもの。そんなときでも高木さんは慌てず騒がず、「松島や、ああ松島や松島や」の伝により、「高崎や、ああ高崎や高崎や」とやるのです。「そんなの誰でも詠めるじゃん!」と、カラーになったばかりのテレビの前で、サダヒロ少年はすかさずツッコミをかましてました。

 この「家族そろって歌合戦」当時でも、「おジィさん」という印象が強かったものですから(またまた失礼!)、ご存命であったとは知りませんでした。

 高木さんの作品で印象深いのは、空の神兵。実は軍歌なのですが、軍歌らしからぬ優雅で上品なメロディーが、空にひろがる幾千もの落下傘のイメージと調和した美しい曲です。その時代背景や、軍歌という音楽の持つ役割に対する評価は別問題ですが。

天文学者のこだわり

2006-08-25 20:49:03 | 世の中のこと
 冥王星が惑星から「降格」されるそうです。

 国際天文学連合は、太陽系惑星を①自らの重力で球状となる②太陽を周回する③軌道周辺で圧倒的に支配的な天体と定義し、③の条件を満たさない冥王星は、惑星と認めないことに決定したとのこと。③の条件は分かりにくいのですが、要するに、その軌道の周辺で「圧倒的に大きい」という意味らしいです。大きさは地球の6分の1、重さは500分の1で、月よりも小さい冥王星は、惑星というには「小さ過ぎた」ということなのでしょう。

 私のような素人は「70年以上も『惑星』だったのだから、何もいまさら降格しなくてもいいのに」とか思うのですが、天文学者としては、異質なものを同じカテゴリーに分類にしておくのが許せないのでしょうね。当初、惑星を3個追加して12個にするという案だったものを、その案を否定するだけに飽き足らず、かえって1個を外すことにしたという議論の経緯にも、天文学者の並々ならぬこだわりが感じられます。

 冥王星にはカロンという衛星があり、直径は冥王星の約半分ほどもあります。このため、冥王星とカロンは「二重惑星」と見るべきとの意見もあったそうです。ニュース番組で、「宇宙戦艦ヤマトでは、敵の前線基地が冥王星に置かれていた」なんてことを思い出してるコメンテイターもいましたが、「二重惑星」と言えば「イスカンダルとガミラス」ですよね、やっぱり!

地上デジタル詐欺

2006-08-21 11:40:04 | 世の中のこと

↑「悪徳商法にご注意下さい」と呼びかける社団法人電波産業会のHP

 テレビ放送は、2011年までに地上デジタル放送に全面移行しますが、それに便乗した詐欺が続出しているそうです。「デジタル放送への移行に伴う工事代金請求書」が送られてきたり、ニセ作業員が訪問し「チャンネル変更料」を請求されるというのです。

 まったく、何でも詐欺のネタにしてしまうその発想力には、怒りを通り越して感心してしまいます。その能力をまともな仕事に使ったら成功を収めるのではないかとさえ思います。

 ウチの事務所に最近よく来るのは、「20××年までに電話がすべてIP化されるので、その対応をしなければならない」という趣旨の電話です。きちんとNTTに確認したら、「そのようなIP化計画はいっさい無い」とのことです。

 このような詐欺まがい商法の電話には、みなさんどのように対処していますか?

 私はできる限り業者名・連絡先等を聞き出して、関係団体・官庁等に報告するようにしています。悪徳商法と闘う司法書士として、捨てて置けないと考えるからです。私の報告によって多少なりとも被害が減って欲しいと思っています。IP電話とは別の件ですが、電話機関係で詐欺まがいのセールスがあった旨をNTTに報告したところ、後日「当該業者に厳重注意しました。今後もこのような業者がいたら報告して下さい」という連絡を受けたことがあります。

法テラス

2006-08-19 00:05:02 | 世の中のこと


 民事法律扶助や被疑者弁護など、民事・刑事両面で公的な法律サービスを提供する日本司法支援センター(愛称:法テラス)が10月開業します。弁護士の足りない地域に設置される「地方事務所」は、過疎地型が北海道江差町など6か所、中都市型が埼玉県熊谷市など4か所に、最初に置かれるそうです。(H18.8.18付読売新聞朝刊より)

 この中都市型の地方事務所は、弁護士人口の増加、法律家分布の問題について、大きな示唆を与えています。

 現在、弁護士の数が足りないとの認識のもと、その大幅増員が図られ、平成30年頃には弁護士5万人体制を目指すことが国の施策となっています。弁護士数が大幅に増えれば、各地に弁護士があまねく存在するようになり、司法過疎の問題は解消する―というもくろみがそこにある訳ですが、問題はそう単純ではありません。

