トウハクの国宝展にて
南宋の山水水墨画を目の前にして
雄大な山水を描くことと対照的に
人間は小さく小さく描く。
そんな時代でした。
我々人間はあくまでも、
千年の自然に通りかかる一人の客にすぎません。
そんな事を悟らせた気がいたします。
同展の竜首瓶のシリエットと精巧な造りも印象的でした。
トウハクの翌日に、
家族と京都奈良へ。
大河内山荘の展望台から京の町を俯瞰。
色づき始めた京の紅葉は麗しい。
金閣寺の美しさは、
歳を取ると共に
わかってきた気がいたします。
水面に映る煌々たる金閣寺と広がる青空、
ずっと目に焼き付けていたいのです。
この時期西へ行く最大な目的は正倉院展。
大きな銀壺に施された繊細な図紋の前で暫し見惚れ、
年月とともに落ち着いた色合いを観て心が和む。
小物では象牙や鹿角を嵌めた如意が印象的で私好みです。
今日も古のお宝を沢山観てきました。
いにしえの時代と人々を近く感じた日でした。
主人に「ほんとにお宝(国宝)が好きなんですね」
と揶揄されました。
沢山の本物を観て
目を養いたいのです。
心が満たされて帰路へ。