kyon's日誌

つれづれに・・・

「黄砂の籠城」

2017年06月15日 | 日記


無私の日本人の中に、多くのユダヤ人を救った杉原千畝氏が思い浮かぶのだが、
もう一人・・
当時、北京公使館付武官として清朝に赴任していた柴五郎中佐のことは全く知らなかった。
物語は「義和団事件」の籠城戦を如何に戦い抜いたか・・・のストーリー。

「義和団事件」という言葉は知っていても、詳細は殆ど知らない。
暴徒と化した当時の中国の民衆の暴挙を抑えられないばかりか、ついには紫禁城が後押し、駐在した各国家間への影響を与えた国を揺るがすような事件であったのだと・・・今にして理解したというお粗末だが。
多くの犠牲者を出す殺戮の悲劇が繰り広げられた北京の公使館が戦場となっている・・・8か国の公使館が宣戦布告を受けて籠城せざるを得なくなる・・・その中で指導的立場を担った『柴五郎中佐』とその部下、各国との軋轢や連携など、微に入り細に入りリアルな実況を見るが如く・・・
いや、戦争を肯定するようで不謹慎かもしれぬが、物語として読むと、ちょっと感動してしまうんですね。
凄い、凄過ぎる数か月を忍んで援軍が来るまでのその内容はその場で見聞きしたようなリアルさを感じさせる。
人って、精神の持ちようでこんな生き方が出来るのか・・・勿論、それは訓練を積んだ軍人だったから出来たという精神力なのかもしれない・・・だから今の日本人の精神力とはとても比べるべくもないのは承知しているけどね・・・

実話に基づいているからリアル感覚。展開も早い・・・ほぼ実況中継・・・
筆者の想像力も取材力もあろうが、読むのを止められなかった。
明治期の日本人の意識の高さ・・・驚くばかりです・・・

随分と堕落してしまった現在なのだなぁと・・・まぁ、我が身にしても何気に堕落してる精神を疎ましくカナシク・・・・思うのでした・・・ため息でありますよ(苦笑)

コメント (2)
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