二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第9節 京都vs徳島

2016-04-24 | 蹴球

京都サンガF.C.0-1○徳島ヴォルティス
           15'橋内優也
            (↑CK木村祐志)


[警告・退場]
・京都
なし
・徳島
72'福元洋平(C1反スポーツ的行為)
90+2'橋内優也(C5遅延行為)


【全体の印象】
 前節熊本戦が地震の影響で中止になり、2週間ぶりの京都は、風下の中で序盤からペースを掴めず。CKから易々とマークを外されておっさん橋内ゴールで失点。その後5バックに引いた徳島のブロックを攻めあぐねた。後半、有田投入後から徐々に持ち直したが、攻撃モード全開までギアは上がらず。最後のカード本多投入でようやくラスト10分で猛攻に転じたが、イヨンジェが決定機を外すなど時すでに遅し。与シュート1本という珍記録でまんまと逃げ切られた。


【雑感】
■籠城崩し
 完全に籠城モードに入った相手を崩すのは、なかなかに難しい。結論から言えば、石丸監督は籠城崩しという難題の正解を導き出せていた。すなわち本多投入後80分からの形。左サイドでブレーキをかけ続けていた右利き下畠を右に回すことで石櫃とクロス発射砲台を2本に。逆サイドはエスクデロが仕掛ける陸上戦。中央に潰れ役の有田+仕上げ役のイヨンジェ。引いた相手に対して決定機は十分作れていたが、イヨンジェや石櫃が決めきれなかった。采配ミスがあるとすれば、この形をあと10分15分早く整えられなかったこと。あるいは堀米→本多の交代は後半頭くらいからでもよかったかもしれない。
 今の京都は、「戦力が足りないから点が取れない」訳ではない。むしろ攻撃陣の手駒は豊富で、その戦力の組合せにズレが見える。石丸監督は、おそらく勝った山形戦のイメージを引きずっているのだろうが、ガッツリ引いてスペースを無くされた状態では堀米は活きないし、ダニエルロビーニョが狙える「裏」も消されていた。そもそも山形戦ほどルーズにやってくれる相手など少ない。その時々の手駒の調子を見極め、組合せを見直していく臨機応変さも求められる。

■アベコベミクス
 引いた相手を崩し切れなかったこと自体は勝負のアヤで、さほど悲観すべきではないと考える。気になるのはもっと根本的な部分で、「レシーバーの動きが少ない」こと。ボールを持っても受け手が動き出さないため、足元へのパスとなり、相手に読まれて易々と守られる、はたまたミスパスになる…。これは今シーズンずっと起こり続けている問題点だ。記憶が確かならば石丸監督は「走るサッカー」を標榜していたと思うが、フリーランでボールを呼び込むような動きが出るゲームは希で、デフォルトで攻撃が加速していかない。
 そんな中で1人、レシーバーとしてやたらと動く選手がいる。中盤の底でパスの出し手になるべきはずのアンドレイだ。特に前半、アンドレイは機を見て前に出ては受け手として存在感を発揮。いや、発揮しすぎた。一方で不在にした中盤の底での好守の繋ぎ役は佐藤1人となり、組み立て役は圧倒的に不足。堀米が降りてきたりしていたが、いろいろアベコベである。目に見えた効果がわかりにくいアベコベミクスだ。
 周囲はもっとアンドレイのように前への推進力を意識して走らなきゃいけないし、アンドレイは前に走りすぎないで本来の繋ぎ役、組み立て役をこなさなきゃいけない。そもそも本当に「走るサッカー」を目指しているの?ちゃんと走れているの?見ている側にそれが伝わってこない点は、多いに憂慮すべき部分かと存じ奉りまする。