倉野立人のブログです。

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青木島遊園地廃止問題 ~マスコミの責任~

2023-02-26 | 日記

今や大きな社会問題となっている「青木島遊園地廃止問題」ですが、この件に関する〝マスコミ報道〟が、あらぬ物議を醸(かも)すこととなり 言いようによっては「とんだ迷惑」となってしまうことになったのです。

 

ことの顛末は下記のとおりです。

24日の早朝 私の下(もと)へ、遊園地の存続を願う人たちから「タイヘンだ!!」とのLINEが舞い込んできました。

何をと見れば、大手紙面の長野局が「市長が区長会に対し、遊園地に隣接する児童センターを 同じく隣接する小学校(校内)に移転する案を示した」との記事をネットニュースに載せたというのです。

 

 

 

青木島遊園地の存廃については(これまでもレポートしているとおり)22日に開会した長野市議会3月定例会の初日に、市長の口から「様々な課題や制約を勘案する中で、近く、私が考える解決策をお示ししたい」と述べており、その後になって 市長が区長会に対し記事の内容を述べたとすれば、市長の言う「私が考える解決案」は いきなり児童センターを校内に移転という荒療治なのか?と 衝撃をもって受け止めさせられたところです。

児童センターの校内移転については その施策自体は否定されるものでは無いものの、それは今後 長い目でみる中で、少子化の伸長に伴い(校内に)空き教室が生じたときに考えられる方策です。

しかしながら、今の青木島小学校は児童数も多く さらに同校の校庭が手狭であることから、直ちにその方向に進むには あまりに無理があるというのが実際のところなのです。

にも関わらず、市長が「私が考える解決案」として それ(校内移転)を示したとしたならば、それはあまりにも現状を度外視した 現時点では愚策としか言いようの無いものであり、関係者は 今回の報道に触れ、その短兵急な提案に驚き・呆れ・そして 憤りを新たにしておられたのでした。

それを聞いた私も、にわかに(報道を)信じられませんでした。

いくら何でも、青木島小学校や児童センターの(児童数過多の)現状は 部下から伝えられているでありましょうし、それを振り切って 市長がそんな短絡的な案をもって「私が考える解決案」とするには、あまりに無理があるのではないか…。

 

そこで私は、別件で秘書課に電話をした折りに その市長発言についての真偽を聞いてみることにしました。

果たして市長は「私が考える解決案」として 児童センターの校内移転を区長会に示したのか?

秘書課の答えは「否(いな)」。すなわち、議会初日での市長発言から未だ事態は動いておらず、市長が「解決案」として 児童センターの校内移転を示した事実は無いとのことでありました。

但し、話しの接ぎ穂の中で「校内移転が理想であり、将来的にはその方向で進んでゆきたい」旨の発言 いわば事例の一つとして挙げたことは事実であるようでした。

 

ことの真相は、同行した記者が功名を焦るあまり 市長が一例として挙げた部分を〝切り取って〟記事に載せたようなのでした。

そうなると、話しの様相は全く違ってきます。

このこと(校内移転)は、2/11の住民説明会の場でも 市長の口から〝一例〟として述べられており、そんな考えもあることは 住民の間でも織り込み済みの情報であることから、そのことを23日に(市長が)繰り返したとしても それが直ちに「私が考える解決案」にはならないことになります。

 

ここで大きく責任が問われるのが、マスコミの報道の仕方(報道のタイミング)ではないか と。

このマスコミのとおりに時系列で追えば、

2月11日 住民説明会で「校内移転」も一例です との発言

2月22日 長野市議会3月定例会の所信で「近く、私が考える解決策をお示ししたい」と発言

2月23日 区長会で児童センターを校内に移転する案を示した

と なり、ならば 同ニュースを見た人が、市長の示した解決策は児童センター移転なの!?と結びつけてしまうのは無理からぬところでありましょう。

 

 

 

今回の いわば〝似非(エセ)すっぱ抜き報道〟は、関係者に とんだ物議を醸すことになりました。

市長発言「近く、私が考える解決策をお示ししたい」を重く受け止めた市民(住民)は、が故(ゆえ)に、突然報道された〝児童センター移転案〟を聞かされ「市長の〝解決策〟は そんなに思慮に欠けたものなの?」と思わされ 一層の不信感を抱かされることになりました。

他方 市長サイドにおいても、たまたま述べた事例が独り歩きすることで 無用な火消しに追われることになり、ただでさえ厳しい評価が出始める中 さらなるマイナスイメージの要因となってしまうことになってしまいました。

 

「報道」という情報媒体には、ものすごい影響力と その背中には「報道責任」という重い荷物を背負っていると申せます。

話しは一気に飛躍しますが、かつて第二次世界大戦に突入した際 マスコミは挙(こぞ)って戦意発揚を流し(報道し)、国民全体を戦争肯定へと悪しけく誘(いざな)ったものでした。

いわゆる「プロパガンダ(言論誘導)」の情報戦略です。

それほどまでとは言いませんが、今回の青木島遊園地廃止問題においては 関係者が非常にナーバス(神経質)になっている中においては、報道は 慎重に期してもらいたいと切に思うところであります。

 

ただ…これは非常に穿(うが)った見方ではありますが、今回 改めてとなる「児童センターの校内移転案」を、いわゆる〝匂わせ報道〟として 市長サイドがわざと流させたとすれば。

または、この報道の反応を いわゆる〝観測気球〟として利用しようとしているならば。

それは 極めてあざとい手法と言わざるを得ません。

そんな いやらしい駆け引きを、無垢な市民に対し為(な)しているとは思いたくもありませんが…。

 

いずれにしても、時間だけは経過してゆきます…。