長野市役所第一庁舎と長野市民会館の建て替え問題について、これまでの議論に加え、市民グループの住民投票の直接請求の動きなどから、市民の世論が喚起され「長野市の主要話題」になっています。
・
それを受ける形で、長野市議会でもその対応に注目が集まっています。
・
〝市長派〟である最大会派は、住民投票に否定的な市長に迎合する形で、議会での議論を待たずに、住民投票の直接請求を「否決」することを言明しています。
・
私は(前にも触れましたが)時間経過・時代の趨勢(すうせい)と共に社会は〝動いて〟おり、市も市議会も、今回の市民運動の胎動(たいどう)を真摯に受け止めるべきと思っており、とりわけ市議会は、今回の市民活動については、市長と一緒になって「門前払い」の形を取るのではなく、何らか市政に反映させる努力をすべきと思っています。
・
そんな中、最大会派においては、市民会館問題に併せて「9月の市議選以降に、常設型の住民投票条例を盛り込んだ「自治基本条例」の制定をめざす」ことを表明しました。
・
このことは、一見すると、今回の市民運動を反映させた前向きな取組みに見えますが、ヨク考えてみると、これは〝争点ぼかし〟に他ならず、何というか煙幕を張って、まさに「煙(けむ)に巻こう」という(分かりやすい)作戦であることが感じられます。
・
今回の議論は、市役所第一庁舎と市民会館の建て替えをどうするかを議論すべきものなのであり、住民投票は、そのための「手法」なのです。
しかし、最大会派は、その「手法」の方にピントを合わせ、本来のピント(建て替え問題)から目をそらす形で幕引きを図ろうとしています。
・
確かに、最大会派は「われわれは否決!」という〝姿勢〟は示していますが、肝心なのは、これまでの経過は踏まえつつも、市民意識がここまで昂(たか)まっていることを議会としてどう受け止めるか、ということであり、そこを「もう議論を尽くしたこと」として打ち止めにするのは〝市民代表〟としての感性が疑われる、といっても仕方のないところでしょう。
・
また、市議会としても、今回の両施設建て替えの関連予算を可決している、とのことですが、これまでの関連予算は「現在の市民会館の廃止」までのはずですので「新たに造るかどうか」については、これからの議論に委ねられるところであり、すなわちこれまでの採決内容=両施設建て替えにはならず、今後も、最近の市民意識の昂まりを踏まえ、こと市民会館の新設については再考する余地は十分にある、と言えるのです。
・
・
市議会においては、建て替え問題と住民投票条例を「ないまぜ」にすることなく、論点を整理して議論してもらいたいと思います。
・
いま議論すべきこと…〝一時間目の授業〟の課題は、両施設の建て替え問題について市民の意識が昂まっていることをどう受け止めるか、であり、住民投票についてどう考えるか、は〝二時間目の授業〟で議論すべきなのです。
・
・