ROEを目標経営指標に掲げる企業がある。これらは投資に適している。理由は主に二つ。
①目標達成へのプレッシャー
②株主還元への影響
①は完全にノルマである。大事なのは②。ROEを経営指標に使うと、効率的な資本管理をしなければなくなる。殊、成長が終わり、得られた利益を配分する時に重要になる。
ROEは株主資本利益率だ。分子には利益、分母には株主資本となる。この率を一定以上に保つ為には、分子を大きく、分母を小さくする必要がある。仮に成長が終わった企業であれば、分子の成長は望めない。そして、内部留保を行い続けると分母が膨れ上がりROEは低下していく。
そこで、下限値にROE○○%とあると、分母を増やす行為が疎まれる。内部留保ではなく、何か別の方法で利益を処理する必要がある。そこで考えられるのは株主還元と他人資本返済。このうち、他人資本返済は相対的に自己資本を引き揚げる為、ROEを低下させる要因となる(※利益率が低く他人コストが高い場合は利益も増えるが…)。となると、株主還元しか方法が無くなる。
よって、ROEを経営指標として据え置く企業は株主還元指向であると言えるのではないかと思う。