【無農薬野菜くるりんふぁ~む】~畑と元野犬たち~

愛知県の知多半島で、農薬・化学肥料・除草剤を使わず、丁寧に育てたお野菜を販売。ひとり農業と元野犬たちの日記。

野犬?野良犬? 空の謎

2021-11-12 | 野犬から家庭犬へ 空の話

空を保護して二年が経とうとしています。

空を初めて目撃したのは、2017年の春。


(2017年5月)

ガラケーで望遠拡大したので、ボケボケですが

こんな感じで、遠くから私たちを観察していて、私が「どこの子?」と近づくとすぐに逃げて行きました。

この頃は時どき見る程度でしたが

秋ごろ、散歩中に突然目の前に姿を現し、こちらを向いて道の真ん中にきちんと座り、真っすぐに私を見つめてきました。

その時の印象は、瞳がとても綺麗な明るいブルーで、堂々としていて、すごく優しい子。

コウは喜んで空に駆け寄り、ふたりで楽しそうに交流していました。


(2017.10)

この時は、コウと空が初めて交流したと思っていましたが、今から考えると、私がコウの近くにいない時など、ふたりはそれまで何度か交流していたのではないかと思います。

そして満を持して、群れ(といってもふたりだけど)のリーダーらしき人間(私)に、きちんと挨拶しに来てくれたのかな。

空はその後、たびたび畑に姿を現しては、徐々に私との距離も縮まっていきました。


(2017.10 初めて近距離で写真を撮らせてくれた)

さて、そこで気になるのが、空の素性です。

周りの人は「野犬」だと言っていましたが

・人がいる場所に、真昼間に独りでウロウロしている

・私の目をまっすぐに見る

という時点で生粋の「野犬」でないことは確か。

「野犬」は主に、森や林に住み、夜間に群れで行動し、人のいる場所には出てこない、ましてや、人に近づき意思疎通をはかる事などしないから。


(2018.10)

かと言って、普通の「野良犬=もともと人に飼われていた犬」でもない。

なぜなら、空は狩りをする事ができたからです。

ある日、空と散歩中に、偶然出くわした大きな鳥を、瞬時に捕らえ、林に持ち込み、羽根をむしって食べ始めました😲

それはとても衝撃的⚡な光景でした。

コウも、目の前で繰り広げられる光景に戸惑いつつ、鳥を食べる空を見て「それって食べ物なの??」と不思議そうにしていました。

一方で、鳥は逃げ回るスキもなく、瞬時に捕らえられ、ほぼ即死の状態だったため、苦しむこともなく、血が流れることもなく、なんというか…

とても「美しい狩り」だったのです。

「野生の暮らし」というのはこういう事か、と学びました。


(2018.11)

この事から、空は普通の「野良犬」とも違うように思われます。

人にペットとして育てられた犬は、ふつうは狩りができません。

普通の野良犬なら、ゴミをあさったり、カエルやネズミくらいなら捕まえられるかもしれません。

では、空はどうやって鳥を狩ることを学んだのか。


(2018.11)

うちの地域は、キジ、カモ、ヤマバトなど、あらゆる野鳥や、その卵やヒナも沢山います。

そういう環境の中で、お腹が空いて本能が目覚め、独学で学んだのか…?

近所の方で、何年も前に、空(に似ている犬)が他の野犬らしき犬と一緒にいるのを見たという方もいます。

ということは、野犬から学んだ?

野犬の子?

野良犬だけど、野犬に仲間入りしたのか?

なぜ、その野犬と行動を共にせず、ひとりで行動するようになったのか?

一緒にいた野犬は捕獲されてしまったのか?その光景を空は見たのか?

だから、保健所がいくら檻を設置しても決して捕まることはなかったのか…

なぜ、人のいる場所に出てくるようになったのか?

危険をおかしてでも仲間が欲しかったのかな。

想像するほどに、謎は深まるばかり…


(2018.11)

ただ、近所の人に、空は野犬だと言われたときは、必ず「飼い犬のはずだ」と答えるようにしていました。

何故かというと、「野犬」だと言ったら、「駆除」という名のもとに殺されてしまうと思ったから。

「野犬」には何をしても構わない、と思っている人が、世の中には一定数いるからです。

空は、警戒心がとても強く、見てすぐに、その人が自分にとって危険か否かの見極めがとても鋭い子でもありました。

それは生きる術として、とても重要だったのだろうと思います。


(2018.7)

ちなみに、空は他の場所(メス犬を飼っているお家)にも出没していて、「しろ」や「ぶんた」という名で呼ばれていたことを後で知りました。

それぞれのお家で、時々ごはんやおやつを貰ってはいたものの、だからといって、居つくわけでもなく、ガツガツしている印象はなかったそうです。

それに、痩せておらず体格もよかったので、もしかして飼い犬なのか?と思った方もいたようです。

おそらく、狩りをして自活できていたため、食べ物を人間に頼る必要がなかったのでしょう。


(2018.12)

うちの畑に来たときも、初めは食べ物には一切興味を示さなかったし、だいぶ懐いてからも、フードをあげても食べない時がありました。

そりゃあフードなんかより、直前まで生きていたピチピチの新鮮な鳥の方が美味しいはずだし、栄養価も高いでしょう。

数いる野鳥の中でも、とりわけキジをよく追っていて、気配を感じると弾丸のように突っ走っていたので、たぶん一番美味しいのだと思います。(食べ応えもありそう)


(2018.10)

私が知る、空についての最も古い情報は、2017年の2月付で町役場のホームページに「野犬に注意!」として写真が載っていたこと。(それについての記事はこちら

それ以前の空については、知るすべがありません。

どこでどんな母犬から生まれ、どうやって成長したのかな。

赤ちゃんの頃の空、可愛かっただろうな。

すごくすごく知りたいです。


(今日)

でも、わんこは常に「今」を生きていて、過去に意味はありません。

空にとっては「今」が全て。

だから私も、空とコウの「今」を大切に感じながら、共に楽しく生きていこうと思います🍀

 

<野犬/野良時代の動画>