音楽とは、演奏が終わった瞬間に消えてしまう
芸術だという。音楽が響いてくるような絵もあ
るという。では、一人で楽器を奏でている時、
また、発表の予定もなく誰に見せるという目的
もなく線を引いている時などに、音楽家や画家
はどんな心境でいるのだろう。
その答えの一つが、このデッサンにあると思え
る。鉛筆と紙を使って描くという絵画の初発の
段階での線が、歌い、踊る時、画家は、われ知
らず、一人の音楽家になっているのだ。
<技法・材質>鉛筆・水彩/紙 <作品寸法(cm)>35×24