興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

せぼんこ

2022-04-05 | 随感・偶感・歳時感

                    *上の写真はわが家の庭に咲いたシレネ・カロニアーナ(鉢植)。本記事とは関係ありません。


「おとうさん、また、せぼんこだよ」

と、たまに帰省する娘が、食卓などでつい前かがみになってしまうわたしを見て、注意する。
「年を取るとそのまま固まってしまうから、気をつけてね」と続ける。

「せぼんこ」とは、「ねこ背」「背中がまるい」という意味の、わたしの故郷新潟の方言である。

東京と埼玉で育った娘が、なぜ新潟の方言を使うのか。

「小さいころ、わたしもお兄ちゃんも、おとうさんにいつもそう言っておこられていた」からだそうだ。

はるかな昔にわたしが子供たちに放った矢が、今ブーメランとなってわたしに返ってきている図である。

姿勢は見た目の印象を大きく変える。
わたしの矢は「いつも胸をはって堂々としていなさい」という意図で、娘の矢は「いつまでも若々しくいてね」という意味である、としておこう。

 

 

 

    

    散歩道わきの小公園にある「背のばしベンチ」。

       

散歩の途中、ときどきここにすわって、思いきり背を反らしている。

わたしの ‘せぼんこ解消’ に、少しは役立っているであろうか。