二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2014サポーターズミーティング〈社長編〉

2014-01-26 | 蹴球
例年ならちょっとした「祖母井秀隆独演会」となる京都サンガサポーターズミーティング。ところがどっこい今年は祖母井GMかなりおとなしめ。むしろ今井社長による話の方が興味深くもあり…。ということで、まずは社長編として気になった点などざっくりと。

■財務の件
今年は20周年ということで、スライドショーのタイトルも「京都サンガF.C.20年の検証」。これを使って20年間の財務のとか黒とかとか、とか。観客動員数をグラフ化して説明(今井社長曰く「トレンド」)。細かいことには触れませんが、Jリーグ入り前後4年間(1994~1997)の字が凄いのなんの。現在まで受け継がれている【資本金30億円】はここでこしらえたのですね(知ってた)。それから2009と2010のいわゆるウルトラQ補強の時に傷口を広げた。そんな放漫経営時代を受けて今井社長「大きな補強をしてるんですが、あまり成績は出ていない」「2011年から(チーム)編成のあり方を変えた」「ここ3年間は身の丈経営」


■スカラーの件
検証4のスライドは、20年間の成績(カテゴリー・順位)と監督、当時いた主な選手、そしてユースから昇格した選手の一覧表。要はスカラーアスリートプロジェクトが始まってからトップ昇格がこんなに増えましたよーって資料。これは特にシークレットな話でもないので、どこかで公開してもいいんじゃないですかね?クラブの歩みとターニングポイント、スカラーアスリートの正当性が明快になると思うので。

後で祖母井氏も「育成はいい選手が出てきています」と言っておりましたが、育成からチームのバックボーンができつつあるということ。今井社長によれば「今年は田村君がトップ昇格してくれて4期続けてプロを輩出できた。来年は期待できる選手が複数いる」


■スタジアムの件
ここから本題。今井社長によるスタジアム(西京極の現状と新スタジアム)の話が大変興味深いものでした。
要点をかいつまむと、

京都市は政令指定都市の中でもスポーツ施設が断トツに少ない。
    ↓
(つまりある程度の規模の大会を開催できる競技場は西京極だけ)
    ↓
3月上旬の西京極は(イベントが集中するので)いつも大変。
    ↓
(関係各所に)プロを優先してくれないかといろいろお願いしたが(例年やってる大会は)どうしても動かせない。クラブとしてもそれを蔑ろにできない。
    ↓
それで第3節がホーム開催になった。
    ↓
(どこに諸悪の根源があるかといえば…)
京都府下にスポーツ施設がないのが問題

この問題点を解決しようとしているのが、京都府の山田啓二知事。京都府におけるスポーツ施設のあり方懇話会を作り、スポーツ環境の改善を実行中。府が球技専用スタジアムを建てようとしている理由がここにあります(本来は「政令指定都市」の方がやらなきゃいけないのに…)。その進捗状況について、今井社長曰く「新聞とかでいろいろ書かれておりますが、粛々と進んでおります。2016年末までには亀岡に新スタジアムを完成させるという計画で進んでいる」
この言葉について捕捉しておくと、亀岡のスタジアムについてメディアが賛否両論を取り上げ、なおかつ批判側の声が大きいため、情報を受ける側の印象として「完成が遅れるのかな?もしかして頓挫するのかな?」などとミスリードしていまいがちである現状を指しているのかな、と。けれども経営会議を重ねつつ、基本計画はちゃんと進んでますよー、という今井社長の報告でした。今年、来年、再来年の3年西京極で窮屈な思いをした後は、雨に濡れなくてすむ新スタジアム!トラックのない新スタジアム!(2層式だったら、いいな)

新スタジアムについてクラブ側も要望を出しているそうで、社長の発言から挙がったのは以下の通り。

・傾斜のある見やすいスタンド
・全面覆う屋根
・オーロラビジョン(発言ママ/つまり映像装置ですね)
・ピッチを取り巻くLED看板
・国際試合にも対応できるプレスルーム
・ロッカールームの充実
 →アーセナル(エミレーツスタジアム?)のホーム側にだけあるプール(風呂)を例に出す


今井社長はヤマハスタジアムの責任者の人と話をして、「行政が税金を使って作ったスタジアムであっても、一番使うのがサンガなのだから、サンガのファンが喜んで買ってくれる席を作らなきゃいけない、ひいてはそれがスタジアムの収益につながる」という考えに共鳴しているようで、社長は専用スタジアムのあり方について非常に理解を深めているな、という印象。山田知事もサンガのことをいつも気にかけてくれている人ですし、クラブ、経営会議、知事がよいアイデアを持ち寄って、素晴らしいスタジアムを作ってもらいたいものです。


なお、西京極についてクラブの運営担当者からの情報として「2015年の11月~か12月~に(電光掲示板の)改修の予定がある」のだとと。2016年1年間だけカラービジョンになる―――?それにして政令指定都市様は、スポーツ施設・文化施設についてのタイミングや順番いろいろ残念でございます。


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バドゥ監督の紹介がほとんどを占める祖母井GM語録については、また別エントリーで。