倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

自然災害が再び…熱海市の2級河川で大規模土石流が発生

2021-07-04 | 日記

7/3 Sat.

 

終末に東海~関東エリアに まとまった雨が断続的に降り続き、その影響で不測の自然災害の発生が懸念されていた矢先に、静岡県熱海市内を流れる逢初川で大規模な土石流が発生し 大きな被害が及ぼされたことが報じられ、その映像などに息を呑むと同時に 忸怩たる思いを共有させられました。

 

 

 

 

報道などによると、現場は 静岡県熱海市「伊豆山地区」を流れる逢初川の上流部において堆積した雨水や土砂が一気に流れ下ったものとのこと。

 

 

 

平時における現場(地区)は、温泉保養地 熱海を象徴する風光明媚な土地で、逢初川にかかる「逢初橋」は、かつて戦乱の世において 伊豆国(いずのくに)の小島に流罪となっていた源 頼朝が、同じ頃 密かに当地に逃れた北条政子と劇的な対面を果たしたとされる史情あふれる場所でもあり、今もその風情を遺していることが伝えられていました。

 

「逢初橋」

 

 

しかし…写真を見た方は お気づきのことと思いますが、当地の地形は、熱海の海岸から一気に山へと上る(登る)急峻な地形となっています。

このことから、当地は「土砂災害警戒区域」に指定されていたところでありました。

 

 

 

 

 

今回の災害は、ここ一週間 降り続いた雨によってもたらされた爆発的な土石流が原因と申せます。

先日もお伝えしたとおり、ここ数日 東海~関東の広いエリアには、梅雨前線+太平洋からの湿った空気+太平洋高気圧の押し上げ が雨雲の停滞を招き、それが間断なく雨を降らせ続けたことが要因として挙げられており、特に被災した静岡エリアは、週明けから例年にない雨続きであったことが伝えられています。

 

 

 

 

数日に亘って伊豆山の頂(いただき)付近に降り続いた雨は、やがて耐えられないほどに堆積し、我慢し切れなくなった雨水は 2級河川で川幅の狭い逢初川…が故に〝鉄砲水〟となって 想像を超える強い勢いをもって急峻な傾斜地を一気に流れ下ったものでありましょう。

現地の人も「逢初川は小さな川なのに…」と話しておられましたが、そのこと(小さな河川)が かえって大きな流下のエネルギーの源となってしまったこと…大量の雨水+急峻な地形+川幅の狭い河川 が、時速40kmともいわれる いわば逃げようの無い土石流を発生させてしまったと思われるところです。

 

 

 

今はただ、安否の判らなくなっている方々の1分1秒でも早い発見・救助と、犠牲に遭われた方々への追悼 さらに被災された方々へのお見舞いの意を強めるばかりであります。

それと共に、長野市として(県とも連携する中で)被災地への支援について照会してまいりたいと思うところです。

 

 

 

・・・・・。

国土の約7割を山地が占めるといわれる我が国、とりわけ急峻な地形のうえに生活圏をもつ地域が多くある中においては、今回のような土石流災害は〝繰り返される悲劇〟であります。

長野県においても、平成18年に岡谷市で発生した土石流災害・平成26年に発生した南木曾町の梨子沢の土石流など、未だに記憶に残るところであります。

 

(南木曾町の梨子沢における土石流)

 

 

 

また さきの「令和元年東日本台風」においても、長沼エリアの堤防決壊などの大きな被害の陰に隠れてはおりましたが、長野市若穂を流れる「保科川」の上流部が半決壊する被害が発生、その要因は ほぼ今回の熱海での災害に近いものがあったところです。

 

 

 

 

 

「山地水明の国」と言われる 自然豊かで美しきニッポン。

で あるが故に、さまざまなリスクをも抱えながら それでも「その地」で暮らしてゆかなければならない。

そんな中で 私たちが自らの身を守るためには、さまざまな方策が求められるところではありますが、それらを踏まえてみても その第一義には「避難」これが何より大切であると 改めて思わされるところです。

今回の〝熱海災害〟においては、避難の呼びかけのタイミングがどうだったか とか、山の上部に大規模なソーラーパネルが設置されていた とか、さまざまな要因が取りざたされているところですが、大規模災害が「いきなり」やってくることを踏まえ「避難」の在り方を思慮(深慮)しなければならないと 痛切に実感させられたところでありました。