 中都市型の地方事務所が置かれるところは、誰が見ても「過疎地」という言葉からは程遠い都市です。法的な需要も十分にある。すなわち、弁護士が開業したら「十分に食って行ける」場所なのです。それにも関わらず弁護士が足りない。すでに東京には「食えない弁護士」がたくさんいることは「公知の事実」。なのに、埼玉県熊谷市には弁護士が足りないのです。

 大都市に弁護士が集中してしまうのは、弁護士の数が少ないとか、地方では儲からないとか、そういう問題とは別のところにあると思いませんか?

 法律家を適正に配置するためには、数を増やすこととは別の、より実効的な(はっきり言えば、強制的な)施策を講じなければならないと思います。

 それにしてもこの手の記事で、相変わらず司法書士への言及はほとんど見られません。これは、もはや「司法書士はPRが下手」と言って済まされる問題ではありません。民事事件の担い手について、マスコミに大きな認識不足があるのですから、それを解消することは司法書士界に課せられた責務です。法テラスのHPには、司法過疎対策は「弁護士や司法書士がいない」地域に対しておこなう、とあります。

エリート・サラリーマンの逆襲

2006-08-11 09:26:36 | 世の中のこと
 小泉改革に関連してもう一題。

 これまでわが国の政治過程を壟断してきたインフォーマルな権力者たち――「族議員」に象徴される「既得権益」や「利権」――は、小泉改革によって息の根を止められた感があります。ここまでは小泉首相の功績といってもよいでしょう。

 しかし、族議員・既得権益の手をはなれた政治権力は、主権者である国民あるいはその代表者である国会に復帰することなく、別のインフォーマルな権力者の手に渡ってしまいました。「大企業」および「財界人」という名の権力者の手に、です。

 現在、わが国の政策は、その多くが「諮問会議」あるいは「審議会」という、政府でも議会でもない非民主的組織によって作られています。この非民主的組織を利用し政治を牛耳っているのが、財界人にほかなりません。

 この財界人による政治の専断化を、私は「エリート・サラリーマンの逆襲」と見ています。大企業経営者・財界人たちは、基本的には資本家ではなく、サラリーマンのトップなのです。

 これまでの社会において、エリート・サラリーマンは、従順な、政治権力者にとって都合のよい存在でした。わが国の富の大部分をせっせと稼ぎ出しながら、「富の再分配」の名目のもと、土木・農業などの「利権」に稼ぎを掠め取られても、政治的発言力の弱さから何ひとつ文句をいえませんでした。そのエリート・サラリーマンたちが、旧勢力の一掃をはかる小泉改革を利用し、「稼いだ金はオレたちのモノ、稼げないヤツは捨てていく」と逆襲に打って出たのが、現在の政治状況だと思うのです。

 深読みするならば、他に類似の会社やファンドはたくさんありながら、ライブドアと村上ファンドだけが「ねらい打ち」されてしまったのも、堀江氏(学生起業家)、村上氏(元通産官僚)の出自が「エリート・サラリーマンではない」ためなのかとも思います。

分断される経済 ― 松原隆一郎教授

2006-08-11 00:08:11 | 世の中のこと
 日本司法書士会連合会の委員会で、東京大学教授の松原隆一郎先生のレクチャーを受けました。

 松原先生は、小泉構造改革を「世界に類を見ない異常な改革」と厳しく批判なされています。

 構造改革が生み出す「格差」それ自体は仕方ないとしても、経済が「分断」されてしまったことが問題であり、大企業と中小企業、中央と地方、正規雇用者と非正規雇用者(パート・アルバイト)の間の「つながり」が失われ、トリクル・ダウンが起こらないのです。その結果、「格差」は永遠に埋まらないことになります。


「世界が、バブルと不況の両極に引き裂かれつつある。経済は『分断』されたのだ。そしてその断層線をカバーして『トリクル・ダウン』を生じさせるべき『公』が、『小さな政府』であれば良いという理屈で仕事を放棄している。『公』の質に及ぶ評価を加えるべき政治が、たんなる数合わせに堕してしまっているのだ。」分断される経済―バブルと不況が共存する時代より引用


 構造改革の名の下に行なわれている「おかしな動き」、その「おかしさ」の正体が何であるのか、松原先生のお話を聞いて明確になりました。

 松原先生、ありがとうございました。