FC東京○6-1●京都サンガF.C.
■余裕という能力
なでしこが北朝鮮戦で、86分から守りに入って失点したことが念頭にあったので、この試合、「攻める・守るの精神模様」に注目して観てみた。
前半20分までは、攻め懸かる京都が常に精神的優位に立ち、FC東京は常に後手後手だった。余裕のなさはパス精度に如実に現れて、だいたいが不正確。一方の京都は速いプレスでボールを絡め取って、そのまま前にボールを運ぶという素晴らしいサッカーを展開。森下俊が森重真人からボールを奪って、そのまま美しいスルーパスを出して、追いついた宮吉拓実が落ち着いて沈めたゴールは今シーズンナンバーワンじゃないかと思えるようなプレーだった。
ところが、この試合はFC東京のルーカスがもの凄かった。同点にしたゴールも、一度体勢を崩しながら落ち着いて足に当てて決めたゴールで、その他にもゴール前ですぐに打たずに一呼吸おいてからボールをちょっとズラして打つなど、憎らしいばかりの「余裕」を見せて、京都のディフェンス陣を翻弄した。
この余裕は、百戦錬磨の経験の末に獲得した能力。若さの勢いと脆さを露呈した京都と、あまりにも好対照だった。
〈京右衛門的採点〉
水谷 5.0 …雨嵐のように降り注ぐシュートに為す術なし。
酒井 4.5 …椋原のテクニックに翻弄されまくる。スピードにも対応できず。
秋本 4.0 …ルーカスに子供のように弄ばれ、スピードの無さが致命的に。
森下 5.5 …得点になったタックルからのスルーパスは見事。左は比較的良かった。
チョンウヨン 5.0 …セカンドボールを拾えなかった責任は重い。
駒井 5.0 …積極的に行って良い場面もあったが、前がかりが仇に。
安藤 5.5 …一人闘志あふれるプレーで左サイドを防備するも。
中山 4.5 …崩れゆくチームの中で、何もできず。
伊藤 4.0 …ミスが多く終始バタバタ。出足のいい椋原のターゲットに。
宮吉 5.5 …ゴールは上手かった。その後、プレスに奮闘するも浮いてしまった。
中村太 5.0 …守備重視のサイドでまあまあの出来だが、ボールロストが残念。
---------
ドゥトラ 5.0 …トップ下で起用されたが、まったく良さが生きず。
内藤 5.0 …途中から入って消えていた。何のために入れられたのか…?
アライール 3.0 …裏を取られて後ろから倒して赤紙招集。酷すぎる。
---------
大木監督 3.5 …せっかく先制できたのにゲームプランニングが稚拙すぎた。