倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

価値観によって

2019-03-29 | 日記

3/28 Thu. 

 

長野市の監査委員が、2018年度の監査結果の中で、その年に新たに設置した体育施設について、周辺に他の類似施設[体育施設]が数多くあるので、ついてはこの際 体育施設そのものの統廃合を検討すべき、と市長に報告したとの新聞記事がありました。

それを目にし、正直いって 「違和感」 のようなものを禁じ得なかったところです。

 

 

監査の標的となったのは、大豆島に新設された 「大豆島運動広場」 です。これは市の 「東部浄化センター」 の南側に、市民要望に基づき造成されたもので、当初は浄化センターの施設屋上に建設する予定が、耐震化などの面に課題が生じ、別途土地を確保してつくられたとのことです。

 

 

監査委員の見解は、ここ[大豆島]周辺には、13もの運動場があり、予算をかけて運動場を設置するのは無駄という趣旨の指摘だったのですが、私は そこに、その比較対象とされた運動場の 「質[しつ]」 が加味されているか、について違和感を感じたところです。

 

確かに、大豆島周辺には、河川敷グランドなどの多くの 「体育施設」 がありますが、屋島橋下の千曲リバーフロントスポーツガーデン以外は、いずれも劣悪、とまでは言わないものの、フェンスも無い 非常に簡素な造作になっており、とても 内外に胸を張って 「グランド」 などと言えないような代物[しろもの]なのが現実です。

 

 

 

長野市の 「悪い癖」 といえば やや語弊がありますが、何かといえば、運動場 の 「数」 について弁を弄するものの、一方で、肝心の 「質[しつ]」 について問われると、途端に下を向く傾向にあるのです。

 

 

 

市内の他の施設[野球グランド]についても、トイレの設置が不十分だったり、外野フェンスが無く[その向こうは藪/やぶ]長打ヒットが出る度にボールが無くなったりなどと、例えば冠の着く大きな大会など とても誘致・開催できないと、当時から問題視されており、その状況は 残念ながら未だに改善されてはいないようです。

あるスポーツ少年団の保護者は 「数さえありゃあイイってもんじゃないよ。」 とこぼしていたのが、今も印象に残っているのは残念なところです[しかも監査は、その「数」さえも減らせと言っているようですが]

 

 

今回の監査委員の指摘は、人口減少・少子化の流れの中、予算をかけた施設建設の 「無駄づかい」 に警鐘を鳴らすという点では、監査という職責の下では当を得た発言と感じられましたが、一方で、せめて最低限の施設整備を施したうえで 「体育施設」 を標榜すべきとの利用者の声にも応えてほしいとも思ったところでした。

 

行政事務・事業については、さまざまな価値観に基づいて執行されるところでありますが、多様な市民の価値観を踏まえて 適切な業務に当たってほしいと切に願うところです。

 

私自身も、かかる 「市民の多様な価値観」 について、心してゆきたいと思います。