二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011 J2第6節(順延分) 京都vs札幌

2011-10-19 | 蹴球

京都サンガF.C.○4-0●コンサドーレ札幌

■Z旗を掲げよ
 この試合もまた明確な目的のある方が圧倒的に試合を支配するという幕開けだった。いや、それも立ち上がりから物凄いプレス。10分間で3~4点奪われてもおかしくないようなコンサドーレ札幌の猛攻を、水谷雄一とクロスバーの活躍によって防ぎまくった。大木監督はこの試合では4バックへと変更したものの、そのおかげで中盤は人数が1人減った訳で、どうもそがスカスカになっていた。
 しかしサッカーとは不思議なもの。完全守勢の京都はチョン・ウヨンが技巧で相手をいなして右サイド→左サイド(宮吉)→右サイド(工藤)→ゴール左隅…というピッチに大きくZを描くようなゴール。
 これまでのような狭い展開でなくピッチを広く使ったゴール。先制してしまえば4人になった中盤が“コツ”をつかんで、面白いように点を重ねていくことになるとは。うーん、サッカーは不思議だ。

■中盤の使い方
 数字上 5 → 4 と京都の中盤は、4バックから3バックへとフォーメーションを変えたことで一人減ったのである。序盤はそれがダイレクトに「数的不利」となった。その時間帯、工藤浩平は消えていた。ところが、人数が少ないということは、使えるスペースが広がっているということ。工藤はそこを使い始めた。1点目もそうだったし、その後は縦横無尽にピッチを走り回る。そうなると、ポジションを固定しないで適宜ズレたりしながらスペースを見つける大木サッカーの訓練が推進力になった。
 中村充孝の前には、特にスペースがあった。これを使うことで、彼は単なる「ボランチ」から「セントラルミッドフィルダー」へと変化。工藤→中山博貴→中村充孝…という感じでスペースの使い方が伝播していくともはや鬼に金棒のような破壊力だった。
 こんなイケイケサッカー、どっかで見た覚えがあると思ったら、2005年の甲府だった。もちろん、監督は大木武で、大敗→大勝を繰り返した挙げ句、柏レイソルに6-2で勝ったりしたあの甲府。


〈京右衛門的採点〉
水谷 7.0 …神!
酒井 5.5 …基本的に不安定。後半はようやくいい攻め上がりが出た。
内野 6.0 …序盤の神クリア含め、ギリギリのところで粘った。
森下 6.5 …個のカバーで猛攻をしのいだ張本人。怪我でリタイア。
福村 5.5 …守備は狙われてたくらい不安定。攻撃面はとても良かった。
チョンウヨン 5.5 …守備はアリバイ。前を向いてのロングフィードは絶品。
中村充 6.5 …攻撃のタクトを振りながら、ゲームを支配する王様プレー。
工藤 6.5 …蟻の一穴をかぎ分けるフリーランニング。巧み。
中山 6.5 …献身的に動き回って、アクセント&潤滑剤に。
宮吉 6.5 …1点目のアシストは極上。ボールの引き出し方、パス出しとも◎。
久保 5.5 …全般的にキレがなかったが、こぼれ球をねじ込むのはさすが。
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加藤 6.5 …急造CBだったが、読みの良さで危なげなし。コンバート?
駒井 6.0 …自らの役割をきっちり遂行するハードワークぶり。
金成勇 ――
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大木監督 6.0 …怪我人続出だが、瓢箪から駒?次が大切。