二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2014 J2第40節 京都vs富山

2014-11-09 | 蹴球

京都サンガF.C.△1-1△カターレ富山
83'山瀬功治
(assist駒井善成)
           88'秋本倫孝

■アンバランス
 勝つしかない、点を獲るしかないという切羽詰まった状態が続く京都。試合開始から左の伊藤優汰が積極的な仕掛けを見せ、早々に主導権を握って富山を敵陣に押し込んだ。J3降格の決まった富山がどう出るかと思いきや、5枚引いた上で攻撃にも出てこないという籠城戦の構え。そういう相手を崩すのは確かに難しいのだが、京都はもう四の五の言ってる状況でもなく、前節岡山戦で見せた「火の玉アタック」を仕掛けていかねばならなかった。しかし、鬼気迫るような迫力は感じらず、圧倒的にボールを保持してもどこかチグハグした印象を受けた。
 それはまるで左右で別々のサッカーをやっているようだった。左サイドは伊藤を中心に福村貴幸・駒井善成が狭いエリアでボールを繋いでいくスタイル、右サイドは石櫃洋祐がクロスを上げるだけのアバウトな攻撃。左右でやってるサッカーのテンポも空間の使い方も微妙なズレがあり、ちょうど伊藤の髪型のようにアンバランスだった。ドウグラスの高さも上手く使えず、左の福村から右のドウグラスへと左右横断するような攻めは前半30分ごろに1度あった程度だろうか。

■去年までの…
 富山がドン引きしたことで、京都はいつもよりも一段下の田森大己の位置がゲームの組み立てポジションになっていた。攻撃を操ることに長けた工藤浩平が使われる側に回りなかなか組み立てに関与できなかったことも、前半の迫力不足の要因だろうか。後半、三平和司を投入した時点でようやく工藤が組み立て役に回ったが、相変わらずエース大黒将志は消され、ドウグラスと三平のシュートは枠に飛ばず。焦りからか丁寧なパス回しよりも裏のスペースもないのに裏狙いや、石櫃経由のイチかバチかクロス(あるいはCK狙い)という短絡的な攻めが目立つように。前節、劇的に勝ったために目立たなかったが、こういう雑さ(=不格好さ)は相変わらずで、これなら富山も守り所が絞りやすい。
 3バックにして右ウイングバックとして山瀬功治を投入した時点で、前節同様「破れかぶれモード」のスイッチを入れたのだろう。それにしても山瀬が駒井のパスに呼応して奪った先制ゴールは見事だった。ロングボール主体の攻めで崩せなかったところを、狭い局面を切り裂く一撃。去年まで培った連携が生んだ貴重なゴールだったが、わずか5分後、去年まで京都にいた秋本倫孝に同点ヘッドをねじ込まれて万事休す。惜しむらくは、得点後に畳み掛けるような猛攻を見せてもらいたかった。最後のカードが「横谷繁のアンカー」というのは前節同様だったが、攻めきるとも逃げるとも付かない中途半端な采配に映った。


〈京右衛門的採点〉
オ  6.5 …終始安定した守りでラインの裏もケア。ドフリーでの失点は致し方なし
石櫃 5.5 …クロスマシーンと化して上げ続けるもアバウト。守備は相変わらず不安定。
酒井 5.5 …終始難の無い守備を見せていたが、秋本のマークを外して痛恨の失点献上。
バヤリッツァ 6.5 …圧巻の強さでことごとく跳ね返す。長いフィードもよく通した。
福村 6.0 …伊藤・駒井との連携で小気味良い攻撃の組み立て。1vs1の守備の対応も良。
田森 6.0 …危なげなく確実にボールを回収、奪取も、攻撃面は平凡。戦術的な理由で交代。
駒井 6.5 …右へ左へよく動き、積極的にミドルも狙う。山瀬へのアシストも素晴らしかった。
ドウグラス 5.0 …戦術的に浮いた存在に。後半シュートチャンスも増えたが、枠を捉えられず。
工藤 6.0 …前半はボールの受け手側。後半からは攻守の繋ぎ役として躍動もブレイクしきれず。
伊藤 6.0 …仕掛ける姿勢はアクセントになったが、アクセント止まり。いいクロスも多かったが。
大黒 5.5 …駆け引きスペースまで消されて苦闘。どうにかチャンスを広げようともがく。
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三平 5.0 …前線に早めに入っても収まらず、チャンスも決めきれず。プレーに焦りがみえた。
山瀬 6.5 …右WBからゲームの流れを見極め、駒井とのコンビから見事な先制ゴール。
横谷 5.0 …プレス圧力が弱く、抜けられた相手に対して、結果的に失点につながるファウル。
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川勝監督 5.0 …パワー全開での発進に失敗。横谷投入はメッセージとしてどっちつかず。