京都サンガF.C.△1-1△ファジアーノ岡山
74'中村充孝
80'川又堅碁
■前半戦を終え、混戦
気がつけば1年の上半期が終わり、J1もJ2も前半戦が1回り終わってしまった。J1もJ2もとにかく混戦。リーグ全体として差がない訳で、「ここには勝てる」という甘い目算が立ちにくい。戦力が薄いチームでも頑張ればビッグクラブを倒せないこともないので、必死で食らいつく。それが戦前の予想を覆す混戦を生んで面白い。代表格は鳥栖。それからJ1の場合は、下位に本来もっと上に行くだろうべき戦力を持ってるチームが沈んでいたりするのも、また面白い。
J2の場合、そんな面白いリーグ戦にしてしまっている主な原因は、京都と千葉に違いない。それぞれ「戦術的熟成」と「圧倒的戦力」を掲げ、シーズン前は2強で本命視されながら、平気で下位に勝ち点を配り歩くやさしさを見せている。J1で言うところの鳥栖に該当するサプライズチームは岡山だろう。フィールドプレーヤー10人が有機的で能動的に走り回るサッカーで数々のアップセットを演じ台風の目になりかけている。そんな2チームの対戦となったこのゲーム…、さて…。
■押し込んで崩せない・押し込まれて崩される
さて、一瞬首位に立った後あれよあれよと7位に後退し、現在3連敗中の京都サンガ。この日は岡山のプレスがさほどキツくもなく、比較的ボールを持てる時間が長かった。最終的にシュート数は19-9。数字だけ見れば圧倒している。だが、岡山のGK中林洋次がよく当たっていたのもあるが、数字ほど決定的なチャンスがあったようには思えないのだ。
この日はボールを持ってから縦に速く急ぐパスが多く、繋がりとしては雑だった。一方で工藤公平や中村充孝が追い越していくシーンは、それなりに相手を押し込むことができた。ただし、そこから先…だ。EUROのスペインでさえ陥った最後の崩しの部分。唯一の得点が相手を押し込み尽くしてからではなく、福村貴幸の速めのクロスから中村→原一樹→中村という電光石火のワンツーからのゴールだったのが何かを示唆している。
一方で、失点は相手に押し込まれ尽くしてから。ここ最近の失点に共通することで、相手のシュートを一度は防ぐものの、2の矢、3の矢を射込まれて陥落する。そしてDFがつまらないミスを犯す。こちらが出来ないことを相手にはしてやられるというもどかしさ。
後半は激しく攻め合うゲームになったが、お互い疲れてルーズになっただけかもしれない。京都も岡山も運動量を消耗するサッカー。これからの夏場を乗り切れるかどうか。フレッシュな選手の起用法などがカギになる気がする。
〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …一度いいセーブがあったが、活躍の場も多くなく。久々の完封ならず。
安藤 6.0 …タイミングよく上がって右サイドを制圧。守備でも奮闘した。
秋本 5.5 …よくはね返していたが、失点の場面は完全に翻弄されて崩された。
染谷 5.0 …無難な出来から一転、終盤にミスを重ね、失点につながるクリアミス。
福村 5.0 …高い位置から帰陣が遅く、左サイドをいいように使われてしまった。
チョンウヨン 5.5 …ボールによく絡めていたが、パス精度やシュート精度がイマイチ。
中山 5.5 …気がつけばいい位置にいるのに、肝心なところでミスが目立つ。
工藤 6.0 …奪ってから鋭いパスを出して局面を打開。前に出るとチャンスになった。
中村 6.0 …前半は寝ていたが、後半はキレキレ。グイグイ前に出てゴールを奪うなど躍進。
駒井 5.5 …掻き回すんだけど、相手を崩しきれなかった。チャンスも多かったが…。
久保 5.5 …アグレッシブでボールの引き出し方もよかったが、チャンスを潰す凡プレーも連発。
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原 5.5 …充孝へのアシストシーン以外は、ピントが合ってないスナップ写真だった。
三根 ――
黄 ――
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大木監督 5.5 …ポゼッションで圧倒しながらも、先制点守りきれず。選手交代にはさほど効果なし。