無私の日本人の中に、多くのユダヤ人を救った杉原千畝氏が思い浮かぶのだが、
もう一人・・
当時、北京公使館付武官として清朝に赴任していた柴五郎中佐のことは全く知らなかった。
物語は「義和団事件」の籠城戦を如何に戦い抜いたか・・・のストーリー。
「義和団事件」という言葉は知っていても、詳細は殆ど知らない。
暴徒と化した当時の中国の民衆の暴挙を抑えられないばかりか、ついには紫禁城が後押し、駐在した各国家間への影響を与えた国を揺るがすような事件であったのだと・・・今にして理解したというお粗末だが。
多くの犠牲者を出す殺戮の悲劇が繰り広げられた北京の公使館が戦場となっている・・・8か国の公使館が宣戦布告を受けて籠城せざるを得なくなる・・・その中で指導的立場を担った『柴五郎中佐』とその部下、各国との軋轢や連携など、微に入り細に入りリアルな実況を見るが如く・・・
いや、戦争を肯定するようで不謹慎かもしれぬが、物語として読むと、ちょっと感動してしまうんですね。
凄い、凄過ぎる数か月を忍んで援軍が来るまでのその内容はその場で見聞きしたようなリアルさを感じさせる。
人って、精神の持ちようでこんな生き方が出来るのか・・・勿論、それは訓練を積んだ軍人だったから出来たという精神力なのかもしれない・・・だから今の日本人の精神力とはとても比べるべくもないのは承知しているけどね・・・
実話に基づいているからリアル感覚。展開も早い・・・ほぼ実況中継・・・
筆者の想像力も取材力もあろうが、読むのを止められなかった。
明治期の日本人の意識の高さ・・・驚くばかりです・・・
随分と堕落してしまった現在なのだなぁと・・・まぁ、我が身にしても何気に堕落してる精神を疎ましくカナシク・・・・思うのでした・・・ため息でありますよ(苦笑)
おはようございます、
明治と平成、
一体何が違うのでしょうね、
ため息ひとつ、
いや、
ふたつ。
例えば後の日本という国を想定した政治的な意識、
例えば国家を大切に思う意識、人々が助け合う意識・・・何だか生活自体は今とは比べものにならない位貧しく不便である生活があったのだろうけどねぇ・・・
戦争もあって不幸な時代でもあったろうけど、
人としての生き方に誇りもあり、何だか・・・うがった見方かもしれないけど、言うなればある種の崇高さがあった気がするなぁ・・・
便利なものが溢れるようにある今の時代と・・・比べちゃいけないし、比べてどうとか批判するものでもないのでしょうけど・・・ね・・・
この話は教会が暴徒に包囲された時に助けに向かう柴中佐と部下(彼の目を通して語られる)、・・・籠城しても救出した彼ら(3000人)を守ろうとする働き・・・何だかね・・・生きようとする力を諦めない意思や姿・・・民間の義勇兵となった人達が命を顧みずに籠城を共に戦い抜く・・・彼らの作った即席爆弾が兵を救い・・・等々、その知恵と行動力・・・ホントに凄い話でした。
これもため息です・・・
ホントにため息で、余韻がまだ残ってます(^_^;)