
先日、バクチノキ(博打の木)で森へ続く木の橋を作った、という話を書いたが、その木は、バクチノキではなくてカゴノキ(鹿子の木)だった。
いずれも成長するにつれ、樹皮が剥がれ、樹肌が茶色の斑模様となることから付いた名だが、博打の木とは、木の性質や用途などとは関係なく、見た目だけで付けた失礼な命名である。この木がマホガニーの代用として建材に使われることや、咳止めの薬、黄色を染める染料にもなる有用植物であることも判明した。
見た目では判断し難いほど良く似ているカゴノキ(鹿子の木)は、鹿の子の体側の斑模様に基づく命名であるから、これは愛らしい。なるほど、森の中などで、木の間越しに見え隠れする時など、鹿の子が遊んでいるように見えることがあるかもしれない。


先週、諸塚村・南川神楽が開催された松原地区で、カゴノキの大木を見たので、カゴノキのことを知ったのである。これは「宮崎の巨樹」にも選定されている名木であった。神楽の行列が下って来る道沿いにあり、御幣が取り付けられていた。この日、この巨樹に宿る神も、神楽の場に降臨したものであろう。


「カゴノキ」で検索すると、
『カゴノキは、大木となる樹木で、生長すると樹皮がまだらにはげてくる。和名は、鹿子の木の意味であり、樹皮がシカの子供のまだら模様のようであることを指している。クスノキと同様に寿命も長いものと思われる。雌雄異株であり、8月頃に花が咲き、果実は翌年の8月から9月に赤熟する。楽器の素材や薪・炭の用材として用いられる』
とある。これもまた有用植物であった。ちなみに、このカゴノキで絹を染めてみたら、黄色味がかったサーモンピンクが染まった。そのデータは別項で。
今日は、黒木アンジン君(小6)とハルカさん(小3)の兄妹が列車に乗ってやってくる。宮崎市木花駅から乗り、南宮崎駅で乗り換え、高鍋駅まで。アンジン君はカゴノキの生える森で里山作りの仕事、ハルカさんはウールの織りの勉強。兄妹にとって、始めての旅である。無事に来れるかな。
さて、駅まで迎えに行こう。