まだ携帯もインターネットもメールも当たり前ではない時代。
オーストラリアのメルボルンに住む8歳の少女メアリー(声:トニ・コレット)は、
万引きに夢中でシェリー酒中毒の母ベアラと、
死んだ鳥を使った剥製の製作が趣味の父ノエルと暮らしていた。
空想好きだが、本物の友達がほしいと願っていたメアリーは
ある日、アメリカに住む“誰かさん”に手紙を送ろうと思い立つ。
分厚い電話帳から選び出した一際風変わりな名前は“マックス・ホロウィッツさん”。
さっそく鉛筆を走らせるメアリー。
一方、ニューヨークで暮らす44歳のマックス(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、
肥満体の中年男。社会にうまく馴染むことができず、極端に人づきあいを苦手とする彼は、
大都会で一人孤独な日々を送っていた。
そんな彼のもとに、遥か彼方のオーストラリアから1通の手紙が届く。
それは、2つの大陸にまたがる、メアリーとマックスの20年以上に渡る深い交流の始まりだった……。
(goo映画より)
本編の始まる前に、監督アダム・エリオットからの日本応援メッセージが映しだされました。
(観ている途中、またしても少し揺れました)
クレイアニメとはいえ、可愛らしいとは程遠い造形、
主人公以外のキャラもどちらかというとグロテスク。
カラフルな色遣いもなく、メアリーのいるオーストラリアはセピア調、
マックスのいるニューヨークはグレイ調。
それぞれのセリフも少ししかなく、殆どをナレーション(バリー・ハンフリーズ)で綴っていきます。
手紙の内容も子供らしい質問といえばそうですが、結構突いてきますw
アヌシー国際アニメーション映画祭最優秀長編映画賞を始め、
オタワ国際アニメーション映画祭グランプリ、
ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門最優秀長編映画賞と受賞。
監督の実体験が元になっているというこの映画、公式サイトのMAKINGによると
撮影期間は57週間、50人がかりで一週間に2分30秒、一日に4秒と気が遠くなる撮影です。
212体の人形、133のセット、475個のミニチュア小道具…等々、
数え上げれば切りがない、細かな手作業の緻密な仕事。
監督の力の入れ具合が隅々まで行き渡っているようでした。
いやあ、映画冒頭から場面をストップして隅々までみたい衝動に駆られました。
なのでこの場合、字幕が辛かった
字面を読んでいるうちに次々画面が変わり、細かく観れない~
8歳の女の子と44歳のおじさんの文通なんて続くのかねぇなんて思いましたが、
そこには年齢を越えた共通部分があったようです。
いじめや病気やコンプレックス…お互い対人関係が苦手です。
チラシには“ある日、しあわせの手紙がやってきた――”とありますが、
はたしてマックスにとって、メアリーの手紙が“しあわせの手紙”といえるのか?
と思いながら観ていましたが、最後の最後にやられました。
いい映画でした。
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