![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/e3/1da0bc0dca7c48b4099246ae9df0f550.jpg)
スーパーに食用菊が並ぶこの季節に、
つい手を伸ばしました。
中国の食文化では、菊花茶はありますけれど、
料理の食材として使うのは、日本独自かもしれません。
東北青森を訪れた時、菊の花びらをふんだんに使った菊鍋の美しさに感動し、
南部方言と思われる「おぐらみ」という言葉に、心が響きます。
中国古典文学の世界では、
菊を称賛し詠む歌が非常に多いです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/af/52dc1802d529d5d100f7b44bf3b61765.jpg)
妖艶すぎず
華やかすぎず
淡泊な香りを放ちつづ、品格が漂う
中国の古典にある菊のイメージ。
台湾茶人李曙韻氏の言葉の数々に、しっくりくるものが多いのです。
李氏が台湾活動の拠点もこの「人澹如菊(ren2 dan4 ru2 ju2)」と名づけています。
茶人のあるべき姿を物語っている気がいたします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/96/96c752d000473267563daed233d1e31a.jpg)
言葉の出処は、唐の詩人司空図『詩品二十四則』の「典雅」から。
その言葉の前半と合わせますと、こうなります。
落花無言 人澹如菊
luo4 hua1 wu2 yan2 ren2 dan4 ru2 ju2
昔の文人は、
咲き終わる花の命を
惜しむような感性の持ち主が多いかもしれません。
そのような時代に生きた司空図氏は、
落花に嘆くように悲しんだりしないように
一輪の菊のように淡々と生きよ
と詠いました。
食用菊を調理する前に、
一つ好きな言葉を思い出しました。
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