二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2015明治安田生命J2リーグ第33節 京都vs岡山

2015-09-24 | 蹴球

京都サンガF.C.△0-0△ファジアーノ岡山

[警告・退場]
・京都
5'原川力(C1)
・岡山
なし

【全体の印象】
 ゲームの主導権を握ったのは岡山。的を絞ったプレスとサイド攻撃で前半から優位に立った。京都は相手のミスからチャンスを作るも決めきれず。後半からは京都が攻勢に出るも、再び岡山にサイドを使われクロス攻撃を浴びる。がしかし岡山もフィニッシュ精度を欠いた。常に相手を先回りして局面局面で数的優位を作ろうとしていた岡山に対し、京都は清水、バヤリッツァ、菅沼、石櫃ら守備陣の奮闘が目立った。


【雑感】
■ピッチ上の算数
 岡山は実質0トップだった。FW登録の3枚+ボランチ2枚の計5枚に対して、京都の中央は計4枚(有田・宮吉と原川・田森)。京都が中央でボールを保持すると、5vs4の勝負となり、岡山のプレスにほとんど敗北した。岡山はさらにボールを横方向に大きく速く動かすことで、京都のプレスを無効化。両翼の田中奏一、三村真はそれぞれ積極的にサイドを突いて京都の駒井、伊藤を押し下げる。もちろん、京都には駒井・伊藤の後ろにSBがいる訳で、ここは京都が数的優位かと思いきや、岡山はボールをサイドに動かした時は、FW登録の両翼(伊藤大介・片山瑛一)が加勢して2vs2の形に。京都側の伊藤・駒井が攻めに出てしまうと、数的優位を作られ、特に三村には何度も突破を許してクロスを送り込まれてしまった。ピッチ上の算数のところで、岡山は計算通りに京都を罠にハメた。逆に京都が数的優位を作れたのは、“計算外”のバヤリッツァの攻め上がりだった。

■守備上々
 戦術的に優位に立っていた岡山だったが、バヤリッツァ+菅沼のところでは計算が合っていなかった。0トップ気味な布陣の岡山は、クロスを入れても中に誰もいないか、久保裕一1人のみ。後半は1トップに近くなったが、京都2vs1岡山の状況では算数的にも、バヤリッツァのキレキレっぷりからも、ゴールを割られてしまう予感はさほどなかった。お互いにミスから誘発される決定機はあったものの、最後の砦となる両GKのレベルは高く、GKに注目すればなかなか見応えのあるゲーム内容。64分、清水圭介がキャッチして即宮吉にスロー、そこから有田のヘッド(オフサイド)までつなげたGK起点の速攻などは、これまでの京都にはなかったもの。清水の判断力の充実は頼もしい。
 守備は上々の安定感をみせる一方で、連続スコアレスとゴールが欠乏気味。戦術的に主導権を握られていようと、自分たちの形がハマらなくとも、それなりにチャンスを作れているのは悪くはない。食い足り無さはあるが、(下位が追い上げてきているからといって、)焦ってやり方を変えてしまうのが一番の下策。選手交代がマンネリ気味なのは気になるところだが、このゲームで復帰した山瀬は、今後いい意味でバランスを崩せる変化をもたらす存在になりそうだ。