湘南ベルマーレ●0-1○京都サンガF.C.
■勝ち馬に乗れ!
トーナメント戦は勢いだ。ダッと雪崩込めば人智の及ばぬような流れに乗って連戦連勝、破竹の勢いを得ることができる。若き大木たけし軍団・京都サンガは、鹿島戦の勢いをいかに維持するか?または、いかに加速させるか?そしてどうやって勝ち馬に乗れるかが、この試合を含めて元日まで勝ち上がるための焦点だった。
対する湘南・反町監督は、極めて理知的なスタンスでこの試合に勝つことを考え、どうやら罠を仕掛けてきたようだ。3バックのサイドのスペースに宮吉拓実を釣り出しておいて、連携を分断する策だ。ボールは回るが、最後に宮吉が絡めない。攻撃の糸口はドゥトラだけ。反町の策略が半ば達成されるかに思えた。その矢先にセットプレーをモノにした京都が先制。等々力のピッチに勝ち馬が現れた。
■神降臨
さすがに湘南は京都のサッカーの特性をよく知っていた。ピッチを広く使うことで京都の選手間の距離を広げ、パス回しを封じる。対する京都も田原豊の怖さはよく知っている。秋本倫孝は田原よりも前で競り、湘南唯一最大の攻めてを封じた。お互い、良さを消し合ったゲームだったかもしれないが、それでも球際は激しく、両チームの運動量は多い好ゲームに。
最後の見せ場は、守護神・水谷雄一のビッグセーブ連発だった。水谷は、吠えた。この瞬間に、石がひっかかってつっかえていた車輪が自由になり、ガラガラと回り始めるかのような勢いを京都が取り戻した。非合理的、非科学的な存在によって、勝ち上がることを指し示されているかのような勢い。
2002年の時と、同じだ。
〈京右衛門的採点〉
水谷 7.5 …神としか言いようがない。
安藤 6.0 …全体的にキレがなかったが、チャンスは演出。
森下 6.5 …いいカバーリングでいつもより広い守備範囲を守った。
秋本 6.5 …田原に密着マークし、封じ込めた。ゴールにつながった折り返しも見事。
福村 5.5 …ミスが多く今ひとつだったが、よく身体は張った。
チョンウヨン 7.0 …中盤で跳ね返し、奪い、パスを出し、と大活躍。
中村充 6.5 …潤滑油のように守備から攻撃への流れをスムーズにした。
工藤 6.0 …相手の方が中盤の人数多かったが、運動量でしっかりカバー。
中山 6.0 …前半は攻撃、後半は守備で目立ち、縦横無尽な動き。
宮吉 5.5 …決定的なチャンスわ決められず。守備は献身的だった。
ドゥトラ 6.5 …キープ力と突破力で攻撃を牽引。貴重な決勝ゴール。
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加藤 ――
内野 ――
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大木監督 6.5 …最後まで無駄に動かずブレない戦略で策士反町に勝利。