倉野立人のブログです。

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「ダブルスタンダード」に戸惑う市民

2021-07-01 | 日記

JR東日本が30日、東京五輪大会期間中に「臨時列車」を運行し、首都圏21路線で終電を通常ダイヤより遅らせることを公表、その記事を目にした私は「ダブルスタンダードじゃん!」と 思わず声を上げてしまいました。

 

 

 

報道によると「臨時列車」は 開会式の7月23日から閉会式の8月8日までの間運行されるとのこと。例えばJR中央・総武線は 国立競技場の最寄り駅「千駄ケ谷」の終電時刻を、千葉方面行き/1:31・三鷹方面行き/1:54に延長。JR山手線も午前2時台まで運行するとのこと。

 

 

 

 

でも ちょっと待てよ、と。

顧みれば その路線が走る東京都では、コロナ禍の再燃が懸念されることから 都を挙げて「8時にはみんな帰ろう!」との啓発活動を行なっている最中(さなか)ではないか。記事によると、現在も都のホームページには「東京都では感染拡大を徹底して抑え込むため、不要不急の外出の自粛 特に平日の午後8時以降と土曜日曜の外出自粛の徹底をお願いしています。」との呼びかけを行なっているとのことです。

そんな強い呼びかけを行なっておきながら 現下の〝まん防〟の期間(~7/11)が終われば、アッサリと門限を解除するというのでありましょうか。

 

 

 

 

今回の〝終電時間延長ニュース〟に対し 「サラリーマンには「早く帰ろう!」と促しておきながら、五輪期間中は堂々と終電時間の延長。この「矛盾=ダブルスタンダード」に対し「また五輪は特別扱いか!」とか「〝オリンピック特例〟はいい加減にしろ!」と怒りの声があふれています。」との〝街の声〟が伝えられています

さらに、今大会においては「観戦後の直帰」が奨励されていることに絡め「直帰を奨励するなら、終電の延長は必要ないだろう!」との厳しい声も聞かれていることも伝えられていました。

 

「東京五輪2020」については、これまでも「選手村での飲酒の容認」とか「競技関係者のコロナ対策の甘さ」など さまざまな面での「ダブルスタンダード」が指摘されているところですが、今回の「終電延長」も どうやら都民のストレスをさらに逆撫ですることとなってしまったようです。

 

 

「ご都合主義」ということばがあります。

これは、定見(ていけん/筋のとおったシッカリとした考え方)を持たず、その時その場の都合や成り行きで どのようにでも態度を変えることを揶揄(やゆ)するものですが、それは ときにさまざまな矛盾(=ダブルスタンダード)や疑問を感じさせ、周囲を混乱と困惑に陥らせることになります。

今回の〝五輪期間の終電延長対応〟は、明らかな「ダブルスタンダード」ですが、しかしながら その起案者は、ひとつの価値観(=共通認識)に基づいて行動(発信)していることも また事実です。

それは「五輪だから仕方がないじゃん」との価値観です。

これは あくまで「主催者側の論理」であり、全体を俯瞰的(ふかんてき)に見たうえでの結論ではありません。しかし 彼ら(この場合はJR)は、いわば彼らなりの職責に基づいて行動(ダイヤ再編)しているもので、そういう点では世論とかみ合わない面があることが実感されます。

 

・・・・・。

やや類(たぐ)いは違いますが、この「ダブルスタンダード」について、長野市政においても実感させられることに。

市有の生涯学習施設「働く女性の家」について、市が唐突に〝廃止・見直し〟を打ち出したのですが、その対極ともいえるところに 市が掲げる施策「健康寿命の延伸」があるのです。

すなわち 長野市は、市の大方針として「健康寿命の延伸のために 生涯学習を推進してください!」と謳(うた)っておきながら、その一方で 市の将来課題を〝錦の御旗〟に掲げ、その生涯学習の実践の場を奪おうとしている→ダブルスタンダードの最たるもの。

しかして 市は「公共施設は減らさなきゃならないんだからしょうがないじゃん!」との〝一方の論理〟だけで事(こと)を運ぼうとしており、かみ合わない事態に至ってしまいました。

 

 

市民を惑わす「ダブルスタンダード」これを仕掛ける当事者たちは、そのことによって生じる「矛盾」を知っててやるのか、はたまた目に入っていないのかは懐疑的なところでありますが、少なくとも「△△△だから仕方が無いでしょ」などという〝開き直りの論理〟は認められないところであり、ことさら クレバー(賢者)たる市民は、そんな論理を持ち出した時点で 著しい行政不信になることを肝に銘じなければならないことを、関係者の一員として 改めて自覚(自戒)するところであります